• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年10月31日
  • 年末調整

年末調整と住民税の関係

年末調整と住民税の関係

年末調整と住民税の関係

住民税とは、自分の住む地域を維持していくための費用を住民自身が負担するというシステムの下、設定された税金です。所得に応じて課される税のため、基本的なしくみは所得税と同じです。

市町村民税・道府県民税をあわせて、住民税と呼び、その区分は地方税に当たります。
なお、個人が納める住民税のことを、正式には「個人住民税」といいますが、これは会社が納める「法人住民税」と区別するための呼び名です。

前年分の年末調整の所得が基準

住民税に関してもっとも注意しなければいけないのは、「前年分の所得に対して課税されるものである」という点です。

給与の場合、その月に支払われた給与に応じて所得税が源泉徴収されますが、住民税はその年の1月1日時点での住所において、前年の1年間(1月1日から12月31日)の所得額を対象として課税されます。1月1日が基準とされるため、1月2日以降に引越しをしたとしても、1月1日現在の居住地での納付が必要です。

また、前年の年末調整での所得額が基準となるため、会社を退職して無収入になった場合でも、前年度分の所得を基準とした金額を納めなければなりません。

前年度の収入が多いほど住民税の金額も増加するため、高収入を得ていた人が急に退職するとなった場合は注意が必要です。

住民税の納付方法

住民税の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」の2通りがあります。
一般的に、会社で働く人は特別徴収、それ以外の人は普通徴収を利用することになります。

特別徴収

特別徴収は、本人に代わって事業主が納付する方法です。

1.毎年5月末までに、各市町村より、「特別徴収税額通知書」という各従業員が支払う住民税の一覧表が届きます(2部届くため、1部は切り離して従業員に渡します)
2.会社は、6月から天引きを始め、その次の年の5月までの1年間において従業員の給与から毎月住民税額を天引きします
3.天引きした住民税を、給与支払月の翌月10日までに、会社がまとめて各市区町村へ納付します

なお、年度の途中で新たに入社した従業員について特別徴収を行う場合は「特別徴収切替届出(依頼)書」の提出が必要です。 

従業員が年度の途中で退職した場合は翌月以降の分を徴収する必要はありませんが、特別徴収異動届を提出する必要があります。
なお、多くの市町村では、従業員が1月以降に退職した場合は「退職月から5月までの住民税」を最後の給与からまとめて徴収して納めることになります。

普通徴収

普通徴収は、個人事業主や年金生活者、退職者など、給与が支給されないために住民税の天引きができない人が対象の納付方法です。

1.毎年5月中に、各市町村より納税通知書・納付書が郵送されます
2.納付書を使い、直接役所・金融機関の窓口・コンビニなどで支払います
市町村により支払月は異なりますが、原則は6月・8月・10月・翌年1月の4期制です。
また、4期分を一括して納付することも可能です。

年末調整においての住民税額の決定方法

では、住民税額の決定はどのようになされているのでしょうか。

住民税額の決定には、年末調整が重要な役割を果たしています。

年末調整は、毎月の給与・賞与などから源泉徴収されている税額と、その年の給与などから所得税額を算出し、比較し、過不足額を精算するために行います。

各会社は、年末調整の作業とあわせて、税務署に提出する「源泉徴収票」と、従業員が1月1日時点で居住している市町村に提出する「給与支払報告書(個人別明細書)」を作成しています。

「給与支払報告書(個人別明細書)」は、「源泉徴収票」と書式が非常に似ており、一年間の支払金額の総額や給与所得控除後の金額、所得控除額の合計額、源泉徴収税額などが記載されています。

各市町村は、この「給与支払報告書(個人別明細書)」をもとに住民税額を計算し、「特別徴収税額通知書」を発行しているのです。

年末調整を行っていても確定申告が必要な場合

ただし、年末調整を行った場合でも、給与所得以外の収入がある、医療費控除を受けた、2箇所以上から給与がある、などのケースは、確定申告を行う必要があります。

この場合は、確定申告の際に税務署に提出する「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」とあわせて作成する「住民税の確定申告書」をもとに、各市町村が住民税額の計算を行います。

まとめ

住民税の金額は、前年の年末調整での所得額を基準に市町村が計算をします。

会社を退職した場合、別の会社に再就職すればその会社で特別徴収を継続することも可能ですが、再就職をしなければ住民税はその個人に直接請求されます。そのため、住民税の負担が退職後の生活に影響を及ぼすことも十分に考えられます。

退職などで前年と比べて所得が大幅に減ることが予想される場合は、住民税の負担を前もって考慮しておく必要があります。

HRプラス社会保険労務士法人 監修

HRプラス社会保険労務士法人
東京都渋谷区恵比寿を拠点に、HR(人事部)に安心、情報、ソリューションをプラスしていくというコンセプトのもと、全国の顧問先に対し、人事労務に関するコンサルティングを行っている。企業が元気にならないと雇用は生まれない、賃上げはできないとの思いから「人事労務で疲弊する日本中の経営者・人事マンを元気にする!」をミッションに掲げ、人事労務担当者の立場に立った人事労務相談、就業規則や諸規程の整備、IPO支援、海外進出支援、社会保険事務のアウトソーシングなどを展開。