• 更新日 : 2025年3月10日

AI採用とは?導入するメリット・デメリット、企業事例や現状の問題点などを解説

AI(人工知能)を活用した「AI採用」は、採用プロセスに革新をもたらす手法です。近年、その効率性や公平性への期待から注目を集めており、書類選考の自動化やAI面接など活用シーンも広がっています。本記事では、AI採用の概要と現状、具体的な導入方法、メリット・デメリット、ツールの選び方などについて、人事担当者向けにわかりやすく解説します。

AI採用とは

AI採用とは、人工知能(AI)を活用して採用プロセスを効率化する手法のことです。履歴書やエントリーシートの自動スクリーニング、適性検査の分析、AIによる面接評価、チャットボットによる応募者対応など、人事担当者がこれまで手作業で行っていた業務をAIが自動化します。従来の採用と異なり、人間の主観に頼るだけでなく、AIによる客観的な判断が加わることで、迅速かつ公平な選考が可能になります。

AI採用が注目される背景

AI採用が広がる背景には、技術の進歩と社会的要因があります。AIの進化により、大量の応募者のデータを分析し、精度の高い選考が可能になりました。また、デジタル技術の発展やリモートワークの普及により、オンラインでの選考ニーズが高まり、AI面接やチャットボットによる対応が普及しています。現在では、人事担当者の人手不足やコスト削減などの課題を解決する手段として、AI面接が注目されています。

AI採用の現状

現在、AI採用は国内外で急速に広がりつつあります。特に、新卒採用は応募者数が膨大で一人ひとりに時間をかけにくいため、AIが書類選考や適性検査の判定を行い、人事は重要な面接に注力するというハイブリッド運用が拡がっています。また地方からオンラインで受験する学生に対してAI面接を導入し、移動コストを省くといった活用もあります。

一方、アルバイトやパート採用では、応募から面接・採用までのスピードが重視されるため、チャットボットが応募受付や面接日時調整を即時に行うケースや、店舗営業時間外でも応募者が面接できるようAI面接システムを導入するケースが増えています。これにより、忙しい店舗責任者が面接時間を確保できないという課題を解消し、人材確保につなげています。

AI採用の一般的な流れ

AI採用を実現するには、採用プロセスの各段階にAIツールを組み込む必要があります。ここでは、AIを活用した一般的な採用の流れを紹介します。

求人要件の分析・求人票作成

まずは、求人の募集要件を明確にします。AIは、過去の採用データや社内の人材情報を分析し、活躍する人材の特徴を可視化できます。AIが求人票の作成をサポートしたり、ターゲット層に適した求人広告を自動で調整したりすることも可能です。

応募者の母集団形成

求人を公開し、応募者を集める段階でもAIが活躍します。AIは求人サイト上で適切な候補者を選び、レコメンド機能を活用して求人を提示します。また、企業側ではAIがスカウトメールの文章を自動作成し、個々の候補者に最適な内容でアプローチすることも可能です。さらに、大量のデータベースから条件に合う候補者をAIが検索し、自動的にスカウトすることで効率的に母集団を形成できます。

書類選考

書類選考では、AIを活用して履歴書をデータ化し、学歴・職歴・資格・自己PRなどの内容をもとにスコアリングを行います。事前に設定した評価基準をもとに候補者をランク分けし、高評価の応募者を優先的に確認できるため、人事担当者の負担を軽減し、選考スピードを大幅に向上できます。

適性検査・筆記試験

書類選考を通過した候補者に対して、適性検査や筆記試験を実施します。近年では、AIを活用したWeb適性検査ツールが活用されており、回答結果をすぐに分析して性格傾向や能力を判定できます。また、ゲーム形式の適性検査を取り入れることで、応募者に負担をかけずにデータを収集し、客観的な評価を行うことが可能です。プログラミングテストの自動採点などもAIが得意とする分野であり、スキル評価の精度向上にも貢献します。

一次面接(AI面接)

一次面接では、AIが面接官として質問を行い、応募者の回答内容・声のトーン・表情などを記録・分析します。AIは、自然言語処理を用いて回答内容の論理性やキーワードの有無を判定し、映像解析技術を使って視線や表情の変化からコミュニケーション能力や誠実性を評価します。AI面接を活用すれば、遠方の応募者とも手軽に面接ができ、客観的な評価データを蓄積することが可能です。これにより、人事担当者はより慎重に選考すべき候補者に集中できるようになります。

