• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年9月28日
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年末調整と専業主婦の関係

年末調整と専業主婦の関係

専業主婦とは、就業せず、家事や子育てなどに専念する既婚女性をいいます。基本的には、専業主婦は収入を得る仕事に就いていないため、税務上の収入はないとみなされ、年末調整での配偶者控除や扶養控除の対象になります。

パートやアルバイトなどをしている場合でも、一定の要件を満たせば、これらの所得控除を受けることは可能です。

ここでは、家族に専業主婦がいる場合の年末調整のポイントについて解説します。

専業主婦と配偶者控除

納税者の妻が専業主婦の場合、「配偶者控除」として、年末調整において一定の所得控除を受けることができます。その要件は以下のとおりです。

・配偶者であること(内縁の場合は当てはまりません)

・納税者本人と生計を同じくしていること

・年間の所得金額の合計が38万円以下であること
配偶者がパートやアルバイトなどで収入がある場合は、給与収入を103万円以内におさめる必要があります。これは給与所得控除額が65万円だからです。
給与収入が103万円から控除される65万円を引くと、合計所得金額が38万円になります。また、給与収入以外に、不動産所得や譲渡所得があっても、年間の合計所得金額が38万円以下なら、配偶者控除を受けることができます。

・青色申告者の事業専従者として、その年は一度も給与をもらっていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者控除の控除額について

年末調整における配偶者控除額は、控除の対象となる配偶者の年齢が70歳以下の場合は38万円、70歳以上の場合は48万円と定められています。

さらに、配偶者が障がいを持っていて、税法上の障がい者として認められる場合は、配偶者控除に加えて障害者控除27万円を受けることができます。(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)

配偶者特別控除について

配偶者の所得が38万円以上だと、配偶者控除の対象からは外れてしまいますが、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下である方については配偶者特別控除を受けることができます。配偶者特別控除額は、配偶者の合計所得によって変動しますが、最高で38万円です。

扶養控除について

家族に控除対象となる扶養親族がいる場合は、「扶養控除」の対象となり、年末調整で一定の所得控除が受けられます。

その要件は以下のとおりです。

・配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、または都道府県から養育を委託された児童や市町村から養護を委託された高齢者であること
・納税者本人と生計を共にしていること
・年間の所得金額の合計が38万円以下であること(パートやアルバイトなどで給与収入がある場合は、給与収入が103万円以下であること)
・青色申告者の事業専従者として、その年は一度も給与をもらっていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
・上記の4つの要件を満たす扶養親族のうち、16歳以上であること

(参照:No.1180 扶養控除|所得税|国税庁

扶養控除の額について

年末調整における扶養控除額は、扶養親族の年齢や同居しているかどうかでも、変動します。

具体的には、以下の通りです。

・一般の控除対象扶養親族の場合は38万円
・控除対象扶養親族のうち、年齢が19歳以上23歳未満の場合は63万円
・控除対象扶養親族のうち、年齢が70歳以上で、同居の場合は58万円
・控除対象扶養親族のうち、年齢が70歳以上で、同居していない場合は48万円

年齢が70歳以上の控除対象となる扶養親族が、病気治療で入院している場合は、長期であっても「同居」と認められます。一方、老人ホームなどへ入居している場合は、その老人ホームに住んでいるとみなされます

配偶者の生命保険料の支払いがある場合

妻が専業主婦の場合、妻が契約している生命保険料を、妻の銀行口座から引き落としているケースもあるでしょう。

妻が収入を得ていないとしたら、実質上は、生命保険料を負担しているのは夫のわけですから、夫の生命保険料控除の対象としても良いのでしょうか?

年末調整において生命保険料控除を受けるために重要なことは生命保険料を支払ったのが誰かということで、生命保険の契約者が誰かは関係ありません。そのため、収入がない妻のかわりに夫が支払いをしているかぎり、契約者が妻であったとしても、生命保険控除を受けることができます。

ただし、控除には限度額があるので、よく確認してください。

まとめ

このように、親族に扶養対象者等がいる場合、年末調整において配偶者控除や扶養控除などの所得控除を受けられる可能性があります。配偶者の収入の有無やその金額などを事前に確認し、正しく年末調整を行いましょう。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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