- 更新日 : 2024年10月30日
研修・セミナー報告書の書き方とは?無料テンプレート・例文つき
研修受講報告書とは、受講者ならびに主催者が研修内容を整理するとともに、その報告書を読んだ人たちが受講者と同程度の水準で研修内容を共有するためのものです。受講者は仕事として研修に参加しているので、そこで費やした時間にふさわしい成果を獲得できるように努めなければなりません。
本記事では、研修受講報告書の適切な書き方と注意点について解説をします。
目次
社外セミナー参加後の研修報告書とは?
研修に関する報告書には、研修の参加者が作成する報告書と、研修の主催者が作成する報告書があります。
前者は参加者が研修に参加したことによって得た成果を確認し、その内容を社内で共有する役割があります。一方、後者は研修の主催者がその研修によって参加者にどのような成果を提供できたかといった実施効果を確認するものです。
本記事では、前者の研修受講報告書の目的や書き方について説明します。
研修報告書を作成する目的は?
研修受講報告書は、参加した人にとっては講義ノートのようなもので研修内容の記録です。会社側からみると、受講者がそこで何を学んだかを把握する材料であって、研修内容を社内で共有するための手段ということになります。このように研修受講報告書は受講者の個人的な記録以外にも重要な目的があるのです。
研修内容を確認する
業務の一環として参加する研修なので、その成果を何らかのかたちで今後の業務に生かすことができるように自分の中に落とし込んでおくことが求められます。そのためには、研修内容のポイントを的確に整理し、文章化するとともに、折に触れて内容を確認するといった取組みが必要です。
研修成果を社内で共有する
一つの研修に大勢の社員を参加させるのは効率的ではありません。業務スケジュールや担当業務との関連性などを勘案して参加者を絞り込むのが一般的です。
そんな場合に参加できなかった社員も必要な知見を共有する方法が、研修報告書です。情報を社内で共有するので、報告書の作成にあたっては、客観的かつ広い視点で研修内容のポイントを押さえておくことが大切です。
社内での共有や効果測定を実施する受講の成果を測定する
研修に送り出した上司からすれば、どれだけのものを研修で学んだのか、その学びを今後の業務にどのように生かそうとしているかを知りたいのは当然です。
研修報告書には、研修の内容だけでなく、参加した目的や参加者の所感を記載する欄があります。これは、参加者がどれだけ主体性を持って研修に臨んだか、どれだけ深く内容を理解したかを評価するうえでも役に立つのです。
研修報告書の構成と書き方の注意点
研修報告書は、いつ[研修期間・時期]、どこで[研修場所]、誰が[講師]、何を話したか[研修の内容]の記録ですが、これに研修に参加した目的、受講者の所感を記載することにより、報告書としての価値が向上します。
研修報告書を書くときの注意点
研修報告書は、単なる講義ノートではありません。自分が体験した研修の内容を他者に正しく伝えるための文書、つまりレポートです。読み手がその内容を正確に理解し、信頼し、その内容を自分の仕事に活かすことができるような構成と文章表現が求められます。
研修報告書の例文は?
研修報告のうち研修の目的、研修内容、受講者の所感について、研修の内容に応じて例文を用意しました。参考にしてください。
ビジネスヒント系の研修【顧客関係管理[CRM]システム研修】
研修内容
受講者の所感 顧客情報の一元管理により、業務の効率化だけでなく、LTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与することが期待される。導入の検討を進めたい。 |
コンプライアンス系の研修【パワーハラスメント防止研修】
研修内容
受講者の所感 ハラスメントは個人の尊厳や人格に対する攻撃であり、許されない行為である。自分の言動が相手に与える影響について常に自覚的でありたい。 |
能力開発系の研修【問題解決に役立つフレームワーク】
研修内容
①理想(To be)と現実(As is)とのギャップの洗出し:As is/To be分析 洗出しの順序はTo be⇒As isとすること ②課題の抽出:6W2H When・Where・Who・Whom・Why・What・How・How muchの8つの視点で考える なぜなぜ分析 なぜを繰り返して問題の原因を掘り下げる ③課題の優先順位:目標達成に有効な課題から取組む。 ④課題を行動に移行:行動の内容は具体的に定める。 受講者の所感 問題解決の第一歩は現状についての正確な認識から始まる。ほかにロジックツリー分析、MECEなどの簡単な紹介があった。これを機に知識を深めたい。 |
研修報告書の無料テンプレート
研修報告書は、受講者が研修の内容を整理し確認する確認するうえで役立つだけでなく、他の社員が研修の内容を共有するうえでも役立つような書き方が求められます。
下記のURLから研修受講報告書のテンプレートをダウンロードして、ポイントを押さえた報告書を手際よく作成する際に利用してください。
情報の価値は客観化から生まれる
研修もまた貴重な情報源の一つです。講義のポイントを的確に押さえ、読み手が理解しやすい文章で簡潔にまとめることにより情報の客観視と交通整理ができるようになるでしょう。
また、研修内容をワンペーパーでまとめ上げる作業は、受講者(報告者)の仕事のスキルアップにもつながります。テンプレートを活用しながらわかりやすい研修報告書を作成してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
休職中に退職に追い込むことは違法?法的な観点から解説
休職中の従業員に対して、上司が退職勧奨することは退職の強要とみなされる場合があり、言動によっては、パワハラに該当し違法となります。 本記事では、休職中の従業員を退職に追い込む行為が違法と判断される場合など、法的な観点から解説します。休職者へ…
詳しくみるダニングクルーガー効果とは?原因や対処法を具体例を用いて解説!
ダニングクルーガー効果とは、自己を過大評価してしまう認知バイアスです。根拠のない自信は、周囲に誤解を与える恐れがあります。また、職場の評価と自己評価のギャップから、業務に支障が出るかもしれません。逆に、自己を過小評価する心理状態はインポスタ…
詳しくみるリフレクションとは?意味や企業で使用するメリットを解説
リフレクションとは内省という意味で、人材教育においては仕事の進め方や考え方を客観的に振り返り、新たな気づきを得る方法を指します。本記事ではリフレクションの使い方やメリット、デフリーフィングとの違いなどを解説します。企業で実践するための手順も…
詳しくみる「メラビアンの法則」とは?好印象な話し方やビジネスの応用例をわかりやすく解説
メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%影響するという法則です。この法則は1971年にアメリカのアルバート・メラビアンという心理学者が提唱しました。法則の解釈については諸説あるよう…
詳しくみる労働契約法19条の「雇止め法理」の法定化とは?ポイントをわかりやすく解説
非正規社員を期間の定めがある契約(有期労働契約)で雇用している企業は多いでしょう。非正規社員は人手不足に悩む企業にとって貴重な戦力と言えます。しかし、有期契約の社員だからといって、簡単に雇止めで退職させることができるわけではありません。 こ…
詳しくみる物品借用書とは?テンプレートをもとに書き方や返却時・破損時の対応を解説
企業における物品の貸し借りは、日常的な業務の一環として頻繁に行われます。この際、物品借用書の作成は、双方の理解と合意のもとで物品を貸し借りするための重要な手続きです。 この記事では、物品借用書の基本的な概念から、テンプレートを活用した効率的…
詳しくみる