面接日程調整・フォローアップ

二次面接以降は、従来通り人事担当者が面接担当するのが一般的ですが、AIチャットボットが面接日程の調整や候補者への連絡をサポートします。24時間対応可能のため、日程調整のやりとりにかかる時間を大幅に短縮できます。また、面接前のリマインド連絡や、面接後のお礼メール送信も自動化できるため、フォローアップの効率的も可能です。さらに、AIが内定者フォローを代行し、内定辞退の防止に貢献するケースもあります。

最終選考・意思決定

AIがこれまでの選考データをまとめ、候補者の総合スコアやレポートを作成します。最終的な採用の判断は人間が行いますが、面接官の主観による評価のバラつきをなくし、客観的な情報にもとづく判断が可能になります。また、AIが過去の採用データを分析し、「この候補者が入社後に活躍する可能性」や「離職リスク」などを予測できるツールもあります。ただし、AIはあくまで補助的な役割を担い、最終判断は人間が行うことが重要です。

以上が、AIを取り入れた採用プロセスの一例です。このように、求人作成からオファーに至るまで各段階でAIを活用することで、従来は人手と時間を要していた作業を効率化・高度化できます。自社の採用フローに合わせて、AIを組み込んでいくことがポイントです。

AI採用を導入するメリット

AI採用を導入するメリットは、次の通りです。

業務効率化とコスト削減

AI採用の最大のメリットは、業務の効率化とコスト削減です。従来は人事担当者が膨大な時間をかけていた書類選考や面接日程の調整を、AIが自動化することで大幅に時間を短縮できます。

また、AIは24時間365日対応可能のため、深夜や週末でも選考を進められ、採用期間の短縮につながります。これは、優秀な候補者を競合他社に取られないための大きなメリットです。さらに、AIによる自動処理でヒューマンエラーを削減し、ミスによる手戻り作業を防ぎます。結果として、人事部門全体の生産性向上にも貢献します。

評価の精度向上

AIを活用することで、候補者の評価をより正確かつ客観的に行うことができます。

従来の選考では、面接官の経験や主観に影響されやすい側面がありましたが、AIは過去のデータをもとに一貫した基準で評価します。例えば、AIによる書類選考では、候補者の経歴やスキルを細かくスコア化し、過去の活躍人材と比較して、将来活躍する可能性を予測できます。また、AI面接システムでは、応募者の回答内容や声のトーン、表情などを分析し、論理性やコミュニケーション力を評価できます。

採用の公平性向上

AIを導入することで、より公平な採用が可能になります。人間が行う選考では、学歴や性別、年齢などの先入観が評価に影響を与えることがあります。一方、AIは事前に設定した評価基準にもとづいて判断するため、公正な選考が実現できます。

さらに、AIは人間のように感情に左右されることがなく、常に一定の基準で判断できるため、「誰が選考しても同じ結果になる」という安心感を応募者に提供できます。これは、企業の採用プロセスの信頼性向上にもつながります。

ただし、AIも学習データに偏りがあると評価にバラつきが生じるリスクがあります。そのため、最終的な判断は人事担当者が行い、AIの分析結果を補助的に活用することが重要です。

AI採用を導入するデメリットや問題点

AI採用を導入するメリットがある一方、デメリットや問題点も存在します。

学習データの偏り

AIは過去のデータを学習して評価を行うため、もとの学習データに偏りがあると、評価にも偏りが生じるリスクがあります。例えば、過去に男性中心の採用を行っていた企業では、「男性の応募者が高評価になりやすい」といった問題が発生する可能性があります。

また、AIの判断ロジックがブラックボックス化しやすい点も懸念材料です。AIが「なぜこの候補者を不採用にしたのか」を明確に説明できない場合、応募者の納得感を得るのが難しくなるでしょう。欧米では、AI採用の透明性を確保するための規制が進められており、日本でも今後同様の動きが出てくると考えられます。

この課題を解決するには、AIの選考結果を定期的に分析し、公平性を検証する仕組みを整えることが重要です。また、「最終判断は人間が行う」というプロセスを確立することで、AIによる誤った判断を防ぐことができます。

応募者との関係性構築

AI採用の導入によって懸念されるのが、応募者との関係性構築における課題です。選考段階でAIが前面に出るほど、人間同士のコミュニケーションが減少するため、応募者側が戸惑いや不安を感じるケースがあります。特に、AI面接やチャットボットによる選考では、「自分は本当に評価されているのか」「機械的な扱いを受けているのではないか」といった印象を与えかねません。年齢層が高い応募者ほどAI活用に抵抗感を持つ傾向があり、人ではなくAIに評価されることに不安を覚える場合もあります。

