• 更新日 : 2025年12月15日

育休のお金(育休手当)はいつ入る?振込日や支給の手続きを解説

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出産や育児は人生の大きな喜びである一方、「育休中、給料が出ない期間はどうやって生活すればいいの?」「育休手当はいつ振り込まれるの?」といった経済的な不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

育休で振り込まれるお金(育児休業給付金・育休手当)は毎月ではなく「2ヶ月に1回」のサイクルで支給され、初回の振込は育休開始からおよそ「3ヶ月後」になるのが一般的です。

そのため、育休に入ってから最初の数ヶ月間は収入が途絶える期間が発生するため、事前に貯蓄を確認したり、支出を調整したりする準備が欠かせません。

この記事では、育休中の主な収入源となる「育児休業給付金(通称:育休手当)」がいつ、どのようにして振り込まれるのか、申請から入金までの流れや目安となる期間、その他育休中のお金に関する情報を、わかりやすく解説します。

目次

育休のお金(育休手当)はいつ入る?

育児休業給付金は原則として「2ヶ月に1回」まとめて振り込まれますが、初回は手続きの関係上、育休開始から数ヶ月かかるケースが多くなっています。

会社員が育児休業を取得する際、悩みの一つとなるのが「給付金がいつ自分の口座に入るのか」という点でしょう。給料のように「毎月25日」などと決まっているわけではないため、仕組みを理解しておくことが大切です。

原則は「2ヶ月ごとの支給」

育児休業給付金は、原則として2ヶ月分をまとめて申請し、支給される仕組みになっています。 したがって、毎月入金があるわけではなく、2ヶ月に1回のペースでまとまった金額が振り込まれることを覚えておきましょう。

なお、従業員本人が希望すれば「1ヶ月ごと」に申請・支給を行うこともできます。ただし、その場合は会社(事業主)が毎月ハローワークへ申請手続きを行う必要があるため、事前に会社の人事・労務担当者へ相談し、了承を得ておく必要があります。

申請手続きから振込までの目安期間

会社がハローワークへ申請書類を提出してから、実際に指定口座へ振り込まれるまでの期間は、おおよそ2週間〜3週間程度が目安です。 ただし、これはあくまで「ハローワークが申請を受理してから」の期間です。会社の事務処理にかかる時間や、ハローワークの混雑状況、書類の不備などがあれば、さらに時間がかかることもあります。

育休手当の初回入金時期の目安

育休手当の初回の給付金が振り込まれるのは、育休開始から2ヶ月半〜3ヶ月後となります。 「遅すぎる」と感じるかもしれませんが、これは「2ヶ月間の休業実績」に基づき支給申請を行う仕組みであるためです。

【スケジュールの例(11月1日から育休開始の場合)】
  1. 11月1日〜12月31日:最初の2ヶ月間の育休期間(この期間が終わるまで申請できません)。
  2. 1月以降:会社が賃金台帳などを添えてハローワークへ申請手続きを行う。
  3. 1月下旬以降(会社が申請書類を1月上旬に提出した場合):ハローワークでの審査・支給決定・振込。

上記は最も速く手続きが進んだ場合の例です。初回申請の際にはハローワークによる受給資格確認が必要ですが、この手続きに時間を要した場合には上記の例よりも支給決定や振込が遅くなる可能性があります。

このように、育休開始から実際に入金されるまでには長い空白期間が生まれます。この期間の生活費や、住民税の支払いに困らないよう、事前の資金準備を行いましょう。

2回目以降の入金時期の目安

育休手当の2回目以降は、前回の支給対象期間の終了翌日からさらに2ヶ月が経過したあとに申請を行います。 初回申請の際に受給資格確認の手続きが済んでいるため、初回よりはスムーズに処理されることが多いですが、それでも「2ヶ月に1回」のサイクルであることに変わりはありません。

  • 申請サイクル:2ヶ月ごとの育休期間終了後に会社が申請
  • 振込時期:会社が申請してから約2~3週間後

育休手当が振り込まれない・遅い原因

「予定の時期を過ぎても振り込まれない」「2回目が入金されない」といった場合に考えられる主な原因は以下のとおりです。

  • 会社の手続き遅れ:
    育休手当の申請は、原則として会社がハローワークへ行います。担当者が多忙で手続きが遅れている可能性があります。
  • 書類の不備:
    提出書類(賃金台帳や出勤簿など)に不備があり、ハローワークでの審査がストップしているケースです。
  • 2回目以降の申請漏れ:
    育休手当は自動継続ではありません。2ヶ月ごとに毎回申請が必要です。
  • 振込日のズレ:
    振込予定日が土日祝日の場合、翌営業日の入金になることがあります。

育休中にもらえるお金、育児休業給付金(育休手当)とは?

