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  • 作成日 : 2019年10月15日
  • 更新日 : 2020年10月7日

会計帳簿とは?種類、付け方、書かない場合のデメリット等を解説

会計帳簿を付けたいけれど、主要簿、補助簿など種類がたくさんあって、違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか? 会計帳簿は、期末に決算書を作るために必要になる、大切なものです。
本記事では、経理業務に欠かせない会計帳簿の種類や記入の流れについて説明します。法人だけでなく個人事業主の方も、会計帳簿を付けるメリットを知っておきましょう。

会計帳簿とは

経営者であればご存知かもしれませんが、会社経営にはたくさんの義務やルールがあります。日本国内で会社を経営するからには、会社法の規定をしっかりと守らなければいけません。
そんなルールのひとつが、「会計帳簿」の記帳です。「会計帳簿」は決算書作成の基礎となるものですので、事業上の取引や資産の変化についてはすべて正確に記録することが定められています。
とはいえ、「帳簿」は複雑でわかりにくいもの。入念かつ慎重にチェックをしていても、ついつい不備が出てきてしまうこともありますよね。
そこで、今回はスタートアップからベテランまでの幅広い経営者さんに向けて、「会計帳簿」について分かりやすく解説します。この機会に「会計帳簿」の基本を再確認しておきましょう。

会計帳簿と決算書の違い

会計帳簿は、日々の取引の内容を記録するための帳簿です。一方で決算書とは、会社の財政状態を把握するための書類で、財務諸表貸借対照表損益計算書)のことを意味します。
会計帳簿を付ける最終目的は、決算書を作成することです。事業を行っている限り、期末には必ず決算書を作成しなければなりません。日々の取引を記録しておくことで、決算書をスムーズに作成できます。

会計帳簿の種類

主要簿と補助簿

会計帳簿にはさまざまな種類や目的がありますが、大きく分けると主要簿補助簿の2つに分類することができます。
主要簿は、会社の取引全体を体系的に記録・計算する帳簿で、複式簿記においては必ず作成しなければならないものです。経営状態を把握する上でも欠かせませんので、経営者であれば最低限「主要簿」のつけ方は押さえておきましょう。
一方、補助簿はその名前のとおり補助的な役割を担う帳簿で、必要に応じて作成することになります。

主要簿とは

主要簿には、次の3種類があります。

1:日記帳

日記帳には日々の取引内容を記録していきます。この帳簿のポイントは、取引日の発生順に記載していくという部分です。主要簿の中で必須のものではありませんが、他の帳簿をつける際に取引内容が整理でき、便利です。ミスを防ぐ意味でも記録するようにするとよいでしょう。

2:仕訳帳

仕訳帳は、日々の取引内容を発生順に記載し、借方・貸方に分けた上で適当な勘定科目へ仕訳していく複式の帳簿です。基本的には、仕訳帳は、取引の「日付」と「内容」と「金額」がわかるようになっています。仕訳の基本知識があれば、日記帳にもとづいて記帳していくことはさほど難しくありません。

3:総勘定元帳

総勘定元帳は、仕訳帳をもとに勘定科目ごとに分類して個別にまとめた帳簿です。売上や売掛金といった特定の項目おいて一覧性に優れています。つまり、仕訳帳がお金の流れを掴むものであるのに対して、こちらは積み上げ式に取引記録を把握するためのものだといえます。

補助簿とは

補助簿にはさまざまな種類があります。以下の1~7は補助記入帳8~11は補助元帳と呼ばれます。

1:現金出納帳

現金の入出金を記録する帳簿です。現金出納帳を見ることで、現金残高と帳簿残高が一致しているかを確認できます。

2:当座預金出納帳

当座預金の入出金を記録する帳簿です。

3:小口現金出納帳

郵送料や交通費など日常的な現金の出入りを記録する帳簿です。

4:仕入帳

いつ、誰から、何を、いくらで仕入れたかという仕入の明細を記録する帳簿です。

5:売上帳

いつ、誰に、何を、いくらで売り上げたかという売上の明細を記録する帳簿です。

6:支払手形記入帳

支払手形の増減を記録する帳簿です。

7:受取手形記入帳

受取手形の増減を記録する帳簿です。

8:商品有高帳

商品ごとの受払いと現在の在庫数・在庫原価を記入する帳簿です。

9:仕入先元帳(買掛金元帳)

仕入先元帳は買掛金元帳とも呼ばれ、仕入先ごとに取引を管理するための補助簿です。主要簿だけでは複数の取引先が入り乱れていて複雑なため、仕入先別に「取引内容」や「取引金額(仕入)」を分類して記録しておくことで、過去の取引を整理することができます。

