- 更新日 : 2026年1月13日
給与計算は社労士に依頼すべき?メリットや報酬相場、税理士との違いも!【無料テンプレートつき】
給与計算は社労士に依頼することで、法令遵守と業務効率化が図れます。ただし、税務関連の一部業務は税理士の専門範囲となるため、依頼内容には注意が必要です。
本記事では、社労士に給与計算を依頼できるかどうかや依頼するメリット・デメリットをはじめ、報酬相場、税理士との違いまで詳しく解説します。
目次
給与計算は社労士に依頼できる
給与計算は、社会保険労務士(以下社労士)に依頼が可能です。社労士は労務管理や社会保険に関する専門知識を持ち、給与計算を含むさまざまな業務をサポートします。
給与計算を社労士に依頼することで、企業は業務効率化と法令遵守を図れるでしょう。ただし、依頼にあたっては注意点もあります。
社労士と税理士の業務内容の違い
社労士と税理士は、それぞれ専門分野が異なります。社労士は主に社会保険や労務管理に関する業務を担当し、就業規則の策定や社会保険手続き、労働環境の改善などに携わります。
一方税理士は、税金申告や税務相談、会計帳簿の作成などを担う会計や税務の専門家です。このため、給与計算においても、それぞれの専門性に基づいた役割分担が求められ、給与計算における一部業務は社労士ではなく税理士に依頼しなければなりません。
給与計算を依頼すると違法になるケース
給与計算を社労士や税理士に依頼すること自体は、違法ではありません。どちらも国家資格を持つ専門家であり、給与計算業務そのものには特定の資格が必要ないためです。ただし、それぞれに独占業務があり、給与計算に関連する業務の内容によっては依頼できるもの、できないものがあります。
年末調整や源泉徴収票の作成など、税務関連業務は税理士の独占業務です。そのため、税務関連業務を社労士が行うと違法になる可能性が否定できません。また、社会保険関連、労務関連の手続きは社労士の独占業務であるため、こうした手続きを税理士に依頼することは違法です。
企業は依頼する内容を明確にし、それぞれの専門家の役割を理解して適切に依頼することが求められます。
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給与計算を社労士に依頼するメリット
給与計算を社労士に依頼すると、業務の効率化や法令遵守などの多くのメリットが得られます。以下で、詳しく見ていきましょう。
専門家に給与計算を任せられる
社労士は労務管理や社会保険に関する専門家であり、給与計算の中でも社会保険料控除などに関する複雑な部分の知識が豊富です。
社会保険料や残業代の計算などは法律に基づく細かな処理が求められるため、専門家である社労士に依頼することは企業にとって安心感につながるでしょう。また効率も上がるため、その分の内部リソースをほかの業務で有効活用できます。
給与計算にかかる負担を軽減できる
給与計算は時間と労力を要する業務であり、特に従業員数が多い企業ではその負担が大きくなりがちです。
給与計算を社労士に依頼することで、担当者の身体的・心理的負担の負担は大幅に軽減するでしょう。また、給与計算業務によって担当者に残業が発生していた場合は、社労士への依頼によって残業代の削減につながる可能性もあります。
最新の法改正にも対応できる
給与計算に関連する法律や規制は頻繁に改正され、その都度対応が求められます。社労士は常に専門分野の最新の法改正情報を把握しており、それに基づいて適切な給与計算ができるのは大きなメリットといえます。
企業は法令違反のリスクを抑えられると同時に、安心して事業運営を続けられるでしょう。法改正への迅速な対応は、企業の信頼性向上にも貢献が期待できます。
給与計算を社労士に依頼するデメリット
給与計算を社労士に依頼することには多くのメリットがありますが、注意するべきデメリットも存在します。
デメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
外注コストがかかる
社労士に給与計算を依頼すると、外注コストが発生します。特に予算規模が小さい中小企業にとっては、外注費用が経営に与える影響を慎重に検討する必要があるかもしれません。
外注によって得られる時間的な余裕や業務効率化のメリットと比較し、費用対効果をしっかりと評価することが求められます。また、外部委託によるコストが継続的に発生するため、契約内容を詳細に確認し、必要に応じて見直しを行うことも考慮するべきでしょう。
自社に給与計算のノウハウが蓄積できない
給与計算を外部の専門家に委託すると、業務負担は減る一方で自社内でのノウハウ蓄積が難しくなるデメリットがあります。
給与計算に関する事項、特に社労士の専門分野である社会保険関連に対応できる人材が育たないことは、予算などで社労士に給与計算を依頼できないとなったとき問題視される可能性が否定できません。
年末調整は別に税理士へ依頼する必要がある
給与計算を社労士に依頼する場合でも、年末調整については税理士に依頼する必要があります。年末調整は税務に関わる業務で所得税の確定や源泉徴収額の精算を行うものであり、税理士の専門領域に該当するためです。
年末調整で必要な給与所得の所得金額を計算するには、まず基本給や手当、賞与など、その年に支払われたすべての金額を含んだ年間の給与収入を確認しましょう。次に、この年間給与収入から「給与所得控除額」を差し引きます。給与所得控除額は、収入金額に応じて異なるため、国税庁が定める控除率表を使用して計算します。
そのうえで源泉徴収された所得税額と実際の税額額の差額を算出し、過不足分を調整する作業が年末調整です。年末調整は所得税法に関連する業務であるため、社労士ではなく税理士に依頼しなければならないのです。
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給与計算を社労士に依頼する場合の報酬相場
社労士による給与計算の報酬は、基本料金に従業員数一人当たりの単価×人数分を足した形が一般的です。基本料金は月額1万円~3万円程度、従業員1人あたり500円~1,500円の追加料金が発生します。このため、従業員数が多いほど総額は高くなります。
ただしあくまでもこの金額は目安です。なお、かつては報酬規程があり都道府県ごとに一律の金額が設定されていましたが、2003年の廃止後は地域や事務所などによって費用相場は異なります。
給与計算を社労士に依頼する手順・流れ
社労士に給与計算を依頼する基本的な流れは、以下のとおりです。
- 相談・打ち合わせ:社労士事務所へ連絡し、相談内容や条件について打ち合わせる
- 情報提供:依頼に際して必要な情報(従業員データ、業務内容など)を提供
- 契約締結:見積もり内容を確認し契約締結、その後本格的な業務開始
- フィードバック:必要であれば結果についてフィードバックし、改善点などを協議
メリット・デメリットを考慮してベストな選択を
給与計算を社労士に依頼することで、専門知識を活用した法令遵守や業務効率化が期待できますが、外注コストや年末調整を別途税理士に依頼する必要がある点も考慮が必要です。
報酬相場や依頼手順を理解し、自社の状況に合った方法を選択することが求められます。費用対効果やメリットとデメリットを踏まえ、社労士への依頼を含めて適切な給与計算の手法を選びましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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