• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2019年5月10日
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年末調整における扶養控除とは

年末調整_扶養控除

年末調整における扶養控除とは

Family in Park

年末調整の時期には「扶養」や「扶養控除」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。

「扶養」には漢字のとおり「養う」という意味があります。例えば、会社勤めをしている人に大学生の子供がいたとします。その人は子供の生活費を負担しているので親が子を扶養している状態であると言えます。

年末調整における扶養控除は、この例のように納税者に16歳以上の扶養親族が存在する場合、納税者の所得金額から一定額の所得控除を行う制度を指します。

扶養控除とは親族を養うことで生じる負担を軽くし、生活をサポートするために設けられた税制です。

扶養親族の範囲

12月31日の時点で以下のすべてを満たす親族は、扶養親族に該当します。自分の家族内に該当者がいる場合には、年末調整まで待たずに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しましょう。年末調整時期に重なると年末調整のやり直しといった面倒な事態にもなりかねませんので、とにかくすぐに担当者に知らせるようにします。

なお、対象となる親族が年度の途中で死亡した場合、死亡時に以下のすべてを満たしていれば扶養親族に該当します。

16歳以上である

平成22年より「子ども手当(平成25年4月より「児童手当」として制度変更)」が実施されました。この制度により、15歳以下の子供を扶養している保護者に一定額が支給されることになったため、平成23年の法改正で16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象から外れることになりました。

6親等内の血族及び3親等内の姻族

「血族」とは、納税者側の親族を指し、「姻族」は、納税者の配偶者側の親族を指します。家系図を描くと分かりやすく親等を数えることができます。例えば、両親や子供は1親等、兄弟姉妹・祖父母・孫は2親等です。

「扶養」という言葉からは、自分の配偶者や下の世代を養うというイメージがあるでしょう。しかし、実際は上の世代も扶養控除の対象となります。

自分の親族の場合は、6親等とかなりの広範囲がカバーできます。

同一生計

同一生計とは、「生計を一にする」という意味ですが、必ずしも同居し、生活費を共有している必要はありません。

例えば、以下などの場合は、別居していても「同一生計」であるといえます。

・単身赴任や越境入学により別居中の親族に仕送りを行っている
・病気のため入院中の親族の療養費を支払っている

合計所得金額38万円以下

年末調整の際、扶養控除の対象となる親族の条件は、無収入の人に限りません。合計所得金額が38万円以下なら、扶養親族となります。

この場合の「所得」とは、実際に得た収入金額とは一致しません。税法上での所得とは、収入から所得控除などの必要経費を差し引きした金額を指すからです。必要経費は、所得の種類別によって異なります。

1.パート・アルバイトの場合「年収103万円以下」
パート・アルバイトは、提供した労働の対価として給与を支払われる労働者のことです。

給与所得は、「収入 - 給与所得控除額(最低ライン65万円)」で求められるため、年収が103万円以下の場合は、「103万円 - 65万円 = 38万円」により、38万円以下となり、合計所得金額38万円以下の条件を満たします。

※平成30年度改正により、平成33年分以降の所得税における配偶者の合計所得金額が38万円から48万円に引上げられます。ただし一方で、給与所得控除は65万円から55万円に引き下がるので給与収入換算は55万円+48万円=103万円と変わりません。

2.年金受給者の場合「65歳を境に計算法が異なる」
ここでいう年金とは、国民年金・厚生年金などの公的年金等をいいます。

公的年金等を受給した場合の所得金額は、「年金の受給額 - 公的年金等控除額」で求められますが、公的年金等控除額の最低額は、以下のように65歳を境にして異なります。

・65歳以上 ・・・ 120万円
・65歳未満 ・・・ 70万円

この金額に38万円を加えた金額が、扶養控除を受けることができる年金受給額のボーダーラインとなるため扶養している親族の収入が年金しかない場合に、年金額が158万円以下の65歳以上または年金額が108万円以下の65歳未満であれば、扶養控除が受けられます。

年末調整での扶養控除額

年末調整で納税者の所得から控除される扶養控除額は、対象となる扶養親族により以下のように異なります。

・特定扶養親族(19歳以上23歳未満) ・・・ 63万円
・老人扶養親族(70歳以上) ・・・ 同居58万円、別居48万円
・上記以外の一般の控除対象扶養親族 ・・・ 38万円

まとめ

扶養親族の範囲を示す親等は、血族か姻族かでそれぞれ異なります。また、必ずしも同居である必要はないため、この点は誤解の無いようにしておきましょう。

扶養親族の対象となるかを判断するための合計所得金額は、年齢等に関係なく「38万円」ですが、実際の扶養控除額はその扶養親族により異なるので、とくに年末調整の際にはこちらも注意が必要です。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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