10:得意先元帳(売掛金元帳)

得意先元帳は売掛金元帳とも呼ばれ、得意先ごとに取引を管理するための補助簿です。仕入先元帳の得意先版だと考えるとわかりやすいでしょう。得意先別の「取引内容」や「取引金額(売上)」を記録することになります。

11:固定資産台帳

固定資産ごとに、取得、減価償却、売却、除却等を管理する帳簿です。

会計帳簿の書き方・ルール

会計帳簿の付け方の基本的なルールは以下のようになりますので、流れを理解しておきましょう。
まず、領収書等を見ながら日々の取引を仕訳し、仕訳帳に記入します。次に、仕訳帳に記録された仕訳を総勘定元帳や補助簿に転記します。総勘定元帳には勘定科目ごとに記入し、補助簿についてはそれぞれ該当するものに記入します。
会計ソフトを利用する場合には、仕訳帳に入力すると、総勘定元帳や補助簿には自動的に転記されるしくみになっています。

会計帳簿を作成しないデメリット

ここまで、重要な帳簿の役割や内容について解説してきましたが、「そんなにたくさん記帳するなんて面倒くさい」と思ってしまった人もいるかもしれません。
しかし、帳簿を作成することは「ただ面倒なだけ」ではありません。正確に会計帳簿をつけておくことは、経営状態を常に正確に把握することに繋がりますし、事業を進める上でも便利なことばかりなのです。
会計帳簿を作成しない場合は、下記のようなデメリットが生まれてしまいます。

日記帳

日記帳はすべての帳簿の最も基礎となるデータです。はじめから仕訳帳をつける人も少なくありませんが、日記帳で「生の数字」を残しておかないと、記帳ミスがあった際に気づくことができません。

仕訳帳および総勘定元帳

この2種類の主要簿については、作成しないと経営上のデメリットもありますが、それ以上に法律上のデメリットが大きいです。会社法で義務づけられているものなので、正確に作成しない場合には100万円以下の罰金を命じられます。(会社法976条)
法人税の申告にあたっても記帳が義務づけられているものですから、税務調査があった場合には不正経理の疑いをかけられてさらに追徴課税を受ける可能性もあるでしょう。

仕入先元帳および得意先元帳

取引先の多い事業の場合は、この2種類の補助簿を作成しておかないと取引記録が複雑になりすぎて、取引先との関係を正確に把握できなくなるリスクがあります。事業を管理しスムーズに進めるためにも、やはり作成しておきたいところです。

会計帳簿の保存期間

帳簿書類については、法人税法で7年の保存義務が定められています。ただし、会社法では会計帳簿の保存期間は10年と定められており、会社の場合には仕訳帳や総勘定元帳、各補助簿などを保存しなければなりません。会計帳簿の保存期間は10年と考えておいた方がよいでしょう。

会計帳簿閲覧請求

会社の株主には、会社の会計帳簿の閲覧や謄写(コピー)を請求する権利があります。会計帳簿を株主に閲覧させなければならないことがあるということを念頭に置き、いざというときに慌てないよう帳簿を整理しておきましょう。
なお、すべての株主が会計帳簿の閲覧を請求できるわけではなく、会社側で閲覧請求を拒否できる場合もあります。

個人事業主に会計帳簿は必要?

個人事業主でも、特に青色申告をする場合には会計帳簿が必要と言えます。青色申告で最高額の控除を受けるためには、複式簿記により帳簿付けをしなければなりません。なお、複式簿記で記帳した場合の青色申告の控除額は、令和元年分までは一律65万円でしたが、令和2年分以降は原則55万円、電子帳簿保存もしくはe-Taxによる電子申告を行った場合のみ65万円に変更されます。
青色申告でも簡易簿記の場合には控除額は10万円となるため、メリットが少なくなってしまいます。青色申告のメリットを最大限受けるためには、会計帳簿を用意して、複式簿記による記帳を行いましょう。

会計帳簿は会社経営に必須

会計帳簿をつけることは、たしかに煩わしい部分もあるでしょう。しかし帳簿は、いわば会社の「通知票」です。正確につけて賢く利用することさえできれば、経営戦略を立てる上での強い味方にもなります。
「義務だから仕方なく」といったネガティブなスタンスではなく、「会社を成長するために会計帳簿を作成しよう」というポジティブな考え方で向き合えば、煩わしさが軽減できますよ。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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