- 更新日 : 2025年10月10日
バーバルコミュニケーションとは?意味や具体例、テレワークの留意点 | 給与計算ソフト「マネーフォワード クラウド給与」
バーバルコミュニケーション(verbal communication)とは「言語コミュニケーション」を意味する英語です。会話や文章などの言葉を使ったコミュニケーションを指します。どのような場面で使われるコミュニケーションなのか、また、メリットやスキルを高めるための方法を紹介します。
目次
バーバルコミュニケーションとは?
バーバルコミュニケーション(verbal communication)とは、会話や文章、印刷物の文字などの言葉によるコミュニケーションのことです。「言語コミュニケーション」とも呼ばれます。
コミュニケーションにおいては、次に紹介するノンバーバルコミュニケーション(non-verbal communication)も重要とされています。しかし、ノンバーバルコミュニケーションが可能なのは、あくまでも対面や通話などの直接声が届く環境です。対面や通話ではないコミュニケーションにおいては、バーバルコミュニケーションがほぼ唯一のコミュニケーション方法となるため、重要度が高いと考えられます。
ノンバーバルコミュニケーション
ノンバーバルコミュニケーション(non-verbal communication)とは、言語を介さないコミュニケーションのことです。バーバルコミュニケーションと対になる言葉で、「非言語コミュニケーション」とも呼ばれます。
話す内容も重要ですが、話し方や表情、声のトーン、身振り手振りなどのノンバーバルコミュニケーションも重要な要素です。とくに視覚から伝わる情報は、相手に強い印象を与えるとされています。身振り手振りや表情、視線、身だしなみなどの視覚情報にも注目してみましょう。
バーバルコミュニケーションがより活躍する場面
相手の顔が見えないときや声が聞こえないときは、ノンバーバルコミュニケーションは使えません。バーバルコミュニケーションを活用し、言葉によって意思や重要事項を伝えましょう。
バーバルコミュニケーションは、主に次の場面で活躍します。
- リモートワーク・テレワーク
- ビジネスチャット・メール
- オンライン会議・研修
- コールセンター・ヘルプデスク
- 海外や多様なメンバーからなるチーム
ビジネスシーンでは重要性の高い情報を多く扱うため、文字でコミュニケーションを取ることで、後で確認しやすくなるだけでなく、言った言わないで揉めることも回避できます。また、伝えた情報にミスがないかも確認でき、トラブルを未然に防ぎやすくなるのも文字を使うメリットです。
リモートワーク・テレワーク
離れた場所にいる相手とコミュニケーションを取るときは、電話やテレビ電話、会議アプリなどを使います。いずれも話す内容だけでなく、声のトーンや表情といったノンバーバルコミュニケーションでも意思を伝えられる方法です。
しかし、リモートワーク・テレワークをしている相手に対しては、電話やテレビ電話は避けておくほうがよいでしょう。リモートワークはオフィスで働く場合とは異なり、各自のペースで働いているため、相手が休憩中に電話やテレビ電話をしてしまうかもしれません。
リモートワーク中の相手に活用したいのが、メールやチャットなどの文字を使ったバーバルコミュニケーションです。「今は仕事中だろうか」「邪魔にならないだろうか」と気兼ねをする必要がありません。また、文字で内容が残るため、聞き間違いがなくなるのもメリットです。
ビジネスチャット・メール
ビジネスチャットやメールを使うと、文字で相手とコミュニケーションが取れます。ビジネスでは正確さが求められるため、対象物や数量、日時などの重要な情報を文字として確認できるチャットやメールが活躍します。
また、一度に多くの相手に届けられるのもビジネスチャット・メールのメリットです。関係者全員に同じ情報を送信すれば、伝達ミスが減るだけでなく、内容に誤りがないか大勢で確認できます。
オンライン会議・研修
オンライン会議・研修においても、バーバルコミュニケーションは活躍します。ただし、オンライン会議・研修は映像を活用するため、身振り手振りや声のトーン、話すスピードなどのノンバーバルコミュニケーションも重要な要素となります。
