• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年9月26日
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年末調整で医療保険料控除を受けるには?

年末調整で医療保険料控除を受けるには?

年末調整で医療保険料控除を受けるには?

医療保険は年末調整で控除を受けることができます。

ここでは、医療保険とは何か、年末調整で医療保険料控除を受けるために必要な書類、書類を記入する上でのポイント、医療保険料控除額の計算方法について解説します。

年末調整における医療保険とは

医療保険とは、病気やけがの際の経済的負担を減らすための保険です。ここで取り上げる医療保険とは民間会社による医療保険で、傷病時に給付金が支払われます。

年末調整において医療保険料の控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

・医療費の支払いを事由として保険金が給付されること
・保険金の受取人が保険料を払っている人か、配偶者や親族であること

また、契約期間が5年未満の貯蓄保険や財形貯蓄はこの条件に当てはまる場合であっても控除の対象にはなりません。なお、公的医療保険である健康保険料は、社会保険料控除の対象となり、今回の医療保険料控除には当てはまりません。

年末調整とは、給与から天引きされている所得税の過不足を調整するもので、各種控除の対象になる支払いがあると、払いすぎた税金が還付されます。控除にはさまざまな種類がありますが、2012年以降、医療保険料の控除は「生命保険料控除」の1つである「介護医療保険料控除」にあたります。

年末調整で医療保険料控除を受けるために必要な書類

上記の通り、年末調整における医療保険料の控除は、介護医療保険料控除にあたり、控除を受けるためには、「給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書」と「保険料控除証明書」が必要です。

「給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書」には、必要事項を正しく記入し、提出します。記入方法のポイントについては下記で説明します。

「保険料控除証明書」は、毎年10月ごろに加入している保険会社から送られてくるものです。なお、この証明書は加入している医療保険が控除対象の場合しか送付されません。年末調整に必要な書類のため、受け取ったら大切に保管し、万が一なくしてしまった場合は、早めに保険会社に連絡をし、再発行をしてもらいましょう。

なお、年末調整の書類提出時に「保険料控除証明書」が提出できない場合であっても、法律上、控除を受けることができますが、会社の事務負担となり、受け付けてくれない場合もあります。そのような場合は確定申告することにより控除を受ける事が出来ます。

「給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書」記入のポイント

医療保険料控除を受けるために必要な「給与所得書の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書」の記入ですが、加入している保険が旧方式であるのか、新方式であるのかを把握することが、申請書記入時のポイントです。

なお、控除証明書には、必ず旧方式か新方式の記載があり、生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除のいずれに該当するかが、金額とともに記載されております。

加入している保険が旧・新、どちらの方式であるかは2012年1月1日以降の契約であるかどうかで決まり、2011年12月31日までの契約であれば旧方式、2012年1月1日以降の契約であれば、新方式を採ります。

新方式の場合は、前述の通り、「介護医療保険料控除」の対象となり控除額の上限は40,000円です。

一方、旧方式では、「一般の生命保険料控除」の対象となり、医療保険料、生命保険料を合わせた控除額の上限は50,000円です。「介護医療保険料控除」と「一般の生命保険料控除」では、記入欄も違いますし、新方式と旧方式による計算方法も違いますので、注意が必要です。

また、保険の更新や追加をした場合は、以下の説明の通りとなります。

■2012年1月1日以降に保険の更新をした場合
2011年12月31日以前に契約した保険であっても、その後更新すれば新方式となります。

■2012年の1月1日以降に保険の追加をした場合
以前の生命保険契約に、新たに医療保険を加えた場合は、従来からの生命保険料は旧方式、加えた医療保険は新方式となります。

医療保険料控除額の計算方法

医療保険控除額は、以下の表に支払った保険料を当てはめて求めます。

新方式の場合は以下の通りです。

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料等× 2 分の 1 +10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料等× 4 分の 1 +20,000円
80,000円超一律40,000円
(参照:No.1140生命保険料控除|国税庁

旧方式の場合の計算式は、以下の表の通りです。

年間の支払保険料等控除額
25,000円以下支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下支払保険料等× 2 分の 1 +12,500円
50,000円超 100,000円以下支払保険料等× 4 分の 1 +25,000円
100,000円超一律50,000円
(参照:No.1140生命保険料控除|国税庁

医療保険料控除額の計算例

以下で控除額の計算の具体例を紹介します。

■2013年に契約した医療保険で、年払い額が30,000円の場合
新方式の対象となり、控除額は30,000×2分の1+10,000=25,000円です。この金額は、「介護医療保険料」の欄に記入します。

■2010年に契約した医療保険で、年間の支払い額が30,000円の場合
旧方式の対象となり、控除額は30,000×2分の1+12,500=27,500円です。この金額は「一般の生命保険料」の欄に記入し、「旧」に丸をつけます。

■2008年に契約した生命保険(年間支払い額が30,000円)に、2014年に医療保険(年間支払い額30,000円)を加えた場合
生命保険部分は旧方式のため、控除額は30,000×2分の1+12,500=27,500円となり、この金額は「一般の生命保険料」の欄に記入し、「旧」に丸をつけます。

新たに加えた医療保険部分は新方式の対象となり、控除額は30,000×2分の1+10,000=25,000円です。この金額は、「介護医療保険料」の欄に記入します。

年末調整における医療保険料の控除について説明しました。契約の時期により、対象となる控除項目が異なりますので注意しましょう。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
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