また、採用は企業が候補者を評価する場であると同時に、候補者が企業を評価する場でもあります。AI主体の選考では、会社の雰囲気や担当者の人柄が伝わりにくく、応募者が「この会社で働きたい」というモチベーションを高める機会が少なくなってしまうかもしれません。特に優秀な人材ほど複数社から内定を得るため、いかに自社に惹きつけるかが重要ですが、そのアピールがAIには難しい面があります。

対策としては、一次選考は効率重視でAIを使いつつも、合格者にはすぐ人事担当者からフォロー連絡を入れる、AI面接後に人事との質問タイムを設ける、といった工夫が考えられます。また、応募者に対してAI活用の意図を説明し理解を求めることも重要です。

導入費用・運用コスト

AI採用を導入するには、システムの導入費用や運用コストがかかります。特に、自社専用のAIシステムを開発する場合、多額の投資と時間が必要になります。

また、既存の採用管理システムとAIを連携させる場合、データのフォーマットを整えたり、システムを統合したりする作業が発生します。さらに、AIが適切に機能するためには、過去の採用データが十分に蓄積されていることが重要であり、データが不足している場合は、精度が低下するリスクもあります。

この課題を解決するには、まず小規模な試験運用を行い、費用対効果を検証するのが有効です。また、自社開発ではなく、既存のAIサービスを活用することで、初期投資を抑えながら導入を進めることも検討すべきでしょう。

AI採用を成功させるためのステップ

AI採用を効果的に導入するには、しっかりと準備をし、段階的に進めることが重要です。ここでは、AI採用の導入に必要な基本的なステップと準備すべきことを紹介します。

目的と課題を明確にする

まず、なぜAI採用を導入するのかを明確にしましょう。例えば、「書類選考の時間を半分に減らしたい」「面接の質を向上させたい」など、解決したい課題をはっきりさせることで、どの部分にどのようなAIを活用すべきかが見えてきます。

AIを活用する業務を選定する

いきなりすべての採用プロセスにAIを導入するのは難しいため、まずはAIの効果が出やすい業務を選びます。例えば、応募書類の選考や、応募者との日程調整、問い合わせ対応など、繰り返しの多い作業はAIに適しています。また、自社の採用規模や応募者の特徴を考慮し、最も効果が見込める業務から導入を始めるのもポイントです。

社内体制を整える

AI採用を成功させるには、人事部だけでなく、経営陣やIT部門の理解と協力が欠かせません。AI導入のメリットや必要性をしっかり説明し、社内で合意を得る必要があります。また、現場の採用担当者に対しても、「AIは人事の仕事を奪うものではなく、サポートするツールである」ということを伝え、不安を解消するよう努めましょう。スムーズな導入のために、関係者の意識を前向きにすることが重要です。

過去のデータやシステムを整備する

AIを効果的に活用するには、履歴書や過去の面接などのデータを用意する必要があります。また、AI採用ツールが既存の採用管理システムと連携できるように、システムを整えておくことも大切です。さらに、AI面接サービスなどを導入する場合は、応募者が使いやすいようにマニュアルやFAQを用意することも検討しましょう。

AI採用ツールを導入する

自社の目的に合ったAI採用ツールを選びます。ツールを選定する際は、機能だけでなく、導入実績やサポート体制、既存システムとの連携しやすさなども確認しましょう。ツールが決まったら、設定やカスタマイズを行います。例えば、書類選考なら評価項目の調整、チャットボットなら適切な質問の設定など、自社に合わせて最適化することが大切です。IT部門と協力しながら、セキュリティやネットワークの整備も行いましょう。

小規模な試験運用を行う

AIを全面的に導入するのではなく、まずは小規模な試験運用を行い、結果を検証するのがおすすめです。例えば、新卒採用の書類選考だけをAIで行い、人間の判断とどの程度一致するかを比較するといった方法が考えられます。試験運用の間に、AIの判定精度や、応募者からの問い合わせ対応の負荷、人事担当者の使いやすさなどをチェックし、実際の運用に向けて調整します。

