- 更新日 : 2025年12月8日
有給休暇中の交通費は支払い義務はない!トラブルを防ぐ方法を解説
「アルバイトやパートの有給休暇中の交通費はどうなる?」
有給休暇取得時の交通費の支給に関しては、会社ごとに方針が違い、多くの従業員が疑問を抱きやすい内容です。
とくに、定期代支給と日額支給では交通費の支給ルールが大きく異なるため、事前に理解しておくことが重要です。
有給休暇と交通費の関係を正しく理解し、トラブルを未然に防ぎましょう。
目次
有給休暇中の交通費は支払い義務はない
有給休暇中の交通費は、原則会社に支払い義務はありません。
背景として、交通費は「通勤するための実費補助」として支給される費用であり、有給取得時には実際の通勤が発生しないことが理由です。
しかし、会社ごとの就業規則や支給方法によって対応は次のように異なります。
- 定期代支給:月額や半年ごとに定期券代を支払う場合、有給取得の有無にかかわらず支給
- 日額支給:出勤日ごとに交通費を支給する会社では、有給取得日は支給対象外
会社は交通費の取り扱いを明確にし、従業員に周知しなければなりません。
とくに、支給方法が複数ある場合は、混乱を避けるためにも就業規則で明文化してください。
交通費を支給しないケースを就業規則に明記する
有給休暇取得時の交通費を支給しない場合、就業規則に「有給休暇取得日は交通費を支給しない」と記載しましょう。従業員に周知することで、労務トラブルのリスクを防げます。
曖昧な規定では、従業員が「交通費が支給されると思っていた」と誤解し、未払い問題が発生する可能性があります。
とくに、定期券支給と日額支給の両方を導入している会社では、支給の有無を明確にすることが重要です。
具体的な対策は、下記を実施してください。
- 就業規則に記載:「有給休暇取得日には交通費を支給しない」といった明確なルールを制定
- 入社時の説明強化:交通費の支給条件を新入社員向けのガイドラインに明記
- 従業員向け通知:規則の変更があれば、社内通知やミーティングで周知
明確なルールを設けることで、会社と従業員の双方が納得できる環境を整えましょう。
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有給休暇とは会社から賃金が支払われる休暇日
有給休暇は、会社から賃金が支払われる休暇のことです。
労働基準法第39条にもとづき、継続勤務6ヶ月以上で所定労働日の8割以上出勤した労働者に有給休暇が付与されます。
有給休暇中の賃金は通常の勤務日と同様に支給されます。
しかし、交通費については「労働の対価」ではないため、必ずしも支給されるわけではありません。
会社の支給ルールによって対応が異なり、具体例に下記があります。
- 日額支給の交通費:出勤日に応じて支給されるため、有給取得日は支給不可
- 定期代支給:通勤に必要な定期券を購入する形で支給されるため、有給取得日でも減額せず支給
- 会社独自のルール:一部の会社では、有給取得時でも交通費を支給する方針を採用
会社は就業規則で交通費の取り扱いを明確に定め、従業員が混乱しないようにしてください。
交通費とは公共交通機関を利用する際に必要な費用
交通費とは、従業員が通勤時に利用する公共交通機関の費用を指します。
一般的には電車やバス、タクシーなどの利用に対して支給され、会社によってはガソリン代や駐車場代も対象に含める場合があります。
会社は就業規則で「交通費支給の範囲」を定め、どの支給方法を採用するのかを明確にすることが重要です。
主な支給方法は下記になります。
| 支給方法 | 特徴 |
|---|---|
| 定期代支給 | 毎月または半年ごとに一定額を支給 |
| 日額精算 | 出勤日ごとに交通費を支給 |
| 実費精算 | 実際に発生した交通費を都度精算 |
有給休暇中は通勤が発生しないため、日額支給の場合は支給されないケースが多いです。
しかし、定期代支給の場合は変わらず支給されることが一般的です。
会社は就業規則で「交通費支給の範囲」を明確にし、どの支給方法を採用するか決めるようにしてください。
通勤手当との違い
交通費と通勤手当には明確な違いはありません。
どちらも従業員が自宅から会社へ通勤する際にかかる費用を補助する目的で支給されるため、どの名称を用いるかは会社によって異なります。
重要となるのは、その名称の違いよりも対象の違いです。
- 日々の通勤に要する費用:定期代もしくは日額で支給されることがほとんど
- 業務上の移動に要する費用:近距離の出張、他の拠点のヘルプに要した費用を支給
また、業務上の移動にかかる費用は別途実費精算もしくはチャージ済のICカードで対応する例も多く見られます。
会社は支給ルールを統一し、従業員が混乱しないようにしてください。
有給取得時の交通費支給に関する就業規則のポイント
有給休暇取得時の交通費支給のルールは、会社の就業規則によって異なります。
明確な基準を設けることで、従業員の混乱を防ぎ、労務における万が一を回避できます。
交通費を支給する・しないケースを明確化する
