• 更新日 : 2025年3月18日

外国人雇用状況届出システムを利用するメリットは?使い方や注意点も解説

外国人雇用状況届出システムを利用すると、いつでも届出の手続きができ、ハローワークまで足を運ぶ時間や手間を省けます。

本記事では、外国人状況届出システムでスムーズに手続きするためにメリットや使用方法、注意点について徹底解説します。オンラインでの手続きをご検討中の方はぜひ本記事を参考にしてみてください。

外国人雇用状況届出システムは政府が提供するオンラインシステム

外国人雇用状況届出システムは、事業主がインターネットを通じて外国人労働者の雇い入れや離職の届出を行えるオンラインシステムです。届出は、外国人の雇用状況を適切に把握・管理するために義務付けられています。

ただし、雇用した外国人が雇用保険被保険者であり、「雇用保険被保険者資格取得届」または「雇用保険被保険者資格喪失届」によって既に外国人雇用状況が届出されている場合、システムでの届出は不要です。

システム内の外国人雇用情報は、事業主が登録した情報、または資格取得届・資格喪失届・外国人雇用情報届出書(様式第3号)で届出された情報です。また、ハローワークが内容を確認・修正すると、システムに反映されます。

システムを活用することで、事業主は効率的に外国人雇用状況を届出でき、適正な雇用管理が可能になります。外国人雇用の際のさらなる注意点は、下記記事をご覧ください。

外国人雇用状況届出システムを利用するメリット

外国人雇用状況届出システムを活用すれば、企業は自社に合った方法で効率的に手続きできます。雇用保険の手続きと連携すれば、不要な届出を省略できるため、業務負担が軽減されます。システムを利用するメリットを事前に把握し、適切な対応を行いましょう。

ハローワークに行く手間が省ける

外国人雇用状況届出システムを利用すれば、ハローワークに出向く必要がなくなり、手続きをインターネット上で完結できます。

従来は、窓口での書類記入や確認、提出のためにハローワークへ足を運ぶ必要がありました。しかし、システムを活用すれば、職場や自宅から簡単に申請が可能です。

また、入力ミスがあってもオンラインで修正できるため、書類の訂正にかかる手間も削減できます。とくに、ハローワークが遠方にある企業や、交通の便が悪い地域の事業者にとっては、移動時間や交通費を削減できる点が大きなメリットです。

24時間いつでも外国人雇用状況届出書を提出できる

外国人雇用状況届出システムを利用すれば、24時間いつでも届出書を提出できます。

従来の対面手続きでは、ハローワークの営業時間内に訪問する必要があり、業務の合間を縫って時間を確保する必要がありました。日中の業務が忙しい企業にとっては、手続きのために人員を割くことが負担になることもあります。

しかし、外国人雇用状況届出システムを活用すれば、深夜や早朝など業務時間外でも手続きが可能です。繁忙期や急な業務対応が必要なときでも、届出を遅延なく進められます。

外国人雇用状況届出システムの利用方法

外国人雇用状況届出システムを活用すれば、オンラインで簡単に外国人の雇用状況を届出できます。ただし、スムーズに手続きを進めるには、事前に利用方法を確認しておくことが重要です。以下では、外国人雇用状況届出システムの具体的な利用方法を解説します。

1. ユーザ情報を登録する

外国人雇用状況届出システムを利用するには、事業者がユーザ情報を登録する必要があります。登録は仮登録と本登録の2段階で行われ、適切に手続きを進めることでスムーズにシステムを利用できます。具体的な登録方法は以下のとおりです。

手順詳細
1. 外国人雇用状況届出システムトップページから新規登録するシステムのトップページにアクセスし、「ユーザID新規登録」ボタンを押す。
2. ユーザ情報を仮登録する雇用保険適用事業所の場合:「雇用保険適用事業所からのID仮登録」を選択する。

雇用保険非適用事業所の場合:「雇用保険非適用事業所からのID仮登録」を選択する。

3. 必要事項の入力と仮登録メールの送信する事業所の情報や担当者のeメールアドレスを入力し、「合意します」を押す。正常に送信されると送信完了画面が表示され、登録したメールアドレスに仮登録メールが届く。
4. 仮登録メールを確認し、本登録を行う仮登録メール内に記載されたURLにアクセスし、24時間以内に本登録を完了させる。
5. ユーザ情報を登録する本登録画面で必要事項を入力し、「ユーザ情報登録」ボタンを押す。
6. 登録内容を確認し、確定する入力内容を確認し、問題がなければ「確定」ボタンを押す。確定後、ユーザ情報登録完了画面が表示される。
7. 登録完了を確認するシステムからのメッセージを確認し、本登録が完了したことをチェックする。

