• 作成日 : 2015年6月3日
  • 更新日 : 2017年4月26日
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社会保険料の計算方法

社会保険料の計算方法

毎月の給与から控除される社会保険料には、健康保険や厚生年金などが含まれ、その額面は人によって異なります。

また、社会保険料には自己負担分と会社負担分があります。給与計算のなかで社会保険料はどのように計算されているのでしょうか。

収入や年齢など社会保険料を決定する基準や、その計算方法について説明します。

給与計算における社会保険料の種類とは

給与計算における社会保険料には、以下の種類があります。

1.健康保険料

会社勤めの人の場合、厚生労働大臣の許可を得て組織された組合健保あるいは、協会けんぽやから健康保険証が発行され、医療費の一部を負担します。

2.介護保険料

介護が必要になった場合に支援が受けられます。年齢が40歳以上64歳以下の公的医療保険加入者は、健康保険と合計して給与から控除され、65歳以上の方の場合、老齢年金等を1年で18万円以上受け取る場合は、年金より控除されます。

3.厚生年金保険料

年金支給対象の年齢(平成27年現在は60歳以上)になったときに受けられる年金です。会社法人の従業員として働いていない人は、国民年金として年金保険料を納付します。

4.雇用保険料

ハローワークで手続きをした際、失業保険や再就職手当などが受けられます。

5.労災保険料

業務中の事故やけがなどの補償に充てられます。

※1~4までの保険料は事業者と本人で負担し、5の労災保険のみ事業者が負担します。

社会保険料の負担率の計算方法について

社会保険料のなかで「健康保険」「介護保険」「厚生年金」は、収入によって毎年の標準報酬月額を算出し、「協会けんぽ」の場合は、都道府県ごとに定められた「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」にもとづいて保険料が決められます。組合の場合も、組合ごとに料額表を決めています。

以下、「協会けんぽ」の場合を例にとって説明します。
平成27年の負担率は、介護保険被保険者にあてはまらない人で健康保険料は標準報酬月額の9.97%、厚生年金保険料が17.474%です。介護保険対象の場合は介護保険料を含む健康保険料が11.55%です。いずれも会社と本人で半額ずつ負担します。

例えば、東京都在住39歳で月額報酬40万円の人の場合は下記の通りです。

健康保険料 3万9,880円(会社と本人が各1万9,940円ずつ負担)
厚生年金保険料 6万9,896円(会社と本人が各3万4,948円ずつ負担)

厚生年金保険料料率については、法改正により平成29年9月まで、最終18.3%になるまで、毎年段階的に上がることになっています。

(参照:平成27年度4月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|協会けんぽ

平成27年度の「雇用保険料」は、一般の事業の場合、労働者の負担割合が千分の5、事業者の負担割合が千分の8.5となっています。

また、農林水産・清酒製造の事業はそれぞれ1,000分の6、1,000分の9.5、建設の事業の場合は、1,000分の6、1,000分の10.5となっています。

平成27年度雇用保険料率表

「労災保険料」は事業の種類によって労災保険料率が変わりますが、どの業種でも全て企業負担になります。卸売業・小売業、飲食店または宿泊業では平成24年4月に改定され、1,000分の3.5となっています。

標準報酬月額の算出方法

社会保険料の計算方法の基準になる「標準報酬月額」は、どうやって決められるのでしょうか。

標準報酬月額とは、その人の報酬月額を等級であらわして保険料を決めるための基準の報酬月額です。毎月決まった給与支給額なら問題ないのですが、職種によって毎月残業手当や報奨金などの支給額が変化して一定でない給与の人もいます。ある一定期間の給与等の平均金額を出すことにより、基準となる標準報酬月額を決定します。

しかし、年間の集計だと遅くなってしまうため、一般的な年度初めの4月~6月の3カ月間の平均をその年の標準報酬月額として算出します。

標準報酬月額に含まれるもの

・賃金や給与
・各種手当(役職者手当、残業手当、、単身手当など)
・通勤費

このほかにも、働いた手当として支給されるものはすべて対象となります。ただし、昇格や引越など固定で支給される金額が増えて、4月~6月の給与等の平均で決まった標準報酬月額から2等級以上の差が出た場合は、「被保険者報酬月額変更届」を提出しなければなりません。

4月~6月の内1カ月17日以上勤務日がある報酬額が対象です。また、病気やけがなどで4月~6月の内に1カ月17日未満の勤務日数の場合、17日以上の2カ月の平均金額で算定します。標準報酬月額を算出し、毎年7月に届出を日本年金機構に提出します。決定通知が事業所へ送られ、その年の9月から翌年の8月まで使用します。

賞与の扱い

賞与に対しても標準賞与額にもとづいて社会保険料の納付が必要です。計算料率は毎月の保険料と同一です。賞与の支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」を提出します。

「協会けんぽ」を除く組合保険の方は、料率や基準等については、各組合へ問い合わせいただくかあるいはホームページで自分の保険料を確認できます。

給与計算における社会保険料の計算方法の注意点

給与計算において、年度初めは給与明細の設定変更が多い時期です。標準報酬月額は4月~6月の給与を元に計算され、労使共の1年間の社会保険料を左右するため、給与や手当などには注意が必要です。

算定基準時期と繁忙期が重なって残業が多くなる場合や、他の月に比べて高額な歩合給を支給したりしてしまうと標準報酬の対象となり、その後1年間の保険料が高くなります。例えば、年収が同じでも、4月~6月に残業が多かった人と、逆にその時期以外の月で残業を多くした人では、社会保険料が違うといえます。

したがって、一時的な支給額の上昇を避け、1年を通して支給額に応じた負担ができるような給与計算方法を考えることも必要です。

まとめ

給与計算において、社会保険料の計算は面倒なものです。しかし、一度コツを押さえてしまえば、計算や届け出方法はいつも同じです。厚生年金のように毎年料率が変わるものや固定給の変化などに気を付けて、効率よく給与計算を行いきましょう。