評価・改善を行う

試験運用の結果をもとに、AIの精度や選考プロセスを評価し、必要な調整を行います。例えば、AIの判定が人事の評価と大きく異なる場合は、アルゴリズムの再調整や基準の見直しを行います。また、AI面接で応募者の離脱率が高い場合は、質問の仕方を変更したり、人がフォローする場面を増やしたりするなどの対応が必要です。この段階で、AIの判断に偏りがないかも確認し、公平な選考ができるよう調整を加えます。

本格導入と運用を開始する

AI採用を本格的に導入します。導入後も定期的に効果を測定し、KPIを確認しながら、運用を改善することが大切です。また、AIツールのバージョンアップや新機能の追加にも柔軟に対応し、常に最適な状態を維持できるようにしましょう。さらに、採用担当者の異動や交代があってもスムーズに運用できるように、マニュアルやノウハウを整理・共有しておきましょう。

候補者への説明とフィードバック

AIを活用することを応募者にきちんと説明し、透明性を確保することも重要です。どの選考段階でAIが関与しているのか、最終判断は人間が行うのかといった点を明確に伝え、応募者の理解を得ましょう。特にAI面接を導入する場合は、事前に受検方法や注意点をしっかり案内し、不安を和らげる工夫が必要です。また、選考結果のフィードバックを行う際も、AIの評価を一方的に伝えるのではなく、人事が補足説明を加えることで、応募者の納得感を高めることができます。

AI採用を導入している企業事例

実際にAI採用を導入して成果を上げている企業も増えてきました。ここでは代表的な事例をいくつか紹介します。

ソフトバンク

ソフトバンクでは、2020年5月末より、新卒採用選考において、株式会社エクサウィザーズと共同開発したAIシステムを導入しました。このシステムは、動画面接の評価に活用され、選考作業にかかる時間を約70%削減することが見込まれています。 具体的には、AIが合格基準を満たすと判断した応募者は次の選考へ進み、不合格と判断された場合は人事担当者が再確認し、最終判断を行うことで、選考の正確性と公平性を担保しています。

参考:新卒採用選考における動画面接の評価にAIシステムを導入|ソフトバンク株式会社

吉野家

飲食チェーンの吉野家では、アルバイト採用でAI面接サービス「SHaiN EX ライト」を導入しています。 応募者はスマートフォンなどを用いて24時間365日、都合の良い時間に面接を受けられるため、面接の日程調整の手間が省け、選考期間の短縮が期待されています。 また、AIが応募者の適性を評価することで、採用後のミスマッチを防ぎ、アルバイトの定着率向上にも寄与しています。

参考:吉野家の関東エリアでのアルバイト採用においてAI面接サービス SHaiN EXライト本格導入開始|吉野家

AI採用ツールの選び方

AI採用を成功させるには、自社の課題に合ったツールを選ぶことが重要です。市場にはさまざまなAI採用ツールがあるため、以下のポイントを考慮して選定しましょう。

解決したい課題に合っているか

まず、自社が解決したい採用課題に直結する機能を持ったAIツールを選びます。例えば、書類選考を効率化したいなら履歴書の分析やスクリーニング機能のあるAIツール、面接の負担を減らしたいならAI面接や日程調整の機能のあるAIツールが適しています。自社の採用フローにどのように役立つかを具体的に考えて選ぶことが大切です。

AIの精度や導入実績

AIツールの精度や実績も重要な判断材料です。実績のあるAIツールは導入企業も多く、同業界や自社と同じ規模の企業が使っている場合、安心感があります。ベンダーが提供する精度検証データや導入事例を参考にするのも良いでしょう。さらに、可能であればトライアル版を利用し、自社のデータでどのような結果が得られるのかを確認するのも有効です。

操作性・ユーザビリティ

人事担当者が日常的に使用するものなので、画面のわかりやすさや操作のしやすさは非常に重要です。あまりに複雑なシステムでは、結局使われなくなる可能性もあるため、シンプルで直感的に操作できるものを選ぶことがポイントです。また、候補者側が利用するツールの場合、スマートフォン対応や操作説明のわかりやすさも考慮し、応募者にとって負担の少ないものを選びましょう。

既存システムとの連携

現在使用している採用管理システムや人事データベースとの連携がスムーズにできるかどうかも確認する必要があります。AIツール単体で動作するものもありますが、多くの場合、既存のシステムとデータをやり取りしながら運用することになります。そのため、CSVやAPI連携が可能か、クラウドやオンプレミスの環境に対応しているかなど、導入後に無理なく運用できるかを事前にチェックしておきましょう。