育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者が1歳未満の子を養育するために休業した際、一定要件を満たすと支給される給付金で、大きく分けて4種類があります。

以前は「育児休業給付金」と「出生時育児休業給付金(産後パパ育休取得時の給付金)」の2種類でしたが、2025年(令和7年)4月1日より制度が拡充され、「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」が加わりました。

育児休業給付金(通常の育休が対象)

育児休業給付金は、原則として子が1歳になるまでの「育児休業」に対応した給付金です。 男性・女性問わず、長期にわたって育児に専念するために休業する場合に支給されます。保育所に入れないなどの事情があれば、最長で子が2歳になるまで延長して受給できます。

育児休業給付金の支給要件
  • 原則として1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した被保険者である
  • 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上)に該当する月が12ヶ月以上ある
  • 育児休業開始日から起算した1ヶ月ごとの就業日数が10日以下または就業時間数が80時間以下である
  • 有期雇用契約の場合:養育する子が1歳6ヶ月に達する日までの間に、労働契約期間が満了することが明らかでない

出生時育児休業給付金(産後パパ育休が対象)

出生時育児休業給付金は、男性が取得する「産後パパ育休(出生時育児休業)」に対応した給付金です。 子の出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取得できる産後パパ育休の休業期間に対して支給されます。産後パパ育休では通常の育休とは異なり、労使協定締結や対象従業員による同意など一定の手続きを行った上で、休業中に一定の範囲内で就業することも可能です。

出生後休業支援給付金(両親ともに育休を取得)

出生後休業支援給付金は、2025年4月から始まった新しい給付金制度で、両親ともに育休を取得することを後押しする「上乗せ」制度です。 出生直後の一定期間(男性は出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内など)に、夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合などに支給されます。

既存の給付金(67%)に加えて13%が上乗せされ、合計で給付率が80%になります。育休期間中は社会保険料も免除されるため、手取り換算で「休業前の手取り賃金の10割(100%)相当」を受け取れるのが最大のメリットです(最大28日間)。

育児時短就業給付金(時短勤務の支援)

こちらも2025年4月から始まった新制度で、フルタイム復帰ではなく「時短勤務(所定労働時間の短縮措置)」を選んだ場合でも収入が低下しないよう支援するものです。 子が2歳になるまでの期間、時短勤務を利用して賃金が低下した場合に、その減少分の一部(育児時短勤務時に支給された賃金の10%相当の額)を補填する形で支給されます。

※詳細は厚生労働省のウェブサイトやハローワーク等にご確認ください。

参考:育児休業等給付の内容と支給申請手続|厚生労働省

男性(パパ)の育休手当のお金はいつ入る?

男性の「産後パパ育休(出生時育児休業)」は分割取得できますが、通常の育休と異なり、給付金の申請タイミングは「まとめて1回」となるため、振込時期には注意が必要です。

産後パパ育休取得時の出生時育児休業給付金の申請タイミング

産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)を2回に分割して取得できますが、その場合でも給付金の申請は原則として1回にまとめて行います。

以下のどちらか遅い日の翌日から申請が可能になります。

  1. 子の出生日(または出産予定日)から8週間を経過した日
  2. 産後パパ育休の取得日数が上限(28日)に達した日、または2回目の休業を終了した日

つまり、たとえば生後1週間目に最初の育休を取ったとしても、すぐには申請できず、「生後8週間(約2ヶ月)」が過ぎてから会社が申請手続きを行うことになります。そのため、実際の手当の振込は、早くても生後3〜4ヶ月頃になるケースが一般的です。

通常の育休も取る場合

産後パパ育休とは別に、通常の「育児休業」も取得する場合、それぞれの給付金は別々に管理・申請されます。 なお、産後パパ育休期間中に「出生後休業支援給付金(13%上乗せ)」の要件を満たせば、その分も合わせて支給されます。

