経営には避けられない会計帳簿!経営初心者必見の基本知識

会計帳簿は決算書作成の基礎になる!

経営者であればご存知かもしれませんが、会社経営にはたくさんの義務やルールがあります。日本国内で会社を経営するからには、会社法の規定をしっかりと守らなければいけません。

そんなルールのひとつが、「会計帳簿」の記帳です。「会計帳簿」は決算書作成の基礎となるものですので、事業上の取引や資産の変化についてはすべて正確に記録することが定められています。

とはいえ、「帳簿」は複雑でわかりにくいもの。入念かつ慎重にチェックをしていても、ついつい不備が出てきてしまうこともありますよね。

そこで、今回はスタートアップからベテランまでの幅広い経営者さんに向けて、「会計帳簿」について分かりやすく解説します。この機会に「会計帳簿」の基本を再確認しておきましょう。

「会計帳簿」とは

主要簿と補助簿

会計帳簿にはさまざまな種類や目的がありますが、大きく分けると主要簿補助簿の2つに分類することができます。

主要簿は、会社の取引全体を体系的に記録・計算する帳簿で、複式簿記においては必ず作成しなければならないものです。経営状態を把握する上でも欠かせませんので、経営者であれば最低限「主要簿」のつけ方は押さえておきましょう。

一方、補助簿はその名前のとおり補助的な役割を担う帳簿で、必要に応じて作成することになります。

主要簿とは

主要簿には、次の3種類があります。

1:日記帳

日記帳には日々の取引内容を記録していきます。この帳簿のポイントは、取引日の発生順に記載していくという部分です。主要簿の中で必須のものではありませんが、他の帳簿をつける際に取引内容が整理でき、便利です。ミスを防ぐ意味でも記録するようにするとよいでしょう。

2:仕訳帳

仕訳帳は、日々の取引内容を発生順に記載し、借方・貸方に分けた上で適当な勘定科目へ仕訳していく複式の帳簿です。基本的には、仕訳帳は、取引の「日付」と「内容」と「金額」がわかるようになっています。仕訳の基本知識があれば、日記帳にもとづいて記帳していくことはさほど難しくありません。

3:総勘定元帳

総勘定元帳は、仕訳帳をもとに勘定科目ごとに分類して個別にまとめた帳簿です。売上や売掛金といった特定の項目おいて一覧性に優れています。つまり、仕訳帳がお金の流れを掴むものであるのに対して、こちらは積み上げ式に取引記録を把握するためのものだといえます。

補助簿とは

補助簿にはさまざまな種類があり、現金の入出を管理する「現金出納帳」や預金の入出金を管理する「預金出納帳」、必要経費についてまとめた「経費帳」、減価償却資産や繰延資産を管理する「固定資産台帳」などがあります。

補助簿の中でも、特に重要なのは「仕入先元帳(買掛金元帳)」「得意先元帳(売掛金元帳)」の2つです。

1:仕入先元帳(買掛金元帳)

仕入先元帳は買掛金元帳とも呼ばれ、仕入先ごとに取引を管理するための補助簿です。主要簿だけでは複数の取引先が入り乱れていて複雑なため、仕入先別に「取引内容」や「取引金額(仕入)」を分類して記録しておくことで、過去の取引を整理することができます。

2:得意先元帳(売掛金元帳)

得意先元帳は売掛金元帳とも呼ばれ、得意先ごとに取引を管理するための補助簿です。仕入先元帳の得意先版だと考えるとわかりやすいでしょう。得意先別の「取引内容」や「取引金額(売上)」を記録することになります。

会計帳簿を作成しないデメリット

ここまで、重要な帳簿の役割や内容について解説してきましたが、「そんなにたくさん記帳するなんて面倒くさい」と思ってしまった人もいるかもしれません。

しかし、帳簿を作成することは「ただ面倒なだけ」ではありません。正確に会計帳簿をつけておくことは、経営状態を常に正確に把握することに繋がりますし、事業を進める上でも便利なことばかりなのです。

会計帳簿を作成しない場合は、下記のようなデメリットが生まれてしまいます。

日記帳

日記帳はすべての帳簿の最も基礎となるデータです。はじめから仕訳帳をつける人も少なくありませんが、日記帳で「生の数字」を残しておかないと、記帳ミスがあった際に気づくことができません。

仕訳帳および総勘定元帳

この2種類の主要簿については、作成しないと経営上のデメリットもありますが、それ以上に法律上のデメリットが大きいです。会社法で義務づけられているものなので、正確に作成しない場合には100万円以下の罰金を命じられます。(会社法976条)

法人税の申告にあたっても記帳が義務づけられているものですから、税務調査があった場合には不正経理の疑いをかけられてさらに追徴課税を受ける可能性もあるでしょう。

仕入先元帳および得意先元帳

取引先の多い事業の場合は、この2種類の補助簿を作成しておかないと取引記録が複雑になりすぎて、取引先との関係を正確に把握できなくなるリスクがあります。事業を管理しスムーズに進めるためにも、やはり作成しておきたいところです。

まとめ

会計帳簿をつけることは、たしかに煩わしい部分もあるでしょう。しかし帳簿は、いわば会社の「通知票」です。正確につけて賢く利用することさえできれば、経営戦略を立てる上での強い味方にもなります。

「義務だから仕方なく」といったネガティブなスタンスではなく、「会社を成長するために会計帳簿を作成しよう」というポジティブな考え方で向き合えば、煩わしさが軽減できますよ。

監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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