• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年9月4日
  • 年末調整

年末調整と転職者の関係

年末調整と転職者の関係

年末調整と転職者の関係

会社で働く場合に受け取る給与や報酬は、源泉徴収として所得税が前もって天引きされています。

しかし、各納税者の最終的な所得税額が決定すると、払いすぎた分や不足分を調整しなければなりません。

ここでは、年末調整の対象者に加え、転職者や退職者の年末調整についてお話しします。

年末調整について

給与支払い時に天引きされる所得税は仮払いのため、納付すべき税金額は総収入額や控除額が判明する年末に精算し決定されます。これを年末調整と呼び、会社に所得税の過不足を調整してもらえるため、各納税者が個別に申告する手間が省けます。

所得控除のなかには、基礎控除や給与所得控除、(本人の)社会保険料控除など、会社側が把握しているものと、申告により控除されるものとがあります。申告により控除されるものとしては、(家族の)社会保険料や生命保険料、配偶者特別控除などがあります。

なお、申告に際しては、「扶養控除等(異動)申告書」や「生命保険料控除証明書」等、所定文書の会社への提出が必要不可欠です。

年末調整で控除できないものには、医療費や寄付金、住宅ローンなどがあります。

これらの控除を受けるには、確定申告を行う必要があります。ただし、住宅ローン控除に関しては、適用1年目に限り、納税者本人による還付申告の必要がありますが、2年目以降は「住宅取得等特別控除申告書」を会社に提出することによって年末調整で控除を受けることが可能です。

また、給与や報酬、退職金以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合や、2つ以上の雇用者による給与や報酬を受け取っている場合にも、確定申告を行うこととなります。

会社は年末調整後、源泉徴収票に給与や給与所得控除、社会保険料、生命保険料などの人的・および物的控除の金額、最終決定した所得税額を記し、(転職者を含む)社員に交付します。

年末調整の対象者とは

年末調整は、調整が行われる年末までに「扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出した者が対象者となります。

1年間を通して会社に勤めた者だけでなく、年度の途中で転職して年末まで勤務した者も年末調整の対象者となります。申告書が未提出の場合は年末調整を受けられないため、控除の適用を受けるには確定申告をしなければなりません。

また、年間の総収入額が2,000万円を超える者、および被災のために給与から天引きされるべき所得税額の猶予や還付を受けた者は、年末調整の対象外となります。

以下のような場合には、年末調整が年度の途中で行われます。

1.本人が死亡したために退職した場合
2.心身障がいを引き起こしたために退職した場合
3.日本国外の支店に1年以上にわたって転勤した場合
4.総収入が103万円以下のアルバイト社員が退職した場合
5.12月の給与が支払われた後に退職した場合

なお、1〜5にあたらない退職者は年末調整の対象者にはならないため、確定申告が必要です。

控除の対象となっている扶養親族に変更があった場合

所得税法上、扶養控除や配偶者控除を適用するかしないかは、12月31日の状況を基準に判断されます。

会社は「扶養控除等(異動)申告書」に記された社員の情報をもとに、配偶者控除や扶養控除、老年者控除、寡婦(夫)控除などを適用します。

しかし、年末調整を行った後に家族が死亡したり、子どもが生まれたりすることにより、提出した申告書の内容に変更が生じたときには、翌年最初に受け取る給与支払日の1日前までに変更事項を記載した「扶養控除等(異動)申告書」を提出すれば、年末調整のやり直しをしてもらえます。

転職者や退職金を受け取った場合の年末調整

年度の途中で転職し年末まで働いていた者は、年末調整の対象者となります。

その場合、転職前に働いていた会社で受け取った給与や報酬、所得税額を知らせるため、以前働いていた会社から交付された源泉徴収票を転職先の会社に提出しなければなりません。

また、退職してから転職先が見つかる間に国民年金、国民健康保険料を本人が支払っていた場合に、転職先の年末調整で社会保険料控除を受けるためには、それらの支払いを証明する書類を転職した会社に提出する必要があります。

なお、退職後の転職先が未定の場合には年末調整の対象者とならないため、本人による確定申告が必要です。

まとめ

「扶養控除等申告書」を会社に提出しないと、年末調整を受けられないだけでなく人的控除も適用されないため、翌年の源泉徴収税額が大幅に高くなります。

独身者や配偶者等の扶養となっている場合でも、申告書を受け取ったなら、すみやかに提出しましょう。

監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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