- 更新日 : 2025年3月6日
有給休暇申請メールの書き方は?例文をもとに上司へのマナーや伝え方をわかりやすく解説
有給休暇の取得時は、メールで上司や人事に連絡することが大切です。本記事では、有給休暇取得時のメールの書き方や例文、マナー、注意点などを詳しく解説します。ビジネスマナーを守った正しいメールの送り方を身につけ、スムーズに有給休暇を取得できるようお役立てください。
目次
有給休暇申請メールの基本的なルール
有給休暇は法律で認められた労働者の権利ですが、適切な手順で周囲に連絡することがビジネスマナーとして求められます。事前にメールで知らせておくことで、上司や同僚からの信頼感も高まり、安心して休暇を取得できるでしょう。口頭や電話で伝える場合もありますが、メールは記録に残るため、後で確認できるというメリットがあります。また、メールに日程や理由を書いておけば、受け取った側も状況を理解しやすく、誤解を避けられます。
有給休暇申請メールを送信するタイミング
メールを送信するタイミングは、可能な限りはやめが鉄則です。計画している有給休暇であれば、休みたい日よりも数週間前には連絡しましょう。遅くとも少なくとも数日前までには伝えるのが望ましいです。特に、プロジェクトや業務に影響が出る場合は、早めの申請によって周りもスケジュール調整がしやすくなります。一方、急な体調不良や家族の緊急事態などやむを得ない直前の申請の場合は、判明した時点ですぐにメールを送りましょう。始業時間前や出社前でも構わないので、できるだけ早く上司に知らせることが大切です。
有給休暇申請メールの宛先
有給休暇取得時のメールの宛先は、基本的に直属の上司です。必要に応じて、自分の部署のマネージャーやプロジェクトリーダー、人事担当者などをCCに入れることも検討しましょう。会社によっては、有給休暇の申請メールを人事部にも送付するルールがあるため、事前に確認しておくと安心です。ただし、関係のない同僚全員に一斉送信するのは避け、必要な範囲の宛先に留めるのがマナーです。チーム内に別途連絡が必要であれば、上司への申請メールとは別に、チーム向けに簡潔な共有メールを送るとよいでしょう。
有給休暇申請メールの書き方
有給休暇申請時のメールは、以下の要素で構成すると分かりやすくなります。
件名
何のメールかわかるように簡潔に書きます。「有給休暇取得のご連絡(○月○日)」や「有給休暇取得の件(氏名)」など、メールを開かなくても内容が推測できる件名が理想です。
本文
本文には、有給休暇を取得したい日時や期間を具体的に明記し、必要であれば理由も簡潔に添えます。多くの場合、理由は「私用のため」で問題ありません)。
また、休暇中の業務について一言触れておくと親切です。たとえば「当日の業務は〇〇さんに引き継ぎをお願いしております。」や「休暇中、緊急のご連絡は私の携帯(〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)までお願いいたします。」など、休み中でも業務に支障が出ないような対応策を示します。
以上の構成でメールを書くことで、必要な情報が漏れず、読み手にも伝わりやすい文章になります。件名から締めの言葉まで一貫して丁寧な表現を心がけ、簡潔かつ丁寧に用件を伝えましょう。
有給休暇申請メールの例文
有給休暇申請時のメールの例文もいくつか紹介します。
一般的な有給休暇申請の例文
まずは、事前に上司へ有給休暇取得を申請する際の一般的なメールの例文です。計画的なお休みを取る場合には、以下のような丁寧で簡潔なメールを送ると良いでしょう。
件名:有給休暇取得の件(○月○日)
お疲れ様です。〇〇部の△△です。
誠に勝手ながら、○月○日(○曜日)に有給休暇を取得させていただきたく、ご連絡いたしました。当日の業務につきましては、△△さんに引き継ぎを依頼済みです。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
〇〇部 △△
この例文では、件名で休暇取得の予定日が一目で分かるようになっており、本文でも挨拶から始め、休暇を希望する日付を明記しています。「誠に勝手ながら」「取得させていただきたく」などの表現で、休暇をお願いする姿勢を示しつつ、業務の引き継ぎについても触れているため、上司に安心感を与える内容になっています。
緊急時や直前に申請する場合の例文
次に、急な体調不良や家庭の事情などで直前に有給休暇を申請する場合のメール例文です。急な連絡になる場合は、通常以上に丁寧かつ迅速に連絡することが大切です。
件名:有給休暇取得のご連絡(本日○月○日)
お疲れ様です。〇〇部の△△です。
急なご連絡で恐縮ですが、本日(○月○日)、急用のため有給休暇を取得させていただきたく存じます。 本日の業務につきましては、△△さんに対応をお願いしております。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