強調したい内容を正確に相手に伝えるためにも、文字や図を使った資料を準備しておくとよいでしょう。新しい用語や数字などは、一度の説明では相手に正確に伝わらない可能性があります。資料を作成し、オンラインで共有しておけば、伝達ミスを回避できるだけでなく、後から見返せて便利です。
コールセンター・ヘルプデスク
コールセンターやヘルプデスクでも、バーバルコミュニケーションが重要視されます。コールセンター・ヘルプデスクを利用するユーザーは、何らかのトラブルや疑問を抱えているため、明確に解決方法を提示するためにも、シンプルな言葉で説明することが必要です。
たとえば、チャットやFAQ形式のコールセンター・ヘルプデスクなら、言語だけを用いたサポートが可能です。ユーザーの質問を網羅したFAQを充実させておけば、一対一で対応するケースが減り、より効率的にサポートできます。
ただし、電話や対面でサポートを提供する場合は、バーバルコミュニケーションだけでなくノンバーバルコミュニケーションも必要です。その場にそぐわない表情や声のトーンを使わないように、対応するスタッフを教育しておくことが求められます。
海外や多様なメンバーからなるチーム
多言語・多文化でのコミュニケーションが必要な場でも、バーバルコミュニケーションが重要です。言語や文化が異なると、同じ表情やしぐさでも異なる意味で理解されることがあります。正確に情報を伝達するためにも、文字を使ったコミュニケーションを活用しましょう。
万が一、翻訳ミスなどがあった場合でも、文字として証拠が残っているなら、訂正しやすくなります。文字・画像などを用いた資料を作成して共有し、正確に情報を伝えるように工夫しましょう。
バーバルコミュニケーションスキルが低いとどうなる?
バーバルコミュニケーションのスキルが低いと、次の問題が生じることがあります。
- 誤解を招く可能性がある
- チームの絆が薄れやすい
- 業務の遅延やミスのリスク
- コミュニケーションのストレス
それぞれの問題が引き起こされる理由について見ていきましょう。
誤解を招く可能性がある
バーバルコミュニケーションは、ノンバーバルコミュニケーションよりも確実に情報を伝えやすいという特徴があります。しかし、バーバルコミュニケーションのスキルが低い場合には、かえって誤解を招くかもしれません。
たとえば、「何で来るの?」と尋ねたとき、意図が正確に伝わらないことがあります。交通手段を問われたと受け止める場合は「電車で」、理由を問われたと感じる場合は「用事があるから」と答えるでしょう。また、「来るなと言われている」と受け止め、「じゃあ、やめとくよ」と返答する可能性があります。
バーバルコミュニケーションを実施するときは、相手に誤解を与えたり不快な思いをさせたりすることがないよう、言葉を選ぶことが必要です。「明日は電車でいらっしゃいますか?」「来社されたときに、何をお手伝いできますか?」と具体的に尋ねるなら、相手に質問の意図が正確に伝わり、誤解のないコミュニケーションができるでしょう。
チームの絆が薄れやすい
バーバルコミュニケーションのスキルが低い場合は、相手に情報を伝えられないだけでなく、相手からの情報も遮断してしまうかもしれません。チーム内で活発なコミュニケーションが取れなくなり、チームとしての絆も薄れてしまう可能性があります。
チームとして活動していくためには、メンバー各自が積極的にコミュニケーションを取ることが必要です。しかし、適切なコミュニケーションには個人差があるため、期待するような頻度・レベルとはならない可能性があります。「10時と16時には連絡を取り合う」「質問はなるべく選択式にする」というように、具体的なコミュニケーションルールを作ることも検討してみましょう。
業務の遅延やミスのリスク
バーバルコミュニケーションのスキルが低いと、必要な情報を必要な相手に伝えられない可能性があります。業務が予定通りに進まず、納期に遅延するかもしれません。
また、バーバルコミュニケーションの頻度は十分でも、言葉の選び方や文法などに問題があると、情報が正しく伝わらずに重大なミスが生じる可能性があります。ビジネスを滞りなく進めていくためにも、バーバルコミュニケーションの頻度・質ともに注意することが必要です。
コミュニケーションのストレス
また、相手も「理解できない」「情報がわからない」といったストレスを感じるため、話し手・聞き手の双方にとってストレスが溜まります。
