• 作成日 : 2015年9月3日
  • 更新日 : 2018年9月13日
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社会保険の出産手当金とは

社会保険の出産手当金とは

pregnant woman

社会保険の出産手当金は、被保険者が出産により休職した際に、休職期間の生活保障のために支給されるものです。

出産という行為に対する手当金のため、社会保険に加入していればシングルマザーなどの婚姻外での出産でも支給されます。

なお、ここで言う「社会保険」とはいわゆる「社保」のことで、会社員などが加入している保険です。
国民年金保険をはじめとする公的年金・保険という意味合いでの「社会保険」とは内容が違いますので、混同しないようにしてください。

支給要件・期間

出産手当金は、社会保険(健康保険)の加入者が出産したときに、出産日以前42日(多胎妊娠では98日)から出産日後56日までの間で、仕事をしなかった期間に支給されます。

社会保険による出産手当金の支給に関して、以下のような注意点があります。

1.出産日当日は「産前」扱いです。

そのため、出産が予定日より遅れた場合は、遅れた日数に対しても出産手当金が支給されます。

例えば、出産予定日の42日前から出産休暇を取った被保険者の出産日が予定日より「5日遅れた」場合、出産日以前の出産手当金の支給日数は、47日(42日+5日)になります。

2.出産手当金は、終日、会社で仕事をしなかった日について支給対象となります。

傷病手当金と異なり、出産手当金の受給は「労務不能」の条件はありません。そのため、自宅で炊事洗濯等の家事作業を行っていても支給が停止されることはありません。

3.仕事で休んでいる期間中に「公休日」がある場合も、出産手当金は支給されます。

支給額

仕事をしなかった日1日につき、「支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額」を30日で割った額の3分の2にあたる金額が支給されます。
これは、傷病手当金と同額です。

なお、出産時に社会保険の被保険者が報酬を受けている場合の出産手当金の額は、以下のとおりです。

・報酬額が出産手当金額より高額の場合
出産手当金は支給されません。

・報酬額が出産手当金額より少額の場合
差額分の出産手当金が支給されます。

提出までの流れ

出産手当金の支給を受けるためには、「健康保険出産手当金支給申請書」の提出が必要です。

・提出先
管轄の協会けんぽ・健康保険組合

・提出期限
2年以内

・確認書類
初回の申請時には、被保険者が仕事をしていない証明となる賃金台帳・出勤簿(コピー可)が必要です。

なお、出産前に出産手当金の請求を行う場合は、支給申請書において事業主の証明、医師もしくは助産師による意見書が必要です。

この場合は、産後分の請求時に再び医師記載の意見書を提出する必要があります。

資格喪失後における出産手当金の継続給付

健康保険の被保険者資格喪失後であっても、以下の要件を満たす場合は出産手当金の支給を受けることが可能です。

1.資格喪失日の前日までに、1年以上にわたり継続して被保険者であった場合
日雇特例被保険者、任意継続被保険者等であった期間は含みません。

継続期間中は同一の保険者である必要はなく、また、法律上で被保険者としての資格が継続している場合には、資格の取得や喪失があっても「継続」とみなされます。

2.資格喪失時に出産手当金の支給を受けている又は受ける条件を満たしている場合
資格喪失時に出産手当金の支給要件を満たしているものの、報酬があったため調整され、支給が停止されていた場合についても対象となります。

出産手当金・傷病手当金の支給が重なる場合

従来は社会保険から出産手当金と傷病手当金、どちらも支給を受けられる場合は、出産手当金が優先して支給されていました。あくまでも生活保障が目的のため、両方の支給を一度に受けることはできませんでした。

平成28年4月1日以降出産手当金を支給する場合、その期間内は傷病手当金は支給されませんが、その出産手当金の額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給されることとなりました。

併せて、出産手当金の支給前に傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は出産手当金の内払とみなすことになりました。

まとめ

社会保険の出産手当金は休職しても「支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額」を30日で割った額の3分の2の額が支給されるため、経済的な負担がかかる出産において重要な役割を果たしています。

予定日より遅れて出産した場合でも、遅れた期間を含めて保障されるため、金銭的な心配をせず出産に臨むことができます。

万が一、提出を忘れていても、提出期限が2年以内と長く、退職後も支給される可能性があるため、支給要件の再確認が大切です。

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監修:川本 祐介 (社会保険労務士)

税理士法人ゆびすい
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