〇〇部 △△
この例文では、件名に「本日」と明記することで急な休暇連絡であることを示しています。本文でも「急なご連絡で恐縮ですが」と前置きすることで突然の連絡へのお詫びを伝え、「急用のため」「取得させていただきたく存じます」と丁寧に休暇取得の旨を述べています。
また、可能であれば当日の業務対応者を記載し、業務への影響を最小限にする努力を示しましょう。最後に改めてお詫びとお願いの言葉で締めくくることで、緊急時でも礼節を欠かさない姿勢が伝わります。
長期休暇を取得する場合の例文
最後に、連続で複数日の有給休暇(長期休暇)を取得する場合のメール例文を紹介します。休暇日数が長くなるほど、より早めの連絡と丁寧な対応が求められます。
件名:有給休暇取得のご連絡(○月○日〜○月○日)
お疲れ様です。〇〇部の△△です。
○月○日から○月○日までの間、有給休暇を取得させていただきたく存じます。この期間中の担当業務につきましては、△△さんに引き継ぎをお願いしております。
長期の休暇となり大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
〇〇部 △△
この例では、件名に休暇の期間を明記することで、受信者が休む期間を一目で把握できるようにしています。本文でも、連続休暇の開始日と終了日をはっきり記し、長期休暇であることへのお詫びや配慮を「長期の休暇となり恐縮ですが」といった表現で示しています。
さらに、休暇中の業務対応者(代理の担当者)を伝えておくことで、上司やチームに対する安心感を与えることができます。長期休暇の場合は特に、周囲への感謝と配慮の気持ちを忘れずに伝えることが重要です。
有給休暇申請メールのマナー
続いて、有給休暇申請時のメールのマナーを解説します。
敬語の使い方
有給休暇取得のメールでは、正しい敬語を使い、相手に失礼のない丁寧な表現を心がけることが大切です。まず、冒頭の挨拶「お疲れ様です」「お世話になっております」は必ず入れて、いきなり用件から始めないようにしましょう。
また、「休暇を取得させていただきたく存じます」や「有給休暇を頂戴したく存じます」など、へりくだった表現にすると丁寧です。カジュアルすぎる言葉遣いはビジネスメールでは避けましょう。
同僚への配慮
有給休暇を取得する際は、一緒に働く同僚への配慮も欠かせません。メールの中で「業務の引き継ぎ」について触れるのはそのためです。自分が休むことで仕事が滞らないように、「○○さんに引き継ぎをお願いしています」「休暇中に緊急の案件が発生した場合、△△課長が対応予定です」のように書いておくと、上司やチームに安心感を与えます。
実際に休暇に入る前には、引継ぎ資料を用意したり、関係する同僚には直接口頭で「この日はお休みをいただきますので、よろしくお願いします」と挨拶したりするのが理想です。メール上でも、同僚への感謝や協力へのお礼を伝える表現を入れるとよいでしょう。同僚への配慮を示すことで、休暇取得による周囲への影響を最小限にとどめ、職場の協力を得やすくなります。
上司からの返信が必要な場合の対応
有給休暇の連絡メールに対し、上司からの返事が必要な場合は、「お手数ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」や「お忙しいところ恐縮ですが、ご返信いただけますと幸いです」などと添えて、返信を促すことができます。ただし、あまり繰り返し催促するような表現は控え、あくまで一言添える程度に留めるのがマナーです。
また、上司から返信や質問があった際には、可能な限りはやめに返事をしましょう。特に休暇に関する承認や調整の連絡は優先度が高いので、メールを送った後もこまめにチェックし、対応が必要な場合は迅速に対処することが大切です。丁寧かつ素早い対応により、信頼感を損なわずスムーズに休暇の許可を得ることができます。
有給休暇申請メールの注意点
最後に、有給休暇申請時のメールでトラブルを回避するための注意点を解説します。
曖昧な表現を避ける
有給休暇取得の連絡では、曖昧な表現を避けて明確に書くことが大切です。日付や期間をぼかしたり、「○○頃に」「できれば○日あたりに」などといった曖昧な伝え方をすると、受け取る側は正確な予定を把握できず混乱してしまいます。「○月○日に有給休暇を取得したい」とはっきり伝えましょう。また、「お休みをいただければと思います」といった遠回しな表現より、「お休みをいただきたく存じます」「取得させていただけますでしょうか」のように、意思と依頼が伝わる表現を使うことが大切です。
理由についても、伝える必要がある場合は具体的に、不要な場合は「私用のため」と簡潔にしましょう。下手に濁して「ちょっと用事がありまして…」などと言うとかえって不審に思われることもあります。不要な情報や回りくどい表現は避けましょう。
