• 作成日 : 2015年9月10日
  • 更新日 : 2018年8月7日
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年末調整と離婚との関係

年末調整と離婚との関係

年末調整と離婚との関係

夫と離婚したり、夫が亡くなった(生死の明らかでない場合も含む)後に、再婚していない女性を寡婦といいます。またその逆に、妻と離婚したり、妻が亡くなった(生死の明らかでない場合も含む)後に再婚していない男性を寡夫といいます。

結婚している間の安定した収入や生活から比べると、離婚後は経済状況が苦しくなることが予想されます。寡婦や寡夫になった場合、苦しくなってしまった経済状況や生活状況への配慮から、税額負担軽減の優遇措置として一定の所得控除を受けることができる「寡婦控除・寡夫控除」と呼ばれる制度が設けられています。

控除を受けるには、年末調整の際に、寡婦控除・寡夫控除の申請をする必要があります。

ここでは、離婚後に再婚していない寡婦や寡夫を対象に年末調整時の寡婦控除・寡夫控除について説明します。

年末調整における寡婦控除・寡夫控除とは?

寡婦控除とは、納税者が所得税法上の寡婦に該当する場合、一定の控除額が上乗せされそれを所得から差し引くことができる制度です。

同じように寡夫控除とは、納税者が所得税法上の寡夫に該当する場合、所得控除の額が上乗せされ税額が軽減されます。

年末調整で寡婦控除・寡夫控除が受けられる条件と控除額

寡婦控除・寡夫控除が受けられる条件は、女性と男性で異なります。

それぞれの条件と控除額は、次の通りです。

夫と離婚又は死別してから再婚していない状態で、扶養親族もしくは同一生計で総所得金額が38万円以下の子どもがいる寡婦の場合、寡婦控除額は27万円となります。
また、寡婦のうち、扶養親族である子を有し、かつ合計所得が500万円以下の場合、「特定の寡婦」の要件に当てはまるので、寡婦控除額は35万円となります。

寡夫の控除額については、妻と離婚又は死別してから再婚していない状態で、総所得金額が38万円以下の生計をひとつにする子供がいて、且つ合計所得の金額が500万円以下の時、寡夫控除の金額は27万円となります。

女性の場合は自身の所得に関わらず、生計を一にしている子や扶養親族(その子・扶養親族の所得金額が38万円以下に限る)がいれば最低でも27万円の寡婦控除が受けられますが、男性の場合は、自身の所得金額が500万円以下という条件に当てはまらなければ、寡夫控除は受けられない、ということになります。

年末調整での寡婦控除・寡夫控除の申告の記載方法は?

年末調整では、自身が寡婦または寡夫になったことを申告します。

寡婦控除・寡夫控除を受けるためには、年末調整の際に会社に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入します。

記入の方法はとてもシンプルで、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の中央付近にある「主たる給与から控除を受ける障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄に書かれた「2 寡婦、3 特別の寡婦、4 寡夫」の項目の当てはまる部分に○印をつけます。

年末調整の際に、寡婦控除・寡夫控除が受けられるのに、控除の申告をしていないケースも多くあるようです。
控除の要件をきちんと理解し、年末調整でのチェック漏れなどがないように、しっかりと確認し、申請しましょう。

寡婦控除・寡夫控除の注意点とは?

その年の12月31日時点で寡婦・寡夫かどうかが、控除対象となるかの判断基準です。そのため、年の途中で離婚によって寡婦・寡夫になった場合は、その年の年末調整で寡婦控除・寡夫控除は受けられます。

また、寡婦控除・寡夫控除が指す「夫」や「妻」とは、民法上においての婚姻関係、いわゆる法的に結婚している関係が対象となり、事実婚は該当しませんので注意してください。

まとめ

寡婦や寡夫になった場合、離婚後の家庭の経済状況が結婚生活中よりも悪くなってしまうケースが少なくありません。

寡婦控除・寡夫控除は、そんな状況下での税負担を減らす優遇制度ですので、控除の要件をきちんと理解し、年末調整の際にしっかりと申告をするようにしましょう。

監修:緒方 康人 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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