• 作成日 : 2016年3月31日
  • 更新日 : 2018年8月21日
  • 年末調整

年末調整の対象者とは

年末調整の対象者となる場合と対象とならない場合は、それぞれどのような点で異なるのでしょうか。

年末調整の対象者と対象とならない場合を、それぞれ事例を挙げて解説します。

年末調整の対象者

年末調整には、

・12月に行う年末調整
・年の途中で行う年末調整

の2種類があります。

12月に行う年末調整の対象者は、原則として企業に在籍しているすべての従業員です。しかし例外として給与所得が2,000万円を超える従業員は年末調整の対象とはならないため、個別に確定申告を行う必要があります。

また以下の条件に1つでも該当する場合は、年の途中で行う年末調整の対象者となります。

1. 海外支店等に転勤したことにより非居住者となった人
2. 死亡によって退職した人
3. 著しい心身の障害のために退職した人
(退職した後に再就職をし、給与を受け取る見込みのある人は除きます。)
4. 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
5. いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人
(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)

(参考:年末調整の対象となる人|国税庁HP

1の非居住者についてですが、年末調整を行う対象者の条件として国内に居住している必要があるため、海外支店等に転勤となった場合は出国するまでに年末調整を行う必要があります。

出国後は相手国の租税条約に基づき課税されることになるため、出国前に年末調整を行うことによって二重課税を防止していることになります。

ただし1年未満の海外支店勤務予定の場合は居住者として判定されるため、出国の時点で年末調整をする必要はありません。しかし1年未満の海外勤務が1年以上になることになった場合は、人事通達日などその事実が明らかになった日を以て非居住者と判定されるため、その時点で年末調整を行うことになります。

上記の反対の例として、1年以上の海外勤務として出国の日までに年末調整をしたが、社会情勢などの事情により1年未満の海外勤務として帰国した場合は、出国の日までに年末調整をした分と、帰国から12月31日までに支払った給与を合計して年末調整のやり直しを行うことになります。

2から5は様々な理由により退職した場合となりますが、退職日から12月31日まで再就職する可能性が極めて低いことが条件となります。

しかし退職した後に給与による支払いがなかったとしても、株式売買による譲渡所得や家賃収入などによる不動産所得を得るなど給与収入以外の合計所得が20万円以上生じた場合は、年末調整済の源泉徴収票と合わせて確定申告することになります。

年末調整の対象とならない人

年末調整の対象とならない人は、原則としてその年の12月31日に企業に在籍していない従業員(=退職した従業員)となります。しかしその年の12月31日に在籍している従業員であったとしても、給与所得が2,000万円を超える場合は年末調整の対象とはなりません。

ただし年の途中で転職した場合は、転職先の会社において12月31日時点で在籍している従業員となるため、年末調整の対象となります。

つまり、

転職前の会社:年末調整の対象とはならない
転職後の会社:年末調整の対象者となる

ということになります。

たとえば学校を卒業する前に働いていたアルバイト先を3月31日で退社し、4月1日から正社員となり引き続き12月31日まで勤務している場合は、正社員として在籍している会社の年末調整対象者となり、アルバイト先の会社では年末調整の対象とはなりません。

また2か所以上から給与を受け取っている場合は、複数の勤務先のうち1か所でしか年末調整を受けることができないため、メインの勤務先以外から受ける給与については年末調整の対象とすることができません。

年末調整を受けなかった給与は、所得税を多く納め過ぎていることが考えられるため、確定申告することによって納め過ぎた税金を取り戻すことができます。

まとめ

年末調整には12月に行うものと年度途中で行うものと2種類に分かれているだけでなく、給与収入2,000万円までという条件や非居住者は年末調整対象外となるといった例外規定があるため、対象者であるかどうか判断が難しいケースが考えられます。

しかし12月31日に在籍しているかどうかという判断基準があれば、ほとんどの問題を解決することができます。これらの事例を参考に、年末調整の対象者となるかどうか判断してみましょう。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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