正しく理解しよう!労働基準法で定める休日とは

労働基準法で定める休日に出勤させるのは違法!?

労働基準法において「休日」とは、労働契約において労働者が労働義務を負わない日としており、原則として午前0時から午後12時までの24時間、一暦日の休業をいいます。
また、労働基準法では、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないとされています。この規定に基づく休日が法定休日です。(法定休日を4週4日以上の休日とするのはあくまで例外であり、「4週間」の起算日を就業規則等により明らかにしておく必要があります。)
つまり、週休2日制を採用している事業場では、2日の休みのうちどちらか1日が法定休日となりますが、法定休日に出勤を命じる為には、36協定を結び労働基準監督署に届け出をする必要があります。就業規則の届出は事業場に10人以上の労働者がいる場合に必要となりますが、36協定は労働者が一人でも存在し、残業や休日出勤をさせる場合には届出が必要となるので注意が必要です。また、36協定は労働基準監督署への届出をして初めて有効になる点も、併せて注意したいところです。従業員代表から捺印をもらえたから安心、ではなく、労働基準監督署に届出がされるまでは、たとえ従業員代表の捺印をもらえていたとしても、残業や休日出勤をさせてはいけないことになります。

労働基準法で定める法定休日の設定は必要か

上述の通り、労働基準法で定める休日とは週に1日を原則とされていますが、会社は法定休日の曜日をあらかじめ特定しておかなくても法定通りの休日を与えていれば問題とはなりません。ただし、未払い残業代の精算を求められた場合等に、法定休日と所定休日では割増率が異なるため、労働者と会社側の主張が合致せず、法定休日の特定が問題として起こりやすくなります。そうならないために、会社は法定休日を事前に特定しておいた方が望ましいと考えられますが、以下のケースを考えてみると、そう単純でもありません。

法定休日を土曜日とした場合に、
1.月曜日~土曜日に働く場合
2.月曜日~金曜日と日曜日に働く場合

両者とも週に1日の休みを与えていることは同じなのですが、法定休日を土曜日と特定している為、1.の場合は土曜日の出勤に対して休日出勤の割増賃金を支払う必要がでてきます。正しい運用を行った場合により多くの割増賃金を支払わなければならず、企業としては避けたいところかと思います。その対応策として、就業規則にあらかじめ法定休日の振替を可能にする文言を入れておくのが望ましいでしょう。

法定休日の割増賃金と所定休日の割増賃金の計算方法について

労働基準法において、法定休日の割増率は35%と定められています。
具体例で考えてみると、週休2日制を採用している企業において、月曜日~土曜日まで毎日1日8時間勤務した場合、週に1回の休日を与えているので、労働基準法に定める休日(法定休日)に出勤したことにはなりません。
ただし、月曜日~金曜日までで週40時間の勤務をしているため、土曜日の8時間は法定外労働として25%の割増が必要となります。つまり、法定休日を上回って会社が定めた所定休日に勤務した場合、割増率は35%ではなく25%で良いということになります。
では、月曜日~金曜日までに8時間勤務、土曜日に10時間勤務、日曜日に6時間勤務した場合はどうなるでしょうか。
土日を会社休日と設定しているが、法定休日を明確に定めていない場合、35%の割増は土曜日と日曜日のどちらに適用させるのか、労働者と会社とでお互いの主張が合致しないことが起こり得ます。それ故、先述の通り、法定休日はあらかじめ特定しておいた方がトラブルを未然に防げると考えられます。

「振替休日」と「代休」の違いは?

「休日の振替(振替休日)」とは、あらかじめ定められている休日を労働日とする代わりに他の労働日を休日とするように、休日と他の勤務日を「あらかじめ振り替えること」をいいます。休日の振替が行われた場合には当初の休日は労働日となり、その日の労働は休日労働とはならず、割増賃金の支払いは不要となります。この場合、振替をする休日について事前に特定しておくことが必要です。
一方、「代休」とは、事前に休日の振替手続きをとらず、「本来の休日に労働を行わせた後に、その代わりの休日を付与すること」です。代休の場合、休日に労働させた事実をなくすことはできませんので、休日労働に係る割増賃金の支払いは必要となります。ただし、休日の代わりに休んだ日についての賃金の支払いは不要です。

休日出勤をする代わりに他の労働日を休日とする、という点では相違ありませんが、振替休日の場合は、休日出勤する前に事前に振替休日の特定が必要であること、代休の場合は休日出勤分については割増賃金の支払いが必要になることといった違いがあります。

労働基準法に定められる「休日」について正しい理解と運用を

未払い賃金については労使間でのトラブルに発展する可能性が高く、労務担当者としては正しい理解のもとに運用を行わなければなりません。また、労働者があらかじめ把握していることで不要なトラブルを招かないように社内周知を図り、かつ人事労務担当者だけでなく、各部署の管理者についても、労働基準法における休日について正しい知識を持ち、適切な運用が行えるよう努めていくことが望ましいでしょう。

<参考>
労働基準法のあらまし 東京労働局労働基準部

<関連記事>
給料格差を聞かれたらどうする?「働き方改革法」で労務が押さえるべき4つのポイント

【監修】金田朋子(かねだ ともこ) 社会保険労務士

社労士事務所にて給与計算、各種社会保険事務、就業規則の作成・改定、行政機関調査対応等に関する社会保険・労務コンサルティング業務に従事後、現在はベンチャー企業内の社内社労士として勤務。
社労士事務所での外部コンサルタント、ベンチャー企業内での労務担当者としての経験を生かし、ベンチャー・中小企業に強い社労士として社会保険・労務コンサルティングを行っている。
Twitter : @tok0moco

勤怠管理を自動化! マネーフォワード クラウド勤怠

働き方改革対応自動アップデートの勤怠管理システム Money Forward クラウド勤怠