有給休暇取得時の交通費支給ルールは、就業規則で明確化しておきます。
従業員との認識のズレをなくすためにも、どのケースで支給され、どのケースで支給されないのかを明文化してください。
| 交通費が支給されるケース | 交通費支給の有無 |
|---|---|
| 定期代支給の場合 | 出勤の有無にかかわらず、毎月一定額が支給されるのが一般的(一定以上の日数の出勤を定期代支給の要件とするケースもある) |
| 例外(退職前に有給休暇をすべて消化し、1ヶ月間まったく出勤しない場合)の場合 | 会社によって通費支給なし |
| 交通費が支給されないケース | 交通費支給の有無 |
|---|---|
| 日額支給の場合 | 通勤が発生しないため、有給取得日は交通費の支給対象外 |
| 所定労働日数の基準を下回った場合 | 会社によって有給休暇取得によって月間の所定労働日数が一定下記になった場合、定期代ではなく日額で支給 |
また、「振替出勤日がある場合の交通費はどうするか」など、詳細なケースごとに統一した制度を設けておくのも重要です。
| ケース事例 | 支給有無 |
|---|---|
| 退職前に20日すべて有給消化し出勤なし | 交通費支給なし |
| 有給取得で所定労働日数が一定下記 | 日額で支給 |
自社に適した就業規則を明確にし、会社での決まりごとを統一しておきましょう。
交通費支給の基準と対象範囲を決める
交通費支給の基準と対象範囲を確定させておきましょう。
交通費支給のルールを明確にするため、働き方と支給方法の2つの軸で整理すると決定しやすくなります。
【働き方別の支給ルール】
- 出勤型:通勤が必要なため、定期代または日額支給
- 在宅勤務:基本的に支給なし。しかし、会社出勤日がある場合は実費精算
- ハイブリッド勤務:出社頻度に応じた支給方法を適用
【支給方法の分類】
| 支給方法 | 特徴 |
|---|---|
| 定期代支給 | 毎月または一定期間ごとに支給 |
| 日額支給 | 出勤日ごとに支給 |
| 実費精算 | 実際にかかった交通費を精算 |
交通費の支給基準を事前に設定し、従業員ごとの不公平感が生じないようにしてください。
支給額の計算方法・支給単位を定めておく
交通費の計算方法や支給単位を明確にすることで、管理の手間を削減できます。
具体的には下記が計算方法とルールが例です。
【定期代支給の計算方法】
- 1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月単位での支給が一般的
- 有給取得の有無にかかわらず全額支給するケースが多い
【日額精算のルール】
- 1日あたりの交通費を計算し、出勤日のみ支給する
- 有給休暇取得日には支給しないと明文化する
計算基準を明確にし、従業員に周知することで、スムーズな運用が可能になります。
有給休暇と交通費に関する労務トラブルを防ぐための対策
有給休暇取得時の交通費の支給・控除の取り扱いを決めておかなければ、従業員と認識が異なることからトラブルになりかねません。
有給休暇中の交通費に限った話ではありませんが、従業員との労務トラブルは労働基準監督署への申告や訴訟リスクにつながる可能性があります。
トラブルを防ぐためにも事前に対策を知っておきましょう。
交通費の未払い・不当控除が発生しないようにする
交通費の未払い・不当控除は、労働基準監督署への申告や訴訟リスクにつながるため、事前に適切な対策を講じなければなりません。
とくに、給与計算時のミスやルールの不明確さが原因で問題が発生するケースがあるため、制度の徹底が重要です。
対策は、下記を実施してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 就業規則の整備 | 「有給休暇取得時の交通費の扱い」を明文化し、従業員の誤解を防止 |
| 給与計算のチェック体制を構築 | 交通費の控除・支給が正しく行われているか、給与計算時に確認する仕組みの作成 |
| 従業員への事前通知 | 交通費が減額される場合は、理由を説明し、事前に通知することで承認獲得 |
会社は、給与計算の精度を高め、従業員との認識のズレの軽減につながります。
定期代支給と日額支給では対応が異なるため、どの制度を適用するのか明確にし、社内で統一したルールの運用を求められます。
従業員への説明と社内FAQを整備する
有給休暇取得時の交通費支給の取り扱いを決めていなければ、「なぜ支給されないのか?」という従業員の疑問や不満が発生しやすくなります。
そのため、社内FAQの整備や労務担当者の対応規則を統一し、従業員のケアを意識してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| FAQの作成と社内共有 | 「有給休暇を取ったのに、なぜ交通費が支給されないのか?」などのよくある質問への回答を事前に用意 |
| 労務担当者向けの対応マニュアル作成 | 従業員からの問い合わせに対し、一貫した回答を作成 |
