- 更新日 : 2025年11月15日
3K労働とは?新3Kや6Kについても正しい意味を解説!
3K労働とは、「きつい、汚い、危険」の頭文字から作られた言葉で、主に若い労働者が敬遠する「労働条件が厳しい職業」のことを言います。
3K労働のイメージによる人員不足で、最近は多くの外国人労働者が3Kの仕事に就いているのを目にします。この記事では、3K労働、新3Kや6Kの意味、建設業界での新3Kの取り組みについて解説します。
目次
3K労働とは?
3K労働とは、「きつい、汚い、危険」な仕事の頭文字「K」の3つから作られた言葉です。主に若い労働者が敬遠する「労働条件が厳しい職業」のことを「3K労働」と呼んでいます。
3K労働とはどのような仕事のことを指しているのか、実際に働きやすい職場ではないのか、3K労働には本当に外国人労働者が多いのか、について見ていきます。
3K労働は社会インフラを担う大事な仕事
3Kと言われる具体的な職種としては、土木・建築作業員、清掃員、看護師、介護士などが該当します。「きつい、汚い、危険な」仕事だと言われると、なるべくなら避けたいと考える人も少なくないため、どうしても人手不足になってしまいます。
ただし、これらの職種はどれも、このまま人手不足が進んでしまうと私たちの生活に支障をきたす職種ばかりです。3K労働は、厳しい労働環境だというイメージがあって求職者からは敬遠されがちですが、人々の暮らしを支えるためのインフラを担っている大事な仕事なのです。
勤務体制や待遇によっては働きやすい職場に
3K労働は厳しい労働環境下で行う仕事だというイメージがありますが、その労働環境、すなわち、勤務体制や待遇などを見直すことによって改善できる方法があるでしょう。
例えば、処遇について、給与体系や労働時間、休日、働くことによって希望を持てる仕事にすることによって、少しでも働きやすい職場に変更していくことができるのです。
3K労働には外国人労働者が多い?
3K労働に従事する日本人の労働者が増えない昨今の状況では、外国人の労働者を積極的に受け入れて、人員不足を解消するような動きも出てきています。たしかに、コンビニエンスストアや飲食店、工事現場などで外国人の労働者を見かけることが多くなっています。
政府も外国人労働者を積極的に受け入れていくことを推進していくと言っていますので、今後も外国人労働者が増えていくことが予想されます。しかし、外国人とは文化や言語が異なるため、仕事の進め方などでトラブルになりやすいことも考えられます。
外国人労働者に対する教育・研修で理解を深めてもらい、コミュニケーションを取りながらうまくやっていくことが必要です。
新3Kや6Kとは?
これまで見てきた「3K」以外にも、最近は「新3K」や「6K」という言葉も出てきています。それらについて、どのようなものなのか見ていきましょう。
新3Kとは
新3Kは、主に事務職や販売職などのホワイトカラーに対して使用される言葉です。「帰れない、厳しい、給料が安い」仕事の頭文字「K」の3つから新3Kと言われ、これまで見てきた「きつい、汚い、危険」な仕事の3つの頭文字「K」の3Kになぞらえて表現されています。
6Kとは
6Kは、従来の3K「きつい、汚い、危険」に新3K「帰れない、厳しい、給料が安い」をプラスした仕事のことを指します。6Kも一般的に負担が大きい仕事のことを言い、土木・建築作業員、清掃員、看護師、介護士が代表的な職種になります。
これらの仕事は、体力的にもつらく、精神的にも負担の大きい仕事であるうえに、給料や休日(休暇)といった処遇の面でも厳しいことが多いのです。
新3Kについて国土交通省が掲げる意味
建設業についてではありますが、国土交通省が新3Kを改善するための取り組みを行っています。ここからは、建設業の新3K「給与、休暇、希望」についての取り組みを紹介します。
給与に関する取り組み
給与面の改善を行うための取り組みとして「労務費見積り尊重宣言」促進モデル工事を発注しています。この宣言の趣旨は、「下請け企業に適切な労務賃金を反映させた見積りを提出」させ、「元請け企業がこの見積りを尊重して請負代金を支払う」ことを促進することです。
この取り組みを尊重する元請け企業に対して、総合評価や成績評定において優位に評価することにより、下請け企業の労働者の給与アップにつなげる考えです。
このほかにも、CCUS(建設キャリアアップシステム)の活用を義務化、または活用を推奨するモデル工事を発注しています。CCUSを活用した評価項目の導入により、技術者の能力評価を「見える化」し、技能や経験に応じた労務費を見積ることなどに向けた取り組みを進めて、賃金の上昇につなげていく考えです。
参考:労務費見積り尊重宣言|一般社団法人日本建設業連合会
建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ|国土交通省
休日に関する取り組み
労働者の週休2日を確保する取り組みとして、週休2日を確保できるような工期の設定や労務費等の補正を実施する「週休2日対象工事」の取り組みを行っています。
2024年4月から適用される時間外労働に対する上限規制を控え、計画的な労働環境の整備に取り組んでいます。また、2020年3月には、適正な工期を設定するための指針を策定し、公表しています。
取り組みの内容は、全体の工期に、施行に必要な実日数のほか、準備期間、不稼働日、後片付け期間を考慮すること、余裕期間制度の活用、受発注者間での工事の工程の共有を行うことなどです。
希望に関する取り組み
建設業で働くことに希望が持てるような取り組みを行っています。まず、建設現場の生産性を向上させるために、i-Constructionを推進しています。これは、調査・測量・設計・施工・維持管理までのプロセスにおいてICT等を活用し、建設現場の生産性向上を図る取り組みです。
また、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の改正を踏まえて、中長期的な工事発注の見通しが作成・公表されました。ほかにも、建設業界をリブランディングするために、魅力ややりがいなどについての提言が取りまとめられています。
参考:i-Construction推進コンソーシアム|国土交通省
建設産業・不動産業:「公共工事の品質確保に関する法律の一部を改正する法律」について|国土交通省
労働者が敬遠する3K労働を改善していきましょう
3K労働は厳しい労働環境下で行う大変な仕事だというイメージがありますが、その反面、やりがいがあって、社会への貢献度が高い仕事でもあります。土木・建築業界でも、国が処遇を見直すなどして、働きやすい職場に改善する取り組みを行っています。このような取り組みが進めば、働きやすい職種に変わることが期待できるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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