育休手当のお金はいくら?計算式とシミュレーション

月給30万円の方が新制度を利用した場合、最初の28日間は「手取り10割相当」の金額を受け取れる可能性があります。

支給額の計算方法

給付金の額は、「休業開始時賃金日額(育休前の給与の日割り額)」に「支給日数」と「給付率」を掛けて計算されます。

【通常の育休】基本の計算式

通常の育児休業給付金の給付率は、育休開始から180日までと、181日以降によって異なります。

育休開始から180日目まで

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

育休開始から181日目以降

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

「休業開始時賃金日額」とは、育休開始前6ヶ月間の賃金総額(賞与を除く)を180で割った額です。残業代なども含まれます。(上限・下限あり)

なお、育休期間中に賃金が支払われた場合は、その金額に応じて給付金が減額され、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の額の賃金が支給される場合には給付金が支給されません。

【出生後休業支援給付金】夫婦ともに14日以上の育休を取る場合(最大28日)

2025年4月以降、夫婦ともに14日以上の育休を取るなどの条件を満たした場合、最初の最大28日間については、上記の67%に「13%」が上乗せされます。

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × (67% + 13%) = 80%

給付率は80%ですが、育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除され、かつ給付金は非課税であるため、実質的な手取り額としては「休業前の賃金の100%(手取り10割)」と同等になります。

育児休業給付金の金額シミュレーション

「育休開始前の賃金月額が30万円」の方を例に、育児休業給付金(育休手当)と出生後休業支援給付金でいくらもらえるか、シミュレーションをしていきましょう。

【前提条件】

  • 休業開始時賃金日額:10,000円(賃金月額 300,000円)
  • 夫婦ともに14日以上の育休を取得(出生後休業支援給付金の対象)

【支給額の目安】

1.最初の28日間(出生後休業支援給付金の対象期間)

育児休業給付金(67%):

10,000円  ×  28日  ×  0.67 = 187,600円

出生後休業支援給付金(13%):

10,000円  ×  28日  ×  0.13 = 36,400円

合計:224,000円

※社会保険料免除・非課税のため、手取りとしては働いていた時(約24万円程度)とほぼ同等になります。

2.29日目〜180日目まで

育児休業給付金(67%):

10,000円  ×  30日  ×  0.67 =  201,000円/月

3.181日目以降

育児休業給付金(50%):

10,000円  ×  30日  ×  0.50 =  150,000円/月

このように、出生後休業支援給付金を活用することで、育休初期の収入減少をカバーできるようになっています。

育休手当に必要な手続きや書類

手続きは原則として会社(事業主)が行いますが、従業員本人が用意する書類もあります。スムーズに育児休業給付金を受給しましょう。

従業員が用意するもの
  • 母子健康手帳など、出産や育児の事実を確認できる書類の写し
  • 育児休業給付金の振込を希望する本人名義の預金通帳またはキャッシュカードの写し
  • マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)の写し
  • その他、会社から指示された書類
会社が用意するもの
  • 育児休業給付受給資格確認票(初回のみ)・(初回)育児休業給付金支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿など、休業開始前の賃金額や支払状況、休業中の就労状況を確認できる書類
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(初回のみ)

育休取得の意向を会社に伝えたら、必要書類や手続きの流れについて早めに確認し、準備を進めましょう。特に初回申請に必要な書類は多岐にわたるため、余裕を持った対応が肝心です。

その他の出産・育児に関連して受け取れるお金

育児休業給付金以外にも、出産・育児に関連して受け取れるお金や経済的支援があります。

会社独自の育児支援金や手当

企業によっては、福利厚生の一環として、独自の育児支援金や出産祝い金、育休中の手当などを設けている場合があります。就業規則を確認した上で、人事担当者に問い合わせてみましょう。

出産育児一時金(健康保険から支給)

健康保険の被保険者およびその被扶養者が出産した際に、子ども一人につき一定額(2023年4月以降の出産の場合、原則50万円)が支給されます。医療機関へ直接支払われる「直接支払制度」を利用するのが一般的です。

出産手当金(産休中の所得保障、健康保険から支給)

女性が出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に、健康保険から支給されます。産前産後休業期間(出産日以前42日(多胎妊娠は98日)、出産日後56日)が対象です。給付率は標準報酬日額の約3分の2です。育児休業給付金とは別の制度です。

