役員報酬の決め方の注意点と知っておくべき3つの制度

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例えばあなたが起業した場合、自らが経営者となり、会社の役員となります。特にこれまで会社員だった方は、自分の適正なお給料はいくらにすれば良いのだろうか?と悩んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。

また、役員報酬は社長の一存で決めることができてしまうため、無制限に損金算入(経費処理)を認めてしまうと、自社の法人税額をゼロにしたりといった、会社の利益操作が可能となってしまいます。

法人税法では、そういった「役員報酬の決め方」について決まりがあり、それに基づいて決定する必要があります。

ここでは具体的に、役員報酬の決め方について重要な点をみていきましょう。

役員報酬を損金算入するために、理解しておきたい3つの制度

Photo by 401(K) 2012

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役員報酬を語る上で欠かせないのが「損金」という単語。これは、税法上での「費用」という意味です。従って、損金算入とは、税法上、必要な費用として処理することができるという意味となります。

それでは、損金算入するためにはどのような要件が必要となるのでしょうか?法人税法では損金算入できる役員報酬について、大きく3つ定められています。

1. 定期同額給与

簡単に説明しますと、毎月同じ額を役員に報酬として支払い、会計上費用として処理すれば、税務上も費用として認めるというものです。

注意するポイントは、毎月同じ金額を計上するということです。先月は売上が好調だったから、10万円の役員報酬にしたけど、今月はいまいちだったから5万円にしよう、などということはできません。

3月決算の会社であれば、例えば4月から3月まで毎月同じ額を役員報酬として支払い、記帳していきます。

とはいえ、期中に業績が急速に悪化し、どうしても役員の報酬を下げなければ、会社の経営が圧迫されるという状況はよくある話で、このような場合には役員報酬を減額して、その減額した金額を決算日まで毎月計上すれば1年間定期同額の役員報酬が支払われたと法人税法上認めてもらえます。

例を挙げれば、4月から9月までは好調で毎月10万円を支給していたが、不祥事により急きょ経営が著しく悪化してしまい、10月から3月までは毎月5万円を支給したような場合に、法人税法上も損金として認めてもらえます。

ここでのポイントは、10月から役員報酬を減額することを決定した証拠として株主総会議事録や取締役会議事録を作成しておくことです。

後になって税務調査が入っても、役員報酬が適切な会議体の決定を経て決められたことを経営者が税務署に主張できる材料となるからです。

なお、当期が終わり翌期になれば株主総会での決議で、この新しい期に支払う役員報酬の額を決定することができます。

基本的には期首から3か月以内に毎月の報酬を決定します。決定した額をまた1年間(少なくとも期末までは)毎月支払って記帳していくことになります。

2. 事前確定届出給与

事前に税務署にこの日にいくら支払います、という内容を届け出ておいて、その届出の通りに役員報酬の支払と記帳が行われれば、税務上も損金として認めますというものです。

この制度を利用するポイントは、届け出た通りの日に届け出た金額を必ず支給するという点です。

例えば、12月10日に役員Aに100万円支払うと税務署に届け出たにもかかわらず、届出日から12月10日までの間に業績が悪化し、50万円しか払えなくなったとします。

この場合、会社が50万円支払っても損金算入はできません。あくまでも12月10日に100万円支給しなければ税務上は認めてもらえませんので、注意が必要です。

3.利益連動給与

これは主に上場企業が該当しますが、あらかじめ役員報酬の算定基礎となる指標等を有価証券報告書などに記載しておき、算定基礎に基づき役員に支払った場合に、損金算入を認めるという制度です。

役員報酬を決める際の注意点

Photo by Chris Potter

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ここまで、役員報酬の決め方に関する制度が3つあるという点について述べてきました。もちろん併用は可能ですが、一般的にはその中でも定期同額給与が多く採用されています。ここでは定期同額給与を前提として話を進めていきます。

1年間の売上予測に基づき算出する

一度決めた役員報酬の金額は、基本的に1年間(少なくとも期末まで)は変えられませんので、この1年間(少なくとも期末まで)の売上がどれくらいで、その他に原価や経費がどれくらい発生するのかを試算します。

その結果、役員報酬として年間で〇〇円確保できるから、1か月あたりは12等分して〇〇円になる、という決め方が一般的ではないでしょうか。

当然、役員報酬は毎月これくらいもらいたいので、ということを先に決めて、そうであれば売上をどれくらい上げなければならないかということを考えるのも方法としてはあります。しかし、現実的には絵に描いた餅になり、厳しい結果が予想されることもあり得ます。

やはり、まずは厳しめの売上予測を立てて、そこから実際に確保できる役員報酬を算定する決め方が無難といえます。

年度途中での金額の変更を避ける

ここまででも説明してきましたが、定期同額給与の制度を利用するときに最も注意すべきは、「毎月同じ金額を支給し記帳する」ということに尽きます。安易に額を上げ下げすることはできません。

冒頭でも述べたとおり、役員報酬が経営者の一存で決定できるため、自由な金額設定を認めると利益操作が可能となるためです。

まとめ

これまでに述べたポイントを守れば、役員報酬の決め方は必要以上に税法を気にすることなく決定できるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、役員報酬の決め方で大切なのは以下の3点を抑えておくことです。

1. 毎月同じ金額を1年間支給し記帳すること
2. 金額を変更するときは翌期に入って3か月以内に株主総会(または取締役会)で決定すること
3. 著しい業績悪化で報酬をやむを得ず減額したりする場合はきちんと議事録を残すこと

ぜひ、参考にしてみてください。

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監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
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