- 更新日 : 2024年12月25日
給与査定表とは?作り方や注意点を解説
給与査定表は、従業員の給与を決定する際に必要な情報を整理し、評価基準に基づいて公平かつ透明性のある査定を行うために必要なものです。
本記事では、給与査定表の基本的な知識から作成方法、注意点までを詳しく解説します。
目次
そもそも給与査定とは
給与査定とは、従業員の能力や成果、役割などを評価し、それに基づいて給与額を決定する一連の流れを指します。給与査定は人事評価制度と密接に関連しており、企業が設定した評価基準に基づいて客観的かつ公平に行われなければなりません。
評価項目には、業績(売上や目標達成度)、能力(資格やスキル)、役割(職務内容や責任範囲)などが含まれます。また、勤続年数や仕事への姿勢といった情意評価も重要な要素です。
給与査定表を作成する目的
給与査定表を作成する目的は、企業の報酬理念を具体的な形にし、実践的な給与制度として運用することにあります。報酬理念とは、企業がどのような基準で給与を決定するかという基本的な考え方を示すものです。
報酬理念を給与査定表という形にして、企業の事業戦略、業務内容、従業員属性などの経営戦略的な視点を考慮しながら、給与の決定基準を明確化します。たとえば、職務をやり遂げる能力に対して給与を支払う場合は能力基準を、役割に応じて給与を決める場合は役割基準を重視するなど、企業が重視する価値観を反映させた給与体系を構築できるでしょう。
給与査定表の作り方
給与査定表の作成は、長期的な視点で5年、10年後の組織形態や従業員の状態を想定しながら、基本方針を決定する作業から始まります。
まず、本給部分の設計では、勤続年数に応じた定期昇給の基準を定めます。次に仕事給部分では、半年ごとの評価結果をどのように給与に反映させるかの基準を設定しましょう。また必要に応じて、調整給の発生条件や金額基準も定めます。
こうした要素を組み合わせて給与テーブルを作成し、実際の運用ルールを確立します。運用ルールには評価期間や昇給のタイミング、評価結果の反映方法なども適切に定めておくことも必要です。
給与査定表に必要な項目
給与査定表は、従業員の基本給を決めるものです。基本給は本給と仕事給、調整給から構成され、それぞれに必要な項目があります。
以下で、詳しく見ていきましょう。
本給に関する項目
本給は固定的な性格を持つ給与部分で、従業員が最低限受け取れる給与として位置付けられ、多くの場合年に一回定期的に昇給する仕組みです。
本給は従業員の生活基盤を支える重要な要素であり、安定収入を保証する役割を果たします。また、勤続年数や経験に応じた昇給を導入することで、長期的なキャリアパスの設計に活用されるケースもあります。
仕事給に関する項目
仕事給は評価結果によって変動する給与部分で、査定ごとに見直しが行われます。
従業員の成果や貢献度に応じて金額が変動し、評価が上がれば金額が上がり、下がれば金額が下がります。この変動制は従業員のモチベーション向上につながり、より高い成果を目指す意欲を引き出す効果が期待できる仕組みです。また、定期的な見直しにより、従業員の成長や努力を適切に給与に反映することも可能になります。
調整給に関する項目
調整給は、必要に応じて発生する補填的な給与です。給与体系の変更や昇格時の調整、特別な貢献に対する評価など、さまざまな状況に柔軟に対応するための給与項目といえます。
調整給の適切な運用により、従業員間の給与バランスを保ち、公平性を確保できるでしょう。
給与査定表のテンプレート(無料)
以下より無料のテンプレートをダウンロードしていただけますので、ご活用ください。
給与査定表を作成するときの注意点
給与査定表を作成する際は、企業の報酬理念と実務運用の両面から慎重に検討する必要があります。特に本給、仕事給、調整給の3つの要素それぞれについて、明確な基準と運用ルールを設定することが大切です。
給与査定のルールを作成する
給与査定のルール作成は、公平で透明性の高い給与制度を実現するために欠かせません。明確なルールがなければ、評価者の主観や状況によって判断が左右され、従業員の不満や混乱を招く可能性があるためです。
本給における定期昇給の基準、仕事給における評価結果の反映方法、調整給の発生条件など、それぞれの給与要素に対して必要なルールを設定しましょう。ルールは可能な限り定量的な指標を用い、評価の客観性を確保することが求められます。
給与査定の評価基準を従業員に周知する
給与査定の評価基準は、全従業員が理解できる形で周知する必要があります。また、評価結果が給与にどのように反映されるのか、その計算方法についても求められれば提示できるようにして透明性を高めましょう。
従業員の給与査定への理解と納得感が高まり、結果としてモチベーションの向上も期待できます。
給与査定表は従業員の給与を決定する重要なアイテム
給与査定表は、従業員の給与額を決める重要なものです。本給、仕事給、調整給という3つの要素を適切に組み合わせ、明確なルールに基づいて運用することが求められます。表を作成したら終わりというものではなく、適宜見直したり、従業員に査定基準を周知したりといった作業も、継続的に行わなければなりません。
適切な給与査定表の作成と運用は、持続可能な企業経営の基盤となり、従業員と企業の相互の発展にもつながるため、細心の注意を払って行いましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
家族手当とは?金額の相場や支給条件の例、導入・廃止の手続きを解説
家族手当とは、扶養家族がいる従業員の経済的な負担軽減を目的とした福利厚生の一種として支給される手当のことです。特に家族手当の一種である配偶者手当は、近年103万円や130万円などの年収の壁の問題もあって、廃止するケースが増えています。 ここ…
詳しくみるRPAで給与計算を自動化!AIとの違いやメリット・デメリットを解説
毎月発生する給与計算業務は、勤怠データの集計や各種手当の計算、控除額の確認など、複雑で手間のかかる作業の連続です。担当者には正確性と迅速性が常に求められ、法改正への対応も必要不可欠です。こうした定型的で反復的な業務は、人的ミスの温床となりや…
詳しくみるエクセル(Excel)で時給の給与計算が上手くいかない!正しく計算する方法を解説
エクセル(Excel)で時給の給与計算をする際は、そのまま「時給」×「時間」の計算をすると上手く計算できないため、注意が必要です。残業の際の割増賃金も、注意して計算しなければなりません。 本記事では、エクセルで時給の給与計算をする方法や関数…
詳しくみる賃金台帳の作成を税理士に依頼できる?社労士との違いや注意点を解説
賃金台帳の作成は、社労士の独占業務であるため税理士に依頼できません。しかし、賃金台帳の作成において必要な給与計算は、税理士に依頼できます。 本記事では、賃金台帳の作成を税理士に依頼できるかどうかについて徹底解説します。さらに、税理士と社労士…
詳しくみる退職金規定がない場合は退職金をもらえない?支払われるケースや税務の注意点を解説
退職金は退職後の生活を支える重要な制度ですが、すべての企業が退職金規定を設けているわけではありません。規定がない会社では、支払われるのかどうか不安になることもあるでしょう。しかし、規定がなくても退職金がもらえるケースがあります。 本記事では…
詳しくみる通勤手当申請書の書き方は?テンプレートや記入例、領収書の有無を解説
「通勤手当申請書」の書き方に迷う方もいるでしょう。清算業務をスムーズに進めるためには、誰が見てもわかりやすく、必要項目を漏れなく記入することが大切です。本記事では、電車や車などの交通手段ごとに、通勤手当申請書の書き方を解説するとともに、テン…
詳しくみる