• 更新日 : 2025年7月25日

主任の役職手当の相場はいくら?企業規模・業種別の金額や他の役職との違いを解説

「主任に昇進したけれど、役職手当はこれくらいが普通なのかな?」「これから主任を目指す上で、どのくらいの収入アップが見込めるんだろう?」

主任という役職に就いた方や、これから目指す方にとって、主任の役職手当の相場は気になるテーマではないでしょうか。責任が増す分、役職手当が適正な金額なのかどうかは、仕事へのモチベーションにも大きく関わります。

この記事では、主任の役職手当のリアルな相場を徹底解説します。

主任の役職手当の相場は1万円~2万円が目安

一般的な目安は5,000円〜10,000円程度であり、業界や企業規模によっては1円〜2万円の範囲となるケースも見られます。なお、人事労務分野の専門調査機関である産労総合研究所の2023年調査では、主任の役職手当の平均支給額は、定額制の企業であれば約10,600円とされています。実際の金額は企業ごとの事情で大きく異なるため注意が必要です。

企業規模別の相場|大企業の方が高い傾向

企業規模によって、役職手当の金額には差が見られます。厚生労働省や産労総合研究所などの調査でも、大企業ほど役職手当が高くなる傾向があることが示されています。従業員数が多い大企業では、主任に求められる責任範囲や管理業務が広く、高度な能力を求められるためであると考えられます。

産業・業種別の相場|製造業や建設業は高め

産業や業種によっても、主任の役職手当の相場は異なります。例えば、製造業や建設業では、現場の安全管理や品質管理といった専門的な責任が伴うため、役職手当が高めに設定されることがあります。一方で、サービス業や小売業では、比較的手当が低めに設定されるケースも見られます。

特に看護師の主任は、夜勤管理や新人指導といった重要な業務を担当するため、役職手当の相場は月額2万円〜3万円が一般的であり、場合によっては3万円を超えるケースもあります。医療機関の方針や勤務状況によって大きく変動しますが、他業種より高めの水準にあることは確かです。

そもそも主任の役職手当とは

主任の役職手当とは、企業内で定められた主任という役職の責任や役割に対して支払われる役職手当のことです。

役職手当は、役職者の職務の重要性や責任の度合い、部下を管理する負担などに応じて支給されるもので、社員の昇進意欲を高める目的もあります。会社によっては、役付手当や管理職手当といった名称で呼ばれることもあります。

役職手当は法的義務がなく、企業の裁量次第

役職手当は、実は法律で支給が義務付けられているものではありません。そのため、支払うかどうか、またその金額の設定は企業の自由裁量に委ねられています。ただし、就業規則などに明記された場合、その内容に従う義務が企業に生じます。

職務手当や資格手当との違い

主任の役職手当としばしば混同されがちな手当に職務手当や資格手当があります。

  • 職務手当: 特定の職務(仕事内容)の専門性や難しさに対して支払われる手当です。例えば、営業職の渉外業務や、経理職の決算業務などが対象です。役職とは関係なく、担当する仕事内容によって支給されます。
  • 資格手当: 業務に関連する特定の資格を保有していることに対して支払われる手当です。宅地建物取引士や、IT系の専門資格などが該当します。

主任の役職手当は役職、職務手当は仕事内容、資格手当は保有資格に対して支払われる、という違いがあります。

主任の役職手当と他の役職手当との比較

主任という役職の立ち位置をより明確にするために、他の役職の手当と比較してみましょう。役職が上がるにつれて、責任と共に役職手当も増えていくのが一般的です。

リーダー・係長との比較

主任は、一般社員と係長の間に位置づけられることが多い役職です。そのため、役職手当の額も一般社員よりは高く、係長よりは低い水準になります。

  • リーダーの役職手当の相場: 5,000円〜1万円程度。小規模なチームのまとめ役に対して支給されることが多いです。
  • 係長の役職手当の相場: 2万円〜4万円程度。

主任とリーダーは、企業によってはほぼ同格として扱われることもありますが、一般的にはリーダーはチーム全体の進捗管理や目標達成の役割があるため責任範囲が広く、同じ企業内であれば役職手当も高めに設定されます。

課長・部長との比較

管理職である課長や部長になると、役職手当の額はさらに大きく上がります。これは、組織運営や業績に対する責任が格段に重くなるためです。

  • 課長の役職手当の相場: 5万円~8万円程度
  • 部長の役職手当の相場: 8万円~12万円程度

特に工場長のような拠点のトップを担う役職は、工場全体のマネジメントや安全管理に責任を負うため、部長クラスかそれ以上の高い役職手当が設定されることがあります。

役職ごとの責任範囲と手当の関係性

このように、役職手当の金額は、その役職に求められる責任の重さと密接に関連しています。

  • 主任:プレイングマネージャーとして、自身の業務をこなしつつ、現場にいるメンバーの指導・サポートを行う。
  • 係長・リーダー:係やチームという単位の目標達成に責任を持ち、部下の業務進捗管理や育成を担う。
  • 課長・部長: 部署全体の業績に責任を持ち、経営的な視点での意思決定や組織マネジメントを行う。

役職が上がるほど、会社の業績などに影響を及ぼす範囲が広がり、求められる成果も大きくなるため、それに見合った役職手当が支給されるのです。

主任の役職手当に関してよくある質問

最後に、主任の役職手当に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

主任の役職手当が相場より低いと感じたらどうすればいい?

まずは、自社の就業規則や賃金規程を確認し、役職手当の支給基準がどのようになっているかを正確に把握しましょう。その上で、同業他社や同じ地域企業の相場と比較して明らかに低い場合は、人事評価の面談などの機会に、自身の業務内容や責任範囲、実績を具体的に示しながら、処遇改善の相談をしてみるのが一つの方法です。ただし、感情的にならず、客観的な事実に基づいて冷静に伝えることが重要です。

残業代の計算に主任の役職手当は含まれる?

はい、含まれます。労働基準法で定められている残業代(時間外手当)の計算基礎となる賃金には、役職手当や職務手当など、毎月決まって支払われる手当のほとんどが含まれます。したがって、主任の役職手当も残業代の計算基礎に含めて計算するのが正しい方法です。ただし、管理監督者に該当すると判断された場合は、残業代支払い自体が対象外となるケースもありますので注意が必要です。

主任の役職手当の相場を理解し、自身のキャリアプランに活かそう

今回は、主任の役職手当の相場について、最新のデータや法的な位置づけ、他の役職との比較を交えながら詳しく解説しました。

ご自身の主任の役職手当は相場と比べてどうだったでしょうか。大切なのは、金額の多寡だけに一喜一憂するのではなく、その金額の背景にある会社の評価や期待を理解することです。

この記事で得た知識を参考に、まずは自社の就業規則を確認してみてください。そして、自身の役割と責任を再認識し、今後のキャリアプランや目標設定にぜひ役立ててください。


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