• 作成日 : 2016年8月25日
  • 更新日 : 2020年10月30日
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給与支払報告書と総括表の書き方徹底ガイド

給与支払報告書と総括表の書き方徹底ガイド

給与支払報告書と総括表の書き方徹底ガイド

給与支払報告書と総括表は、住民税を計算するために、会社から各従業員の住む市区町村へ提出するものです。

ここでは給与支払報告書と総括表の書き方を項目ごとに紹介するとともに、給与支払報告書を市区町村へ提出しなかった場合、会社はどのようなペナルティを受けることになるのかもあわせて解説します。

※こちらの記事では、給与所得源泉徴収票の書き方をご紹介しております。 最新の情報は各市区町村の該当ページをご確認ください。

給与支払報告書の書き方

給与支払報告書に記入する内容は、源泉徴収票と同じです。

手書きで作成する場合は、給与支払報告書(市区町村提出用2部)と源泉徴収票(税務署提出用1部と受給者交付用1部)が4枚複写になった用紙を使用することで、1度に4部を作成することができます。

令和3年1月以降に提出する給与支払報告書については、前々年における給与所得の源泉徴収票の提出枚数が100枚以上(改正前:1,000枚以上)であるときは、eLTAX又は光ディスク当により提出する必要があります。

【出典】令和2年分 給与所得の源泉徴収票

給与支払報告書は原則として、1月末日までに市区町村へ提出しなければなりません。

たとえば東京都港区に本社がある会社に、港区、豊島区、北区、新宿区、町田市、川越市、さいたま市、川崎市に住む社員が勤務している場合、それぞれの市区町村へ給与支払報告書と総括表を郵送することになります。

今回は港区の社員の給与支払報告書を作成することとして、書き方を解説していきます。

年末調整時に従業員に配付した次の3点を確認しながら作業を進めます。

それでは実際に令和2年分(令和3年度)の給与支払報告書に記入する項目を1つずつ見ていきましょう。

[支払いを受ける者]
従業員の住所や氏名を記入します。記入例の場合、左上の丸囲み数字が「3」となっているため、令和3年1月1日現在の住所を記入します。

給者番号や役職名がなければ空欄のまま提出しますが、受給者のマイナンバーを記載してください。ただし、受給者に交付する源泉徴収票にはマイナンバーは記載しません。

[種別]

俸給、給料、賞与などのように給与等の種別を記入します。

[支払金額]
その年に確定した給与支払総額を記入します。記入例は左上の数字が「3」となっているため、令和2年1月1日から12月31日までの1年間に確定した給与支払総額を記入することになります。

[給与所得控除後の金額(調整控除後)]
支払金額を、令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表に当てはめ、記入すべき金額を求めます。

たとえば給与収入が683万5千円の場合は、給与等の金額660万円以上850万円未満に該当します。

給与等の金額が660万円以上850万円未満の場合の給与所得控除後の金額は、給与等の金額に90%を掛けた後、110万円を差し引くことによって求めることができるため、683万5千円×90%-110万円=5,051,500円となります。

なお、所得金額調整控除の適用がある場合には、所得金額調整控除の額を控除した後の金額を記載します。

年末調整をしない場合は空欄のまま提出します。

[所得控除の額の合計額]
社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除生命保険料控除地震保険料控除障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除勤労学生控除、配偶者控除(または配偶者特別控除)、扶養控除、基礎控除の合計額を記入します。

ただし、年末調整をしない場合は空欄のまま提出します。

[源泉徴収税額]
年末調整後に確定した「源泉所得税及び復興特別所得税の合計額」を記入します。年末調整をしない場合や出来ない場合は、その会社に在籍していた間に給与や賞与から天引きした所得税の合計額を記入します。

[(源泉)控除対象配偶者の有無等]

年末調整を受ける場合で控除対象配偶者がいる場合は、有に〇をします。配偶者がいたとしても控除対象配偶者がいない場合は、無に〇をします。配偶者控除を受けた配偶者が70歳以上の場合は、老人欄に〇をします。

[配偶者(特別)控除の額]
従業員から提出を受けた「給与所得者の配偶者等控除申請書」を元に、配偶者特別控除額を記入します。

[控除対象扶養親族の数(配偶者を除く)]
特定扶養親族や老人扶養親族、その他扶養親族の人数を記入します。

[16歳未満扶養親族の数]

扶養親族のうち、16歳未満の扶養親族の人数を記入します。

[障害者の数(本人を除く)]

「点線の右側」には、同一生計配偶者や扶養親族が特別障害者である場合その人数を、「点線の左側」には、そのうち同居を常としている人の人数を記入します。

[非居住者である親族の数]