有給取得のルールを確認する
有給休暇の申請方法や連絡手段は会社ごとにルールが定められている場合があります。例えば、「有給休暇は○日前までに申請すること」という規定があれば、その期限を守る必要があります。また、人事部に所定のフォームで届け出る決まりがあれば、メール連絡とは別にその手続きを忘れないようにしましょう。特に長期休暇や連続休暇の場合、所属長や部長の決裁など、追加の承認プロセスが必要な場合もあるため、注意が必要です。
上司からの返信がない場合の対応
メールを送った後、上司から返信がない場合の対処法も心得ておきましょう。上司も多忙でメールを見落としたり後回しにしている可能性があります。もし有給休暇の申請メールを送って数日経っても何ら反応がない場合は、遠慮せずフォローアップしましょう。
フォローアップの方法としては、まず丁寧にリマインドメールを送るのがおすすめです。件名に「【再送】」や「【リマインド】」と付けて再度送り、「お忙しいところ恐縮ですが、先日お送りした有給休暇取得の件、ご確認いただけましたでしょうか。」といった文章で念押しします。決して非難めいた口調ではなく、あくまで確認をお願いする姿勢で書くことが重要です。
メールで反応がない場合や有給休暇の取得日が迫っている場合は、直接声をかけたり、電話で連絡する方法も検討しましょう。例えば、朝のミーティング後に「先日メールでお伝えした件ですが、ご確認をお願いできますでしょうか」と対面で伺ったり、在宅勤務の上司であればチャットや電話で確認したりします。いずれの場合も、催促になりすぎないよう配慮しつつ、自分の休暇についてきちんと了承を得るまで放置しないことが大切です。
マナーを守って有給休暇申請メールを送りましょう
有給休暇取得のメールでは、早めの連絡、丁寧な言葉遣い、そして的確な情報伝達が重要です。件名で日付を明示し、本文では上司や同僚への配慮を示しながら簡潔に要点を伝えましょう。また、会社ごとのルールを遵守し、返信の有無にも適切に対応することで、トラブルを防ぎつつ円滑に休暇を取得できます。丁寧で抜けのないメール連絡を心掛ければ、有給休暇の連絡メールも難しいものではありません。しっかりと準備と心配りをして、安心して休暇に入り、リフレッシュして戻ってきましょう。有給休暇は労働者の権利です。適切な手順とマナーを守ったメール連絡によって、周囲の理解と協力を得て、心置きなく休暇を取得しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
深夜残業と割増賃金を解説 – 定義や計算方法
深夜労働が労働時間の中のどの時間帯のことを指すのか知っていますか?22時から翌朝5時の間に行う労働を「深夜労働」といい、深夜労働した場合は通常より割増しした額の賃金を払わないといけません。 この時間帯が残業時間にあたる場合には、さらに割増し…
詳しくみる通勤届の車種とは何を書く?主な車種や書き方をテンプレートとあわせて紹介
通勤届における「車種」とは、通勤に使用する自家用車や二輪車などの種類を指します。車種の法律上の区分に基づいて分類されるほかにも、自動車業界や保険業界による区分もあり、それぞれ分類方法が異なります。 この記事では、車種の定義や車名との違いを明…
詳しくみる本当に「自由」?個人事業主・フリーランスの労務管理
そもそもフリーランスの定義は? 「フリーランス」とは、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」として定義され、これまではカメラマンやコンサルタント、小説家といった限られた職種の方がメ…
詳しくみる兼業とは?副業との違いやメリット・デメリット、注意点を解説!
兼業とは、本業と同等の他の仕事を掛け持ちすることです。兼業の働き方は、企業などに雇用されるものや、起業して事業主として働くものなど様々です。本記事では、兼業とは何かや副業との違い、メリット・デメリット、注意点について解説します。 兼業とは?…
詳しくみる所定休日とは?法定休日や有給との違い、割増賃金率について解説!
企業における休日には「所定休日」と「法定休日」の2種類が存在します。これらの休日は、出勤させた場合の取り扱いや割増賃金率が異なるため、人事・労務担当者はそれぞれに合った対応が必須です。 そこで本記事では、所定休日に出勤した場合の対応について…
詳しくみる正しく理解しよう!労働基準法で定める休日とは
労働基準法で定める休日に出勤させるのは違法!? 労働基準法において「休日」とは、労働契約において労働者が労働義務を負わない日としており、原則として午前0時から午後12時までの24時間、一暦日の休業をいいます。 また、労働基準法では、使用者は…
詳しくみる