セキュリティ対策

セキュリティとプライバシー保護の面も慎重に確認すべきポイントです。採用に関する情報は個人情報を多く含むため、情報漏えいを防ぐ仕組みが整っているツールを選ぶ必要があります。データの暗号化やアクセス制御、個人情報保護法への対応状況などを確認しましょう。クラウドサービスを利用する場合は、データの保管先が国内なのか海外なのかも考慮する必要があります。

AIの判断基準や透明性

AIの判断基準や透明性も重視すべきポイントです。AIがどのような基準で評価しているのか、結果にバイアスが生じていないかを確認できるツールが理想的です。完全にブラックボックス化されたツールではなく、ある程度人事担当者が評価基準を設定できたり、AIの出した結果の根拠を説明できる機能があるものを選びましょう。公平性を重視するなら、AIのアルゴリズム監査ができるサービスが付帯しているかどうかも確認すると安心です。

費用対効果

導入にかかる費用と効果のバランスも重要です。初期費用や月額費用を確認し、どれだけの工数削減や業務効率化が見込めるのかを試算して、コストに見合う効果が得られるかを判断しましょう。契約形態も、自社の採用規模に適しているかを検討する必要があります。例えば、年間契約なのか月単位で契約できるのか、また利用人数に応じた課金体系なのかを確認し、コスト負担を最適化できるプランを選びましょう。

サポート体制

さらに、導入後のサポート体制もチェックすることが大切です。初期設定やトレーニングがあるか、運用中に発生する疑問やトラブルに迅速に対応してもらえるかなど、ベンダーのサポートの質を確認しましょう。特に海外製のツールを導入する場合、日本語でのサポートが受けられるかも重要なポイントになります。また、ベンダーが定期的にアップデートを行い、機能改善やバージョンアップを続けているかもチェックしておくと安心です。

AI採用ツールを選ぶ際は、以上のようなポイントを総合的に考慮し、自社の採用プロセスに最も適したものを選ぶことが大切です。もし迷った場合は、複数のツールについて実際に担当者と話をしてみたり、トライアルを利用して比較検討するのがおすすめです。また、採用担当者だけでなく、現場の面接官や情報システム部門の意見も取り入れながら決定することで、導入後のミスマッチを防ぎ、スムーズな運用につなげることができます。

おすすめのAI採用ツール

AI採用ツールには様々な種類がありますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、自社のニーズに合ったものを検討してみてください。

SHaiN

SHaiN」は、株式会社タレントアンドアセスメントが提供するAI面接サービスです。応募者は、スマートフォンやPCを使ってAIと対話形式の面接を行います。AIが回答内容や言語・非言語情報を分析し、評価レポートを生成する仕組みです。これにより、面接官の負担を軽減しつつ、客観的な評価を得られるのが強みです。アルバイト採用から新卒・中途採用まで幅広く活用されています。

参考:SHaiN

HireVue

HireVue」は、米国発の動画面接プラットフォームで、日本でも新卒採用を中心に導入が進んでいます。候補者は録画形式の面接質問に答え、その動画をAIが解析して様々な能力指標を算出します。例えば、コミュニケーション力や問題解決力をスコア化し、人事担当者はその結果と実際の動画を確認して選考を行います。AI分析と人の判断を組み合わせることで、公平かつ効率的な選考が可能です。

参考:HireVue

KIBIT

KIBIT」は、日本の株式会社FRONTEOが開発したAIエンジンで、膨大なテキストデータから有用な情報を学習・抽出する技術を持ちます。採用分野では、エントリーシートや自由記述の解析に活用されています。過去の合格者・不合格者の文章データを学習させ、新規応募者の文章を比較分析することで、合否判定の参考スコアを提供します。横浜銀行では、新卒採用のエントリーシートにKIBITを導入し、作業時間を大幅に短縮した事例があります。

参考:KIBIT(キビット)​​

AI採用の導入を前向きに検討しましょう

AI採用を適切に導入すれば、採用業務の大幅な効率化と精度向上、公平な選考プロセスの実現につながります。一方で、データの偏りやコミュニケーションの課題、導入コストなど克服すべきハードルも存在します。大切なのは、メリットとデメリットを正しく理解した上で、自社の採用方針に合った形でAIを賢く活用することです。まずは小さな範囲から試行し、効果を確認しながら段階的に拡大していくとよいでしょう。この記事の内容を参考に、AI採用の導入を前向きに検討してみてください。


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