源泉控除対象配偶者、控除対象配偶者、配偶者特別校のの対象となる配偶者及び扶養控除の対象となる扶養親族のうち、非居住者がいる場合及び16歳未満の扶養親族のうちに国内に住所をもたない人がいる場合にはその人数を記入します。

[社会保険料等の金額]
給与から天引きされた社会保険料の総額と、「給与所得者の保険料控除申告書」で申告した社会保険料と小規模企業共済掛金の額を、合算した金額を記入します。

[生命保険料の控除額]
従業員から提出を受けた「給与所得者の保険料控除申告書」を元に記入します。

[地震保険料の控除額]
従業員から提出を受けた「給与所得者の保険料控除申告書」を元に記入します。

[住宅借入金等特別控除の額]
「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を元に記入します。

[摘要]

控除対象配偶者、16歳未満の扶養親族の氏名と続柄を記入します。16歳未満の扶養親族は年少扶養親族であることがわかるように「名前(年少)」と記入します。扶養親族が5人以上いる場合の5人目以降について記入します。

前職分の情報と合算して年末調整をした場合は、前職分の加算額と支払者を記入します。また年末調整で控除しきれない住宅借入金等特別控除額がある場合は、住宅借入金等特別控除可能額を記入します。

その他摘要欄について記載すべき項目については、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引き」で確認してください。

住宅借入金等特別控除を受ける場合は、居住年月日を記入します。自分以外の扶養親族の国民年金保険料を支払った場合などは、国民年金保険料の金額を記入します。

[生命保険料の金額の内訳]

【新生命保険料の金額】【旧生命保険料の金額】欄

令和2年中に支払った一般の生命保険料のうち平成24年1月1日より後に契約したものは「新生命保険料の金額」に、それ以前に締結した契約によるものを「旧生命保険料の金額」記入します。

 

【介護医療保険料の金額】欄

 

令和2年中に支払った介護医療保険料の金額を記入します。

 

【新個人年金保険料の金額】【旧個人年金保険料の金額】欄

 

令和2年中に支払った個人年金保険料のうち平成24年1月1日より後に契約したものは「新個人年金保険料の金額」に、それ以前に締結した契約によるものを「旧個人年金保険料の金額」記入します。

 

いずれも従業員から提出を受けた「給与所得者の保険料控除申告書」を元に、それぞれの金額を記入します。

[住宅借入金等特別控除の額の内訳]

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を元に適用数、居住開始年月日、残高等を記入します。住宅借入金等特別控除区分には、「住・認・増・震」等を記入します。

なお、適用数が2以上ある場合にはその住宅の取得ごとに1回目、2回目と分けて居住年月日や残高を記載し、適用数が3回目以降については(摘要)欄に記入します。

[国民年金保険料等の金額]

社会保険料控除の適用を受けた国民年金保険料等の金額を記入します。

[旧長期損害保険料の金額]

地震保険料の控除額のうち、平成18年12月31日までに締結したものがある場合に記入します。

[基礎控除の額]

給与所得者の基礎控除申告書から転記して記入します。ただし、基礎控除額が48万円の場合は転記する必要はありません。

[所得金額調整控除額]

所得金額調整控除額の適用がある場合には記入します。

[(源泉・特別)控除対象配偶者、控除対象扶養親族]

控除対象配偶者又は配偶者特別控除の対象となる配偶者、扶養控除の対象となる扶養親族の氏名及びマイナンバーを記入します。非居住者の場合には、区分欄に〇を記入します。

[配偶者の合計所得]

配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けた場合は、令和2年中の配偶者の合計所得金額を記入します。

[16歳未満の扶養親族]

16歳未満の扶養親族の氏名を記入し、その者が国内に住所を有しない場合には区分欄に〇を記入します。

なお、右の欄には控除対象扶養家族が5人以上いる場合のマイナンバーを記載します。

[未成年から勤労学生までの各欄]

各欄について、その受給者について該当する場合があれば〇をします。

未成年

受給者本人が未成年の場合、〇を記入します。

外国人

受給者本人が外国人の場合、〇を記入します。

死亡退職

死亡で退職した場合、〇を記入します。

災害者

受給者本人が災害によって所得税と復興特別所得税の免除を受けた場合、〇を記入します。災害者に該当する場合は、摘要欄へ徴収猶予税額を記入します。

乙欄

従業員が複数の会社で勤務している場合において、他の会社で年末調整を受けている場合は乙欄に〇をします。

本人が障害者

受給者本人が特別障害者に該当する場合は「特別」に、特別障害者ではない場合は「その他」に〇を記入します。

寡婦】【ひとり親

受給者本人が寡婦控除を受けた場合は「寡婦」に〇を記入し、ひとり親控除を受けた場合は「ひとり親」に〇を記入します。

勤労学生

受給者本人が勤労学生控除を受けた場合、〇を記入します。

[中途就・退職]