| 新入社員・異動者向け説明会の実施 | 交通費支給の基準を明確に共有 |
定期的にFAQの更新を行い、労働法の改正や会社のルール変更に応じて内容をブラッシュアップすることも重要です。
労務担当者は、社内での問い合わせ内容を分析し、FAQを充実させることで、従業員の疑問を事前に解決できる仕組みを構築しましょう。
適切な情報提供を行えると、従業員との認識のズレを防ぎ、スムーズな労務管理を実現できます。
制度の透明性を確保することで、従業員の納得感を高め、会社全体の労務トラブルを未然に防ぐことが可能です。
ケース別の解決策を整理しておく
交通費の支給・控除に関する問題はケースごとに異なるため、あらかじめ対応策を整理しておくのも重要となります。
とくに、法律の解釈がかかわる問題では、専門家の意見を取り入れながら、社内ルールの策定が望ましい対策です。
| 質問 | 解決策 |
|---|---|
| 有給取得を理由に交通費を減額するのは違法か? | 違法ではないが、トラブル防止のために合理的な理由を就業規則に明記しておく |
| 有給休暇中に業務指示をした場合、交通費は支給すべきか? | 有給休暇は業務から完全に解放される権利のため、業務指示をすれば賃金支払い義務が発生 |
また、業務内容や契約形態によっては、支給ルールが変わることもあるため、個別の雇用契約と照らし合わせながらの対応が求められます。
とくに、働き方によって適用されるルールが異なることが多いため、一律の対応ではなく、柔軟な判断が必要です。
発生しやすい事例と対応方法を整理し、会社で一貫した方針を決定しておくと、起こり得る課題に対して処理できます。
従業員向けの説明資料を作成し、社内イントラネットや掲示板などで共有することで、誰でも簡単にルールを確認できる環境を整えましょう。
有給休暇中の交通費についてよくある疑問
有給休暇中の交通費の扱いは、会社の支給する基準や雇用契約によって異なります。
とくに、アルバイト・パート勤務や退職時の有給消化期間など、特殊なケースでは「交通費は支払われるのか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
アルバイト・パートの場合の有給休暇中に交通費は払う?
アルバイト・パートの有給休暇中の交通費支給は、雇用契約や就業規則によって異なります。
支給の有無は主に下記の通りです。
| 支給方法 | 有給休暇中の交通費 |
|---|---|
| 定期代支給 | 通常は支給額に変動なし。しかし、出勤日数によって調整されるケースあり |
| 日額支給(出勤ごとに支給) | 有給取得日は通勤しないため、支給されないのが一般的 |
また、会社によっては、有給休暇の賃金計算に交通費を含めるケースもあります。
そのため、有給取得時の交通費がどのように扱われるのか、事前に確認してください。
退職時の有給休暇中に交通費は払う?
退職時に有給休暇を消化する場合、交通費の支給有無は会社の方針次第です。
支給ルールを事前に確認しておかなければなりません。
支給方法ごとの扱いは下記の通りです。
| 支給方法 | 退職時の有給消化期間中の交通費 |
|---|---|
| 定期代支給 | すでに支給済みの定期代は、通常返還の請求なし |
| 日額支給 | 有給消化期間中は出勤がないため、支給対象外 |
会社によっては、有給休暇取得を理由に交通費の調整を行うケースもあります。
退職時の有給消化に伴う交通費のルールを就業規則に明記してください。
有給休暇中の交通費は日数分引かれるのはどこも一緒?
有給休暇取得時に交通費が控除されるかどうかは、会社ごとのルールによって異なります。
そのため、一律に「どの会社でも控除される」とは限りません。
支給方法ごとの扱いは下記の通りです。
| 支給方法 | 交通費の控除 |
|---|---|
| 定期代支給 | 月単位で支給されるため、有給取得日による控除なし |
| 日額精算 | 出勤日数に応じて支給されるため、有給取得日分は支給されず、実質的に控除される形になる |
また、一部の会社では、交通費を一律で支給し、有給取得日も支給対象とするケースがあります。
従業員の場合、自分の勤め先の雇用契約や就業規則を確認し、適用されているルールを把握してください。
有給休暇中の交通費支給は義務はないが取り決めはしておこう
有給休暇中の交通費は、法律上支給義務はありません。
しかし、会社ごとの就業規則や支給ルールによって対応が異なるため、従業員と認識のズレが生じることを避けるためにも、ルールを明確にしてください。
会社は、交通費支給ルールを就業規則に明記し、従業員への周知を徹底することで、労務トラブルを防げます。
有給休暇中の交通費支給は義務はありませんが、そのことがトラブルにつながらないように会社内で取り決めをしておき、従業員に共有しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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