ストレスが増えるとコミュニケーションそのものを放棄し、業務そのものが遂行できなくなる可能性があります。バーバルコミュニケーションのスキルを高めるとともに、コミュニケーションが取りやすい環境を構築することも重要です。
バーバルコミュニケーションスキルを高める方法
リモートワーク・テレワークでは相手と顔を合わさないからこそ、バーバルコミュニケーションがより重要な意味を持ちます。次の方法を実践して、バーバルコミュニケーションスキルを高めましょう。
- あいさつやお礼を欠かさない
- メッセージは簡潔にわかりやすく
- 依頼の理由や背景を伝える
- 報告・連絡・相談を意識する
それぞれの方法を解説します。
あいさつやお礼を欠かさない
バーバルコミュニケーションは、回数を増やすことでスキルアップが可能です。あいさつやお礼などを普段から伝えるように意識するなら、自然とバーバルコミュニケーションを取る回数が増え、スキルも向上できます。
メッセージは簡潔にわかりやすく
相手に伝える前に、伝える内容について吟味してください。まずは要点をリストアップし、可能な限り簡潔にまとめましょう。
また、誤解しにくい表現を使うことも大切です。たとえば、「遅れそうなときは連絡してもらえると助かります」といった表現では、努力目標なのか命令なのかがわかりません。正確に意思を伝えるためにも、「遅れるときは前日までに連絡してください」とストレートに伝えましょう。
依頼の理由や背景を伝える
ストレートな表現を選ぶことも大切ですが、一方的な命令ばかりでは、聞き手に不満が溜まってしまいます。依頼の理由や背景を伝えると、快く受け止められるだけでなく、より前向きに業務に取り組めるでしょう。
報告・連絡・相談を意識する
取引先とのやり取りやチーム内でのコミュニケーションを円滑に進めるためにも、報告・連絡・相談の3つを意識することが大切です。
業務進捗を「報告する」、変更があったときは「連絡する」、予定通りに進まないときやトラブルが発生したときは「相談する」を意識することで、バーバルコミュニケーションのスキルアップを図れます。
バーバルコミュニケーションでテレワークを円滑に進めるコツ
バーバルコミュニケーションを活用することで、テレワークをより円滑に進めていきましょう。次のポイントを意識すれば、さらに円滑なコミュニケーションが可能になります。
- コミュニケーションを取る時間を決める
- 誤解を招きにくい言葉を選ぶ
- 絵文字や記号で感情を表現する
- ポジティブかつ柔らかい表現を心がける
- 解釈が複数あるときは、すぐに確認する
- 1on1コミュニケーションの機会を設ける
仕事に集中していると、コミュニケーションにまで意識が向かなくなることがあります。コミュニケーションを取る時間を決め、タスクを多く抱えているメンバーもコミュニケーションを取れるように工夫しましょう。
言葉選びも重要です。誤解を招きにくい言葉を選びましょう。メールやチャットでのみコミュニケーションを取るときは感情が伝わりにくくなるため、絵文字や「!」「?」などの記号を使うことも大切です。
また、コミュニケーションは業務連絡だけといった状況では、連絡することが徐々に嫌になってしまいます。ポジティブかつ柔らかい表現を心がけ、相手が気軽に連絡できる雰囲気、連絡したいと思える環境を作るようにしましょう。
定期的に1on1コミュニケーションの機会を設けることも大切です。向き合って話すことで、相手の気持ちを理解しやすくなり、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
活発なバーバルコミュニケーションを取れる環境を構築しよう
バーバルコミュニケーションは、プライベートだけでなくビジネスにおいても重要です。しかし、一人だけが「バーバルコミュニケーションを積極的に取ろう」と意識しても、家庭や職場の雰囲気はよくなりません。
すべてのメンバーが活発にバーバルコミュニケーションを取るためにも、話しやすい雰囲気や制度を構築することが大切です。電話やテレビ電話だけでなく、メールやチャットも活用して、深いコミュニケーションを実施していきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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