参考:外国人雇用状況届出システム 操作マニュアル|厚生労働省

以上の手順を正しく行えば、外国人雇用状況届出システムを利用できるようになります。

2. ログインして届出情報を入力する

外国人雇用状況届出システムにログインし、雇用情報を登録すると、オンラインで簡単に届出ができます。ただし、雇用した外国人が雇用保険被保険者であり、資格取得届により外国人雇用状況届出を行った場合、システムでの新規登録は不要です。具体的な流れは以下のとおりです。

手順詳細
1. 外国人雇用情報新規登録をクリックするシステムにログインしたら、雇用情報メニューより「外国人雇用情報新規登録」をクリックする。
2. 雇用情報を新規登録する外国人労働者を雇入れた場合、必要な雇用情報を入力し、「外国人雇用情報新規登録」ボタンを押す。
3. 雇用情報新規登録確認画面を確認する入力内容を確認し、問題がなければ「確定」ボタンを押す。なお、同一人物の可能性がある雇用情報が既に登録されている場合、注意メッセージが表示され、該当データが5件まで一覧表示される。登録内容に誤りがない場合、「確定」ボタンを押して登録を完了する。
4. 雇用情報の登録が完了する確定後、雇用情報新規登録完了画面が表示され、手続きが完了する。

参考:外国人雇用状況届出システム 操作マニュアル|厚生労働省

上記の流れで正しく登録することで、スムーズな届出が可能になります。

3. 修正と変更手続きをする

外国人雇用状況届出システムでは、必要に応じて登録済みの雇用情報を修正・確認できます。したがって、誤った情報の訂正や更新が簡単に行え、常に最新の雇用状況を反映できます。具体的な修正方法は以下のとおりです。

手順詳細
1. 外国人雇用情報修正ボタンをクリックするシステムにログイン後、雇用情報メニューから「外国人雇用情報修正」ボタンをクリックする。
2. 修正したい項目を選択する検索項目欄から修正したい箇所を選び、「修正」ボタンをクリックする。
3. 必要事項を修正する選択した雇用情報が表示されたら、修正したい項目を修正し、「外国人雇用情報修正」ボタンを押す。
4. 修正内容の確認する修正内容を確認し、問題がなければ修正を確定する。
5. 修正完了後、一覧画面に戻る修正が完了したら「雇用情報一覧」ボタンを押し、雇用情報一覧画面に戻ります。

参考:外国人雇用状況届出システム 操作マニュアル|厚生労働省

上記の手順が完了すれば、登録済みの雇用情報を迅速に修正と確認ができます。

離職情報の登録の場合

外国人労働者が離職した場合も、事業主は「外国人雇用状況届出システム」を利用して、速やかに離職情報を登録する必要があります。外国人雇用状況の適正な管理を目的とし、すべての事業主に義務付けられています。

手順詳細
1. 雇用情報メニューから離職情報登録へ進むシステムにログイン後、「雇用情報メニュー」にアクセスし、「外国人離職情報登録」ボタンを押す。
2. 離職情報を入力する離職する外国人労働者の雇用情報を選択し、「離職」ボタンを押して登録画面に進む。
3. 必要事項を入力する離職日や離職理由など、必要な情報を正確に入力する。その後、「外国人離職情報」ボタンを押して登録を進める。
4. 離職情報登録を確認する入力内容を確認し、問題がなければ「確定」ボタンをクリックして登録を完了させる。
5. 離職情報の登録が完了したことを確認する正しく登録が完了したことを確認する。他の離職情報を登録する場合は、「離職情報入力一覧」ボタンを押して一覧画面に戻る。

参考:外国人雇用状況届出システム 操作マニュアル|厚生労働省

離職の際も上記の手順で登録を完了させましょう。

外国人雇用状況届出システムを利用する際の注意点と提出前の確認事項

外国人雇用状況届出システムを利用する際には、正確な情報入力や提出前の確認が重要です。事前に注意点と確認事項を理解しておけば、スムーズな手続きが可能になり、リスクを回避できます。以下では、各注意点について解説します。

過去にハローワークへ外国人雇用状況届出を提出した場合は切り替えが必要である

過去にハローワークへ外国人労働者の資格取得届や資格喪失届、外国人雇用状況届出書などを提出した事業主は、「外国人雇用状況届出システム」を利用する際に切り替え手続きが必要です。

過去に届出をした事業主は、システムからユーザIDやパスワードを直接取得できません。そのため、「外国人雇用状況届出に係る電子届出切替・変更申請書」を提出し、オンラインシステムの利用申請を行うことが大切です。

申請書を提出することで、事業所情報や過去の届出内容が正確に引き継がれ、紙媒体から電子届出へのスムーズな移行が可能になります。切り替えを怠ると、過去の届出情報と電子申請情報の不整合が発生し、データ管理に支障をきたす恐れがあります。

スムーズな手続きを行うためにも、切り替え作業を適切に進めることが重要です。

外国人雇用状況届出は雇用保険の加入状況により届出方法が異なる

外国人雇用状況届出の届出先は、雇用保険の加入状況によって異なります。

雇用保険に加入している外国人労働者の届出先は、通常の労働者同様に管轄のハローワークです。雇用保険被保険者資格取得届・喪失届に必要事項を記入することで、外国人雇用状況届出を兼ねられます。

