- 更新日 : 2024年9月4日
オフサイトミーティングとは?メリット・デメリットを解説
オフサイトミーティングとは、会議室ではなく、普段とは異なる環境に身を置いて行うミーティングのことをいいます。リラックスした雰囲気や、いつもとは違う刺激を受けることで発言が促され、議論や発想を活性化させるのが特徴です。
ここでは、オフサイトミーティングを成功させるためのポイントを解説します。
目次
オフサイトミーティングとは?
オフサイトミーティングとは、自社の会議室など普段ミーティングを行う場から離れ、違う環境で行うミーティングのことをいいます。いつもの職場を離れ、いつもと異なる場に身を置くことで、「会議に集中できる」「議論や発想を活発化させる」「新しいアイディアが生まれる」というメリットがあります。
オフサイトミーティングの歴史
オフサイトミーティングのはじまりは確かではありません。日本企業のなかには、馴染みがない、取り入れたことがないというケースもあるでしょう。日本では、株式会社スコラ・コンサルトが「オフサイトミーティング」の商標を持ち、組織風土・体質改革に役立つ対話の場として活用しています。
近年では、コロナ禍でリモートワークが広がったことから、職場を離れて業務を行うことへの抵抗感が低くなりました。会社や業種によっては、ワーケーションを推奨するなど、これまでとは異なる働き方への理解が広がっています。そのような企業や人々にとって、オフサイトミーティングは興味を引く会議手法といえるでしょう。
オフサイトミーティングの種類
会議室を離れて行うオフサイトミーティングの方法はさまざまです。目的に応じて、適切な場を選ぶことで異なる効果が期待できます。
たとえば、リゾート地などで親睦を深めるオフサイトミーティングは、社員旅行やレクリエーションなどが該当します。仲間同士が知り合い、絆を深めるのに適しているといえるでしょう。ほかにも、新しいプロジェクトを立ち上げるため、キャンプ場をオフサイトミーティングの場に選択する方法もあります。自然に囲まれたなかでリラックスできるため、忌憚のない活発な意見交換が可能です。
オフサイトミーティングの目的に合わせて、プログラム内容や環境を検討するとよいでしょう。
オフサイトミーティングのメリット
会議室を離れると、リラックスした雰囲気で議論することができます。オフサイトミーティングを行うことで、新しいアイディアが浮かびやすくなったり、業務を離れて話し合いに集中したりできるなどといったメリットが期待できます。
新しいアイデアが浮かびやすい
キャンプ場やリゾート地、貸会議室など、いつもと異なる環境に身を置くことで刺激を受け、新しいアイディアが生まれやすくなります。組織課題や経営課題など、職場で話し合うだけではなかなか解決しない問題でも、オフサイトミーティングで取り上げることで解決の間口を広げられるでしょう。。現状を打破し新しい風を吹き込むために、オフサイトミーティングを取り入れるのも1つの方法です。
チームコミュニケーションの促進につながる
リラックスした雰囲気で話し合えるオフサイトミーティングは、チームのメンバー同士のコミュニケーションを活発化させるのに適しています。普段、仕事ではなかなか関わることのないメンバーと交流を持つことも可能です。オフサイトミーティングで得た人脈やノウハウを仕事に持ち帰ってもらうことで、組織強化のきっかけにもなります。
話し合いに集中できる
オフサイトミーティングでは、強制的に業務から引き離されます。話し合いに特化した場を持つことで、メンバーは話し合いに集中できるようになるでしょう。普段の会議よりも議論が深まることが期待でき、議題について自由な発想で思う存分話し合うことが可能です。
オフサイトミーティングのデメリット
オフサイトミーティングのデメリットは、コストや調整の手間といった点があげられます。
費用が掛かる
職場ではない場で行うため、施設利用の費用が発生します。場所代以外に、交通費や食事代の取り扱いについても検討する必要があるでしょう。合宿型のオフサイトミーティングのように、時間や期間が長くなればなるほど費用がかかるため、目的に応じて適切な予算を組む必要があります。
参加者の業務調整が必要になる
業務を離れてオフサイトミーティングに参加している間のメンバーの業務調整も必要です。普段の業務を他の社員がフォローするなど、調整を行わなければ「参加できない」というような事態にもなりかねません。開催までには時間的な余裕をもって、参加メンバーが滞りなくオフサイトミーティングに参加・集中できるように調整する必要があります。