新卒で4月から入社したとしても、所得税や住民税の区切りは1月1日から12月31日となるため、中途就職扱いとなる点で注意が必要です。

就職前に受給した1月から3月までのアルバイトの給与などは、前職分として摘要欄に記入します。

[受給者生年月日]

受給者本人の生年月日を記入します。

[支払者]

従業員に給与を支払った会社の名称と住所、電話番号を記入します。

支払者のマイナンバーや法人番号も記載します。

総括表の書き方

総括表は、給与支払報告書を市区町村へ提出する際に表紙として添える書類です。

提出時期は給与支払報告書と同じく1月末日前後となっています。

原則として市区町村から送付される総括表に対して記入し返送するものであるため、統一フォーマットではなく市区町村によって異なる様式を使用するため、記入する項目や書き方に多少の違いがあります。

総括表も給与支払報告書と同じ、港区を例に挙げて解説していきます。

[給与の支払期間]

前年度の支払期間を記入します。令和3年度(令和2年分)の場合の書き方は、「令和2年1月分から12月分まで」となります。

[給与支払者の個人番号又は法人番号、郵便番号・所在地・名称]

会社に関する情報を記入します。マイナンバー又は法人番号を記入します。

法人ではなく個人が従業員を雇用している場合は、名称ではなく個人事業主名を記入します。

[代表者の職氏名印]
会社代表者の役職、氏名を記入し、押印します。

[経理責任者氏名]
給与支払報告書と総括表を作成した責任者の氏名を記入します。

[連絡者の係及び氏名並びに電話番号]
市区町村からの問い合わせに応じることのできる担当者に関する情報を記入します。

[会計事務所等の名称]
会計事務所や税理士事務所等へ総括表の作成を依頼している場合に記入します。

[提出区分]
退職者のみ提出する場合は「退職者分」とし、在職者を含む場合は「年間分」に〇をします。

[給与支払の方法及び期日]
書き方としては「月給 毎月25日」のようになります。

[事業種目その他必要な事項]
製造業や卸売業、小売業、建設業、サービス業、不動産業などの種目を記入します。

[提出先市区町村数]
たとえば東京都港区に本社がある会社に、港区、豊島区、北区、新宿区、町田市、川越市、さいたま市、川崎市から社員が通勤している場合の書き方は、「8」となります。

[受給者総人員]
給与の支払期間内に給与を受給したすべての人数を記入します。

[報告人員]
当該市区町村へ報告する人数を記入します。

特別徴収対象者、普通徴収対象者(退職者)、普通徴収対象者(退職者を除く)をそれぞれ記入し、報告人員の合計を記入します。

[うち退職者人員]
報告書人員のうち退職者の人数を記入します。

[所轄税務署]
本社所在地を管轄している税務署名を記入します。

[納入書の送付]

窓口で支払う場合には、「要」に〇をします。

インターネットバンキングで支払っている場合などでは不要となりますが、万一のため振込をした金額と実際の納入額の確認のため納入書を利用するところもあります。

[前年の特別徴収義務者指定番号]
通常は送付された書類に記載されているため、同じ番号を転記します。

今年度が初めての報告となる場合は、空欄のままで提出します。

給与支払報告書と総括表を市区町村へ提出しないとどうなるか

会社が市区町村へ給与支払報告書を提出しなければならないことは、地方税法第317条の第6項の「給与支払報告書等の提出義務」によって義務付けられています。

そのため、提出義務を怠ると地方税法第317条の第7項の給「与支払報告書等の提出義務違反に関する罪」により、義務を怠った事務担当者だけでなく法人そのものも1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることになります。

起業し従業員を雇用すると所得税の源泉徴収だけでなく、住民税の手続きも行なわなければなりません。

住民税に関する「給与支払報告書」と「総括表」の提出義務を怠ると、個人事業主であったとしても地方税法違反となることを留意しましょう。

まとめ

給与支払報告書と総括表の書き方だけでなく、その根拠となる地方税法についても紹介しました。

地方税法によって定められている住民税は、会社から送付される給与支払報告書と総括表をもとに計算され、各従業員から毎月天引き(=特別徴収)された後、市区町村の主たる財源となっているのです。

【参考】国税庁|法定調書の光ディスク等による提出のご案内※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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