• 作成日 : 2015年6月4日
  • 更新日 : 2018年10月10日
  • 労災保険

労災保険とは

労災保険とは

労災保険とは

労災保険とは、業務中や通勤中に起こる不測の事態を保障する制度で、「労働者災害補償保険法」により裏打ちされています。

この労災保険に加入していれば、病気やけがはもちろんのこと、死亡や障害など大事に至った場合にも保険金が給付されます。ここでは、業務災害と通勤災害に分けて、それぞれが認定される要件や、その種類などについて詳しく説明します。

労災保険とは

労災保険とは、私たちが業務中または通勤中に起きた災害による負傷や疾病、死亡に対して、保険金が給付される制度です。業務が原因で起きるものを「業務災害」、通勤中に起きるものを「通勤災害」といいます。

業務災害とは何か

「業務災害」とは、業務中に不測の事態がおこり、負傷や疾病を被ることを指して用いられますが、その認定には「たしかに業務上の災害である」、つまり、業務と被害に明らかな因果関係が存在していなければなりません。負傷と疾病に分けて、具体的な要件について説明します。

業務上の負傷が認められる要件とは

業務災害のうち、業務上の負傷であると認定される場合は、以下のとおりです。

・事業主の管理義務が当然とされる環境で業務を行っており、業務内容や事業所の管理状況などが原因と考えられる場合
・事業主の管理下ではないが支配下にあり、出張・外出などにより事業所以外で業務を行っている場合

一方で、業務災害とは認められにくい場合は、以下のとおりです。

・就業時間内ではあっても、私用や業務と本来関係のない行為によって災害を被った場合
・就業時間内に、個人的な理由による第三者からの暴行で、災害を被った場合
・通勤中に、地震や台風などの天然災害が原因で、災害を被った場合(ただし、業務環境において、もともと天然災害が起こりやすい立地であるなど、特別な事情がある場合には労災認定がおりる場合もある)
・会社の昼休み・休憩時間など、業務を行っていない時間に社内で負傷した場合(ただし、業務中のトイレなど生理的行為は、業務に付随する行為とみなされる)

業務上の疾病が認められる要件とは

業務上の負傷とは違って、疾病認定の難しさは、「業務遂行中に発症したか」ではなく、「業務遂行上になんらかの原因があり、そのせいで病気が発症したのか」というところにあります。

つまり、就業中に脳梗塞で倒れても、業務との因果関係が立証されなければ「業務上の疾病」とは認められません。逆に、就業時間外の発症であっても、就業中の過度のストレスなど因果関係が見出せるときは「業務上の疾病」が認められるのです。

そのときの要件は、以下のとおりです。

・働いている現場に、有害な化学物質や病原体、過度に負担のかかる作業などの有害因子がある場合
・健康に障害をきたすほどの期間や量の有害因子にさらされた場合
・発症に至るまでの経過や病状が、医学的に妥当である場合

通勤災害とは

「通勤災害」とは、その名のとおり、通勤中に被った災害のことを言います。通勤として認められる要件は、以下のとおりです。

・就業を目的とした、住居と仕事場の往復であること
・就業を目的とした、ひとつの仕事場から他の仕事場への移動であること
・就業を目的とした、単身赴任先の住居から帰省先の住居への移動であること

ただし、いずれの場合でも、通勤の経路や方法が、第三者により合理的だと判断されるものでなくてはなりません。特に理由もなく、妥当な通勤ルートを逸脱・中断、あるいは遠回りした場合には、通勤災害とは認められません。

また、これらの要件を満たしていても、その移動が業務に関係している場合は、通勤災害ではなく業務災害として考えられます。

労災保険の種類

業務災害や通勤災害が認められた場合には、労災保険が給付されますが、その種類には、以下のようなものがあります。

・療養(補償)給付(労災病院や労災指定医療機関で療養する場合は無料となり、それ以外の場合は療養費用が支給される)
・休業(補償)給付(賃金が支払われない日が4日以上続いた場合に、補償金が支給される)
・障害(補償)給付(傷病が治っても、障害等級第1級から第14級までに当たる障害が残った場合に、年金や一時金が支給される)
・遺族(補償)給付(労災認定された傷病により死亡、または死亡と推定される場合、遺族に年金や一時金が支給される)
・葬祭料(補償)給付(労災被害者で死亡した方の遺族に葬儀費用が支給される)
・傷病(補償)年金(労働災害から1年6ヶ月の時点でも治っておらず、労災保険法が定める疾病等級に該当し、その状態が続いている場合、年金が支給される)
・介護(補償)給付(障害年金や傷病年金の支給を受けている方で、介護が必要な場合に、補償金が支給される)

このように、労災保険とは、私たちが業務災害や通勤災害などに遭ったときに、自分や家族の生活を補償してくれる制度で、その種類にはさまざまなものがあります。いざというときのために、事前に正しい知識を身に着けておきましょう。

まとめ

だれしも、不測の事態によりけがや病気を負ってしまうことがあるでしょう。その原因がある条件の下での労働にある場合、または労働環境にある場合に、給付されるのが労災保険です。さまざまに規定された条件の確認いただけたと思います。

「労災」という言葉はニュースなどでもよく耳にするものですが、くわしい条件、内容を知っておくことは大切です。

安全、快適な労働環境であることが第一ですが、もしものときは制度を活用し、しっかりと病気、けがに対処するようにしましょう。

監修:川本 祐介 (社会保険労務士)

税理士法人ゆびすい
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