様々な意見を取りまとめるのが難しい
自由な意見交換がオフサイトミーティングのメリットですが、最終的に中身がまとまらなければ実のない会議となってしまいます。オフサイトミーティングの目的とゴールをはっきりとさせたうえで、メンバーが議論に挑まなければなりません。
オフサイトミーティングを成功させるには:事前準備のポイント
自由な雰囲気で発言できるオフサイトミーティングだからこそ、事前の準備が肝心です。成功させるためのポイントを見てみましょう。
明確な目的やテーマを設定する
「なぜオフサイトミーティングを行うのか」という明確な目的を設定しましょう。主催者側に目的がないままでは、ミーティングの内容が迷走してしまいます。
具体的な課題の解決に向けて話し合うことはもちろん、「組織の成長のための課題はなにか」といった、問いを明確にする場としても活用可能です。仕事の場を離れるからこそ、普段業務中に言語化できていない課題やシステム化できていない課題を明確化するアイデアが出やすくなります。
参加者を決めて目的やテーマを共有する
参加するメンバーが決定したあとは、目的・テーマを共有します。オフサイトミーティングを行う意図や背景も合わせて説明できるとよいでしょう。目的に参加者がコミットできるため、ミーティングが脱線しにくくなります。
開催場所や日時の決定
目的・テーマに合わせて開催場所や日程を決定します。開催場所は、なるべく参加者がアクセスしやすいところを選びましょう。日程は、半日開催や日帰り、宿泊を伴うものなど、テーマに合わせて設定します。
また、会場の使い勝手のよさや雰囲気もオフサイトミーティングを成功させるポイントです。衛生的であったり、リラックスできる雰囲気の場所であったり、人数に適した会場であったりと、下調べを十分に行いましょう。
参加者へアジェンダを配布する
参加者にアジェンダを配布します。事前にアジェンダを配布することで、参加までに考える時間が生まれ、当日の議論を有意義なものにすることが可能です。
オフサイトミーティングを成功させるには:当日のポイント
オフサイトミーティングの当日の流れで注意するべきポイントを解説します。
最適な人数でグループ分けをする
人数が多すぎると1人の発言時間が限られてしまうため、人数が多い場合は少人数のグループにわけて話し合いを行うのがよいでしょう。
10人以上の参加者がいる場合は、5人ほどの小グループに分けることを検討します。小グループで話し合った内容を全体に共有する場を設ければ、議論を絞りながら深めることができます。
進行役を立てメリハリをつける
長時間のオフサイトミーティングの場合、雰囲気がだれてしまうことがあります。進行役を立てることでメリハリをつけることが可能です。
議論を固定させる必要はありませんが、「意見を出し合う時間」「議題を絞る時間」など、区切りを設けることが大切です。残りの話し合いの時間を参加者に伝えるファシリテーターがいると、時間を有効活用できます。
発散を意識して話し合う
オフサイトミーティングでは、さまざまな意見を出し合うことで議論が深まります。そのため、発言した内容に対して肯定的な反応を示したうえで議論をすることが重要です。参加者にも、「まず話してみる」ことが重要だと伝えておくとよいでしょう。
フィードバックを集める
オフサイトミーティングの開催後、参加者に対して感想を聞いてみましょう。開催場所やタイミング、時間や内容について忌憚のない意見をもらうことで、次回のオフサイトミーティングの開催に役立ちます。
ミーティングの報告書の無料テンプレート・ひな形
以下より、テンプレートを無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
組織活性化のため上手にオフサイトミーティングをとりいれる
普段の環境から離れて会議を行うオフサイトミーティングは、議論や発想の活性化に役立ちます。リラックスした雰囲気で話し合えるため、煮詰まった課題に解決の糸口を見つけるのにも効果的です。経営陣の合宿ミーティングやチームビルディング研修など、目的に合わせて取り入れるのがよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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