届出はe-Gov(電子政府の総合窓口)を通じて電子申請が可能です。申請時には電子証明書やパスワードが必要となり、e-Gov対応の手続きソフトを使用すると別途e-Govへの届出が不要です。

雇用保険未加入の外国人労働者の届出は、外国人雇用状況届出システムで行います。ログイン時には事前取得したユーザIDとパスワードが必要のため、申請フォームに氏名、在留資格、雇用開始日などの基本情報を入力し届出しましょう。

利用環境が適していないと利用できない可能性がある

外国人雇用状況届出システムを利用するには、適切な環境の整備が重要です。利用環境が整っていない場合、正常に動作せず、届出手続きが遅れる可能性があります。

本システムはMicrosoft EdgeやSafari、Google Chromeでの動作が確認されていますが、使用環境によっては一部表示の不具合が発生することがあります。

事前に対応するOSやブラウザ、必要なソフトウェア、セキュリティ設定を確認し、整えておくことが重要です。

在留資格が職種に適しているか確認する

外国人労働者を雇用する際は、在留資格が職種に適しているかを事前に確認することが重要です。適していない場合、不法就労とみなされ、事業者も「不法就労助長罪」に問われる恐れがあります。

不法就労助長罪に問われると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。たとえ故意でなくとも、在留カードを確認しなかった過失があれば処罰を免れません。

とくに留学生の新卒採用や外国人労働者の中途採用では、現在の在留資格と職種が一致しないケースがあります。上記の場合、就労ビザを再申請し、適切な在留資格を取得しておきましょう。

期限内に提出できているか確認する

外国人雇用状況届出システムでの届出期限は、雇用保険に加入しない外国人労働者については、書面での届出と同様に雇入れ・離職の翌月末日までです。

オンライン提出は手軽な反面、作業を後回しにしやすいため注意が必要です。とくに、ユーザ登録の不備や外国人労働者数が多い場合は、手続きに時間がかかることがあります。万が一、期限に間に合わない場合は、ハローワークに事情を説明し、対応策を相談することも検討しましょう。

届出が完了したと勘違いする可能性がある

外国人雇用状況届出システムを利用する際は、提出が完了したか必ず確認しましょう。本システムはオンライン手続きのため、対面確認がなく、入力ミスや未送信による提出漏れが発生しやすいです。

提出後の確認が不十分だと、手続きが完了したつもりでも実際にはできていない恐れがあります。通常、提出が完了すると確認メールが届きますが、システムエラーや迷惑メールフィルタの影響で届かない場合もあります。メールの受信を確認し、必要に応じてシステム上で提出状況を再確認することが重要です。

外国人雇用状況届出システムに関するよくある質問

外国人雇用状況届出システムに関する疑問を解消するために、よくある質問をまとめました。以下では、各質問を紹介します。

外国人雇用状況届出システムからユーザIDの新規登録ができないのはなぜ?

ユーザIDの新規登録時に「ユーザ情報が既に登録されています。」と表示され、パスワード再登録でも「登録されていません」となる場合、過去にハローワークで届出を行っている可能性があります。

外国人労働者の資格取得届や資格喪失届、様式第3号の届出を一度でも提出していると、ユーザIDの登録はシステム上で行えません。過去に登録していれば、登録はハローワークが管理しているため、過去に手続きを行ったハローワークへ問い合わせが必要です。

利用していたユーザID、パスワード、メールアドレスを忘れてしまったら?

利用していたユーザIDやパスワード、メールアドレスを忘れた場合、管轄のハローワークに問い合わせる必要があります。

まず、ハローワークで事業所情報が登録されているか確認し、未登録なら仮登録メールを受け取り、本登録を行います。登録済みの場合は、登録メールアドレスを確認し、パスワード再登録が可能です。

ユーザIDはわかるが、パスワードと登録時のメールアドレスが不明な場合は、ハローワークでメールアドレスの変更が必要です。

外国人雇用状況届出書を出さなかったらどうなる?

外国人雇用状況届出書を提出しない、または虚偽の届出をすると、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

雇用保険の被保険者でない短期アルバイトでも届出が必要です。また、外国人を雇入れた際だけでなく、退職時にも届出が求められます。届出を怠ると罰則の対象となるため、期限内に正しく提出しましょう。

外国人雇用状況届出システムを活用してスムーズに手続きしよう

外国人雇用状況届出システムは、事業主の手間を省いて効率的に手続きするために重要なツールです。オンラインから手続きすることにより、24時間手続きができるだけでなく、ハローワークまで足を運ぶ時間と手間を大幅に削減できます。

外国人雇用状況届出システムを活用する際は、本記事を参考に正確な情報入力と確認を徹底し、スムーズに手続きを完了させましょう。


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