• 作成日 : 2016年7月29日
  • 更新日 : 2018年9月26日
  • 住民税

個人住民税の特別徴収税額とは?

個人住民税の特別徴収税額とは?

個人住民税の特別徴収税額とは?事業者が知っておくべき3つのポイント

個人住民税の特別徴収は、事業者が従業員に対して行う義務のある住民税の天引き制度です。特別徴収税額とはその際に天引きする税額を指します。ここではこのうち個人住民税の特別徴収について解説します。

ポイントは特別徴収及び特別徴収税額の基本的な考え方と個人住民税の特別徴収税額を通知する書類「特別徴収税額決定通知書」の記載内容、そして特別徴収した個人住民税の納付方法の3つです。

特別徴収税額とは何か?

特別徴収とは?

地方税法によれば、地方税の徴収方法には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。

普通徴収とは徴税吏員(道府県知事・市町村長もしくはその委任を受けた道府県職員・市町村職員など)が納税義務者に対して行う徴税です。

これに対して特別徴収は徴税吏員の代わりに事業者などの「特別徴収義務者」が行う徴税を指します。

事業者は国税である所得税における源泉徴収と同じように、地方税である個人住民税においても特別徴収という形で従業員の給料から天引きを行う義務があるのです。この場合の従業員は正社員だけでなく、短期雇用者・アルバイト・パート・役員等すべてが含まれます。

特別徴収のメリット

特別徴収のメリットは従業員各人がわざわざ金融機関や市役所などに出向いて納税する手間が省ける点にあります。

また従業員が自分自身で個人住民税を納付する方法(普通徴収)では支払いが年4回払いになるのに対し、特別徴収の場合は12ヶ月に分割しての納付になるため、1回あたりの納税者の負担が軽減できるというメリットもあります。

個人住民税の特別徴収の流れ

個人住民税の特別徴収は次の3つのステップに分けられます。

1.給与支払報告書の提出
2.特別徴収税額決定通知書の送付
3.納付

毎年1月1日の時点で給与の支払いをしており、かつ所得税の源泉徴収の義務のある事業者は、給与支払報告書を1月31日までに提出しなければなりません。年の途中に退職した人がいる場合は、その人についても給与支払報告書の提出が必要です。

この書類を提出すると、毎年5月31日までに事業者宛に「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用・納税義務者用)」が送られてきます。

この際に年税額と月割額が通知されるので、それに基づいて6月分から個人住民税の天引きを開始します。納付期限は原則として毎月10日で、金融機関を利用して納付します。

特別徴収税額決定通知書の記載内容を確認しよう

毎年5月31日までに事業者宛に送付される特別徴収税額決定通知書は、大きく以下の4つの区分で構成されています。

1.所得
2.課税標準
3.所得控除
4.税額

所得の区分には「給与収入」「給与所得」「その他の所得計」「主たる給与以外の合算所得区分」「総所得金額」の欄があります。

「その他の所得計」には不動産所得や利子所得など「主たる給与以外の合算所得区分」に該当する所得の合計額が記入され、「総所得金額」には全ての所得の合計が記載されます。

課税標準とは税額計算の基礎となる金額です。特別徴収税額決定通知書には全ての所得の合計して所得割額を計算する「総合課税」と、それ以外の方法で計算する「分離課税」の両方の記載欄があります。

所得控除の区分は医療費や社会保険料、生命保険料、扶養など各種控除制度の金額を記載する部分です。税額の区分には特別徴収税額などの金額が記載されます。

特別徴収税額決定通知書が届いたら、これらの内容に間違いがないかを直ちに確認しましょう。

特別徴収税額の納付方法

特別徴収税額の納付方法

「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)」には納入書が同封されています。この納入書は14枚綴りになっており、末尾の2枚(予備)を除いた12枚には納入月ごとの月割額が印字されています。

この納入書を公共団体指定の公金収納取り扱い金融機関か、あらかじめ指定したゆうちょ銀行および郵便局に持っていけば、特別徴収税額を納付することが可能です。納入書には各月の納付期限も印字されているため、必ず当該月の納入書を持っていくよう注意しましょう。

特別徴収税納付期限の特例

原則として特別徴収税額の納付は年間12回に分けて行わなくてはいけません。しかしその都度金融機関等に出向くのは、人手の足りない小規模事業者にとっては手間です。

そこで給与支払いを受ける従業員が常時10人未満の事業者に限り、「納期の特例」が設けられています。この特例が適用されれば、6月分から11月分の特別徴収税額を12月10日まで、12月分から5月分の特別徴収税額を6月10日までの年2回に分けて納入すれば良くなります。

まとめ

特別徴収とその納付は事業者の義務です。従業員の出入りが激しいために特別徴収の事務手続きが煩雑になったり、事業不振になったとしても、それは特別徴収税額を納付しない理由としては認められません。

正当な理由なしに支払いを滞納した場合は、業務上の横領とみなされて罰則を言い渡される可能性もあります。ここで解説した3つのポイントをよく理解し、定められた金額を定められた期限までに確実に納付するようにしましょう。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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