• 作成日 : 2016年4月11日
  • 更新日 : 2017年4月17日
  • 所得税

住民税の特別徴収と普通徴収の違いについて解説

住民税の特別徴収と普通徴収の違いについて解説

住民税の特別徴収と普通徴収の違いについて解説

住民税はどのように納付されているのか

住民税は、前年度の所得に応じた県民税と市民税の2つを合わせた税額のことをいい、住民税を住民自ら納付する方法を「普通徴収」といいます。

住民税の普通徴収者は、
・給与所得以外の個人事業主
・退職して次の就職先が決まっていない人
・転職先は決まっているが申請手続き中の人
・特別徴収から普通徴収への切替が認められた人
などが挙げられます。

住民税は所得額を元に計算されるため、給与と密接な関係にあります。そのため、給与支払者である会社が住民に代わって住民税を納付すれば、確実に徴収することが可能となります。

結果として毎月支払う給与から住民税を差し引く「特別徴収」という徴収方法が、給与支払者の義務として行なわれるようになりました。

原則として給与支払者(会社)は、従業員の給与から住民税を差し引く「特別徴収義務者」として地方税法で定められており、その会社に勤務する従業員も「特別徴収」によって住民税を納付することが、間接的に義務付けられていることになります。

しかし会社や従業員に以下のような事情がある場合は、住民税の徴収方法が特別徴収から普通徴収へと切り替えることが認められる場合があります。

【会社】
・総従業員数が2名以下である場合
・常時2名以下の家事使用人のみに給与を支払っている場合

【従業員】
・他の会社で特別徴収をしている場合
・5月31日までに退職する予定がある場合
・給与が毎月支払われていない場合
・給与が少ないため特別徴収できない場合

これらのような理由がある場合は、「個人住民税の普通徴収の切替理由書」を、1月31日までに市町村へ提出する「給与支払報告書」と共に提出します。

特別徴収と普通徴収 それぞれの比較

住民税の特別徴収と普通徴収を比較し、それぞれのメリットデメリットを明らかにしていきましょう。

徴収回数

特別徴収は原則として毎月の給与から住民税を差し引くため、年に12回徴収するものと考えることができます。しかし普通徴収は6月、8月、10月、1月の年に4回であるため、1回あたりの税額が大きくなり、痛税感が高くなります。

単純に1年間の住民税が30万円である場合、特別徴収は1ヶ月あたり25,000円が給与から差し引かれ、普通徴収は1回あたり75,000円を納付しなければなりません。1年間の総額は変わりませんが、1回あたりの納付額が異なると税負担が大きいと感じやすくなります。

徴収方法

特別徴収は、会社の給与支払担当者が従業員の毎月の給与から住民税を差し引き、差し引いた住民税を各市町村へ払い込むことによって納付することになっています。

普通徴収は市町村から交付された納付通知書を使用し、住民が自分で納付しなければなりませんが、クレジットカード払いによる住民税納付に対応している市区町村もあるため、お住まいの市区町村がクレジットカード払いに対応していれば、住民税を納付するだけでお得にポイントを貯めることができます。

しかし普通徴収は納付期限までに納付する必要があるため、納付期限を過ぎると住民税を滞納することになります。住民税を滞納すると督促が行われ、督促を受けたにも関わらず完納しない場合は滞納者の財産が差し押さえられることになります。

会社の経理担当者の事務負担

前述した徴収方法を、住民の立場ではなく会社担当者に置き換えてみると、特別徴収は住民(従業員)全員の代わりに納付することになるため、会社の経理担当者の事務負担は増えることになります。

実際に会社の経理担当者が行なう作業は、市区町村から会社へ送付される市民税・県民税の決定通知書に記載されている徴収税額を給与から差し引き、納付書を使用して直接銀行に出向くか、インターネットバンキングやATMなどで納付することになります。

住民税の「特別徴収」と「普通徴収」メリットデメリット一覧

 メリットデメリット
特別徴収
・痛税感が低い
・会社が代わりに納付してくれる
会社の事務負担が増加する
普通徴収
市区町村によってはクレジットカード払いでポイントが貯められる
・痛税感が高い
・自分で納付する必要がある
・住民税を滞納するリスクがある

まとめ

これまで前述したとおり、特別徴収の利点を鑑みて各地方公共団体は、地方税収を確実に確保するために、特別徴収によって住民税を徴収することを積極的に周知徹底する傾向にあります。

よほどの理由がない限り、特別徴収によって住民税を納付する方法が一般的となっている状況です。

住民税は前年度の所得をもとに本年度給与から差し引かれることになっているため、退職した場合は時期によって一括徴収されたり普通徴収に切り替わったりします。退職後の住民税がどのように取り扱われるのか、会社の事務担当者へ確認するようにしましょう。