• 作成日 : 2016年4月25日
  • 更新日 : 2017年4月17日
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退職金にも所得税はかかる!計算方法と注意すべきこと

退職金にも所得税はかかる!計算方法と注意すべきこと

退職金=退職所得。退職金にも所得税は課せられます。

ここではそもそも税法上「退職金」とはどんなお金を意味するのか、と言うところから始め、退職金の源泉所得税の計算方法を解説するとともに、退職時に重要な書類となる「退職所得の受給に関する申告書」についても紹介します。

退職する側はもちろん、退職金を支払う企業側の担当者も必読です。

退職金の所得税はどうやって計算する?

「退職金」とはそもそも何か?

退職金は税法上「退職所得」と呼ばれます。この意味での退職金は、退職時に特別に支払われる一時的な給与のこと。

1つの企業を勤め上げて退職し、その際に特別な給与の支払いを受けた場合はもちろん、勤めていた企業の倒産により給料に未払いが発生し、その未払い分を国が立て替えた場合の未払い賃金も、「退職金」に分類されます。

基本的に引き続き勤務している人の場合は、受け取ることのできる賞与等と同じ性質の給与は「退職金」にはなりませんが、このような場合でも「退職金」を受け取るケースもあります。

例えば使用人から役員になる時に受け取るそれまでの勤続期間分の退職金も、税法上の「退職所得」と同じ性質のものです。

あとで見るように退職金の所得税の計算には独自の計算式を用いるため、退職金なのか通常の給与なのかをはっきりさせておかなくてはなりません。

退職金の「所得控除」の計算方法

課税対象になる退職金の金額の計算は、次のように行います。

(収入金額(源泉徴収前の金額)−退職所得控除額)×1/2=課税対象になる退職金の金額

まずはこのうち「退職所得控除額」の計算方法を見ておきましょう。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数
(80万円未満の場合は、80万円)
20年超800万円+70万円(勤続年数-20年)

例えば、勤続年数が13年と3ヶ月の人の退職所得控除額を計算する場合、勤続年数は端数を切り上げて14年となります。勤続年数が20年以下なので上図の上段の計算式を使います。

40万円×(勤続年数)=40万円×14年=560万円

勤続年数が40年の人の場合は次のような計算式となります。

800万円+70万円×(勤続年数−20年)=800万円+70万円×20年=2,200万円

退職所得控除額の計算には例外が2つあります。1つ目の例外は、退職の原因が障害者になったことである場合です。

この時、退職所得控除額はもともとの計算式で計算された金額に100万円を加算した金額になります。2つ目の例外は、前年以前に退職金を受け取ったことがある場合、または一年のうちに複数の勤務先から退職金を受け取る場合などです。この場合は退職所得控除額の計算方法が異なる場合があるので、注意しましょう。

退職金の「所得税」の計算方法

退職金の所得税を計算する時は、原則として他の所得とは別の計算方法で計算します。退職金の所得税額を求める計算式は以下の通りです。

退職金の所得税額を求める計算式

(出典:退職金にかかる税金|国税庁HP

これを先ほどの退職所得控除額を求める計算式と合わせて考えてみましょう。

勤続年数が15年の人の源泉徴収前の退職金の金額が1,300万円だったとすると、課税対象になる退職金の金額は次のようになります。

〔収入金額(源泉徴収前の金額)−(40万円×勤続年数)〕×1/2=1,300万円−(40万円×15年)×1/2=350万円

※役員としての勤続年数が5年以下の法人役員等の退職金の場合は、1/2は掛けません。

速算表に基づけば、適用される所得税率は20%です。

(課税対象となる退職金の金額×20%−636,000円)×102.1%=(350万円×20%−427,500円)×102.1%=278,222.5円→278,222円(1円未満の端数は切り捨て)

以上から、勤続15年で退職金1300万である場合の所得税額は278,222円です。

「退職所得の受給に関する申告書」とは何か?

退職所得の受給に関する申告

「退職所得の受給に関する申告」はどんな手続きか?

国内で退職金をもらう人は、退職金の支払いを受けるまでに必ず「退職所得の受給に関する申告」を行わなければなりません。

「退職所得の受給に関する申告書」の項目を記載し、企業など退職金の支払者に提出するだけの手続きです。この書類は退職金の支払者が保管することになっており、税務署長から特に提出を求められない限り、税務署に提出する必要はありません。

「退職所得の受給に関する申告書」はなぜ重要か?

「退職所得の受給に関する申告書」の提出は原則として義務です。もし提出をせず、「退職所得の受給に関する申告」を行わない場合、退職金の金額に対して一律で20.42%の源泉所得税率が課せられます。

前述の速算表を見てもわかるように、この税率と申告を行った場合の税率との間にはズレが生じる場合があります。

万が一申告を忘れてしまった場合にも、退職金の受給者本人が確定申告をすることで、退職金の所得税額の精算は可能です。しかし正確な納税並びにスムーズな退職のためにも、退職時にはきっちりと「退職所得の受給に関する申告」を行いましょう。

まとめ

退職金も所得は所得。他の所得とは別に所得税が課せられます。何が退職金で何が退職金でないかの分類をきっちりするとともに、「退職所得の受給に関する申告」を忘れずにするようにしましょう。