- 更新日 : 2025年12月17日
アサーションとは?意味や種類、コミュニケーションとしての使い方を解説
アサーションとは、近年注目されているコミュニケーション手法の1つです。お互いに尊重されるべきという考えのもとに、言うべきことは言い、聞くべきことは聞くコミュニケーションのやり方を指します。アグレッシブとノン・アサーティブ、アサーティブの3種類に分類され、アサーションではアサーティブとすることが望まれます。
目次
アサーションとは?定義や意味
アサーションとは、自分と相手のどちらも尊重しながらコミュニケーションを図ることを指します。相手のことを尊重しつつも自分の意見をはっきり伝えるという、コミュニケーションスキルの1つです。
意見が対立した場合でも相手の考えを無視したり自分の主張を一方的に押し付けたり、反対に自分が主張することをやめてしまったり言いたいことを引っ込めてしまったりするのではなく、きちんと言うべきことは言い、聞くべきことは聞いた上で意思疎通を図る、コミュニケーション手法を言います。
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アサーションの歴史
アサーションは1949年にアメリカで出版された精神医学・行動医学に関する書籍の中で、医療用語として用いられた言葉です。精神的に圧迫を受けたことにより失われた尊厳を回復するための行動療法で用いられた言葉で、自己主張を意味します。
その後、1960年代から1970年代にかけて起きたアメリカの黒人差別に対する運動においては差別撤廃、あるいは人権拡張の主張を意味する言葉として用いられました。自分と相手の両方を尊重するという考え方が人種差別問題の解決を目指すコミュニケーション手法として相応しいとされたためです。日本では、1980年代から医療用語や教育用語として使われ始めました。
アサーションの現代における意味とは
アサーションは、現代ではコミュニケーション手法の1つとして用いられています。相手は尊重しつつも自分の意見や主張は明確に伝える必要がある場合のコミュニケーション手法として活用されるのがアサーションです。
アサーションを上手く活用すると相手の立場を悪くせずに自分の考えるとおりに物事を運ぶことができるため、ビジネスの場での活用が目立ちます。そのため現代ではアサーションは取引先との商談時のコミュニケーション手段を指す、ビジネス用語として多くの人に認識されています。
アサーションの3つの種類
アサーションは自分と相手を同等に大切にするという考え方に基づき、相手の意見を聞くのと同じように自分の意見をきちんと主張することが大切だとしています。理想的な自己主張のやり方を習得するためには、まず自分が行っている自己主張方法を理解しなければなりません。アサーションでは自己主張のやり方はアグレッシブ、ノン・アサーティブ、アサーティブの3種類に分類されるとしています。
アグレッシブ
アグレッシブは自己主張の激しい、攻撃型です。相手の意見を聞かずに、ただただ自分の意見を押し通そうとするタイプです。
- アグレッシブ(攻撃型)の特徴
声が大きく、張り上げることもある
常に相手より優位に立ちたがる
勝ち負けにこだわる
幼稚な部分がある
ノン・アサーティブ
ノン・アサーティブは自己主張ができない、非主張型です。相手に合わせようとして、自分の意見を言うことができません。
- ノン・アサーティブ(非主張型)の特徴
物静かで目立たない
相手に否定されることを極端に怖がる
あいまいな表現を好んで使う
言い訳をすることが多い
アサーティブ
アサーティブは相手を配慮しながらも自分の意見をきちんと言える、中間型・バランス型です。アサーションではアサーティブが理想とされます。
- アサーティブ(中間型・バランス型)の特徴
出るところ、引くところが分かっている
精神的に成熟している
アサーションが注目される背景
アサーションはとくに現代において、必要とされているコミュニケーション手法です。なぜアサーションが求められるようになったのか、注目される背景を説明します。
ハラスメント予防のため
パワハラ防止法ができたり、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法においてマタハラ防止が規定されたりするなど、社会のハラスメントに対する目は年々厳しさを増しています。企業内でもハラスメント予防として相手のことを尊重するコミュニケーション手段であるアサーションが注目されるようになりました。
働き方が多様化したため
働き方の多様化により、労働に何かしらの制限を受ける人でも事情を考慮した働き方ができるようになりました。所定労働時間を働くことが難しい場合は短時間で働く、通勤が困難で出社できない場合は在宅勤務とするというように、これまでは就労できなかった人でも働けるような社会の実現が進んでいます。
それぞれに事情を抱える人でも同じように取り扱われるべきだという考え方が働き方の多様化の基礎となっていて、アサーションにおける自分も相手も同じように尊重されるべきと言う考えとよく似ていることも注目される背景の1つに挙げられています。
コミュニケーションとしてのアサーションの使い方
企業においては、他人に自分の希望を述べたり議論を活用したりする場で、アサーションを効果的に使うことが望まれます。こういった場面のコミュニケーションにアサーションを用いることで、お互いに納得した結果を得ることができ、良好な人間関係を築くことが期待できます。
具体的にアサーションの活用が望まれる主な場面には人事評価・採用面接・会議の3つが挙げられます。
- 人事評価アサーションを用いることによって納得のいく結果を得ることができます。部下と上司という関係ではあるものの対等な立場で意見を交わすことができ、悪い評価を受けた場合でも素直に受け入れ、次の人事評価に向けて改善点を探すことができます。
- 採用面接アサーションによって立場を対等とした上で面接を行うことで、入社希望者の本心を聞き出す効果が期待されます。不採用の結果に至った場合でも納得感があることから、引き続き商品購入されたりサービスを受けたりしてもらえる可能性が残ります。
- 会議お互いに対等な立場で意見を言うので、活発な議論を交わすことができます。
その他にもアサーションは人間関係でのトラブル解消やストレス軽減へ活用が望まれます。
アサーションを使用するメリット・デメリット
アサーションは自分も相手も大切にするコミュニケーション手法で、現代にマッチするとして注目されています。ビジネスシーンにおいてアサーションは、どのような影響をもたらすのでしょうか?メリットとデメリットを紹介します。
アサーションを使用するメリット
アサーションを使用するメリットには以下の点が挙げられます。
- コミュニケーションをスムーズに進めることができる
- 職場でのコミュニケーションのトラブルが解決でき、職場環境が良くなる
- 良好な人間関係が作れる
アサーションを使用するデメリット
以下のようなことがアサーションを使用するデメリットです。
- 言葉選びが難しい
- 自分の意見はっきりと伝わらない可能性もある
アサーションによるコミュニケーションスキルを身につけ、ビジネスシーンに役立てよう
アサーションとは、相手も自分も尊重するという考え方に基づいて行うコミュニケーション手法の1つです。相手の意見をしっかり聞きつつも自分の意見をはっきりと伝えるという方法で、コミュニケーションを図る方法を指します。ハラスメント予防になること、働き方の多様化が進んだことを背景に注目され、習得すべきスキルとして高い関心を集めています。
アサーションによるコミュニケーションスキルは人事評価や採用面接、会議などのさまざまなビジネスシーンで役立ちます。アサーションで理想的とされる自己主張方法を理解し、活用できるようになりましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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