産休・育休期間中は社会保険料が免除される

産休及び育休期間中は、被保険者の申し出により健康保険料・厚生年金保険料が、被保険者負担分・事業主負担分ともに全額免除されます。

免除期間中も、将来受け取る年金額は「保険料を納めた」ものとして計算されるため、デメリットはありません。

産休・育休中の社会保険料免除手続きは、従業員からの申し出に基づき、会社が日本年金機構(または健康保険組合)に行います。

育休中のお金のやりくり

育休中は一時的に収入が途絶えたり、入金サイクルが変わったりするため、普段以上に計画的な家計管理が求められます。安心して育児に専念するための「お金のやりくり」術を紹介します。

実質の手取りと入金タイミングを正しく把握する

育児休業給付金は非課税で、期間中は社会保険料も免除されるため、額面上は賃金の67%(または新制度で80%)でも、手取り換算では休業前の約8割〜10割が維持されます。

しかし、給与のように「毎月決まった日」に振り込まれるわけではありません。特に初回は3ヶ月程度無収入になる期間が発生するため、この期間を乗り切るための生活費(生活防衛資金)を事前に確保しておきましょう。

給付金の振込スケジュールを把握しておく

会社の人事担当者に、おおよその申請スケジュールを確認し、提出時期から3週間程度後を振込目安としてカレンダーに記録しておきましょう。 また、ハローワークから届く「支給決定通知書」には、次回の支給申請期間が記載されています。これを確認することで、次回の入金時期の見通しを立てられます。

住民税やベビー用品など見落としがちな出費に備える

赤ちゃんが生まれると、おむつやミルク、衣類などの出費が増えるのはもちろんですが、意外と見落としがちなのが「住民税」です。 住民税は前年の所得に対して課税されるため、育休中で給与がなくても支払う義務があります。

給与天引き(特別徴収)から納付書での支払い(普通徴収)に切り替わる場合もあるため、まとまった現金を予備費として用意しておくと安心です。

Q&A:育休中のお金に関するよくある質問

最後に、育休中のお金に関してよくある質問とその回答をまとめました。

Q. 育休手当の振込口座は指定できますか?

A. はい、原則として申請者本人名義の普通預金口座を指定できます。会社に提出する書類に振込先口座情報を記入します。

Q. 申請が遅れた場合、手当はもらえなくなりますか?

A. 育児休業給付金の申請には時効(原則として支給単位期間の末日の翌日から2年)があります。しかし、手続きが遅れると支給も遅れますし、会社側の事務処理にも影響が出るため、速やかな手続きが推奨されます。会社との連携を密にしましょう。

Q. 育休を延長した場合、手当の振込も延長されますか?

A. はい、保育園に入れないなどの理由で育休を延長し、その延長が育児休業給付金の支給要件を満たしている場合、給付金の支給期間も延長されます。別途、延長の申請手続きが必要です。振込タイミングは、通常の申請サイクルに準じます。

Q. パパ(男性)が育休を取得した場合も、手当は同じタイミングで振り込まれますか?

A. はい、男性が育児休業給付金を受給する場合も、申請から入金までの流れやタイミングは基本的に同じです。産後パパ育休(出生時育児休業)についても、休業期間に応じて給付金(出生時育児休業給付金)が支給され、申請後の審査を経て振り込まれます。

Q. 2回目以降の給付金が振り込まれません。なぜですか?

A. もっとも多い原因は、2ヶ月ごとの追加申請手続きが行われていないことです。 育休手当は一度申請すれば終わりではなく、2ヶ月ごとに毎回申請が必要です。会社がこの手続きを行っているか、担当者に確認してみましょう。

Q. 育休中に退職した場合、手当はどうなりますか?

A. 育児休業給付金は、育児休業期間中の雇用継続を前提とした給付金です。そのため、育児休業期間中に退職した場合は、原則として退職日を含む支給単位期間以降の給付金は支給されません。ただし、既に支給が決定している期間分については、退職後でも受け取れる場合があります。

Q. 育休手当だけで生活できない場合はどうすればいいですか?

A. まずは配偶者の扶養(配偶者控除など)に入れるか確認しましょう。育休中は年収が下がる(給付金は非課税)ため、税制上の扶養に入れる可能性があります。また、住民税の支払いが困難な場合は、お住まいの自治体で徴収猶予や分割納付の相談ができることもあります。

育休手当は、育休開始後およそ3ヶ月後からもらえる

育児休業給付金は、育休中の生活を支える大切な制度ですが、申請から実際の入金までには一定の時間がかかります。

育休中の経済的な見通しを立てることは、安心して育児に専念するための第一歩です。この記事を参考に、勤務先の人事・労務担当者とよく連携を取りながら、手続きをスムーズに進めましょう。

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