• 作成日 : 2015年9月3日
  • 更新日 : 2018年9月28日
  • 介護保険

介護保険サービスの医療費控除について

介護保険サービスの対価に係る医療費控除について

Excited middle-aged couple doing finances at home

介護保険サービスを利用した場合、一定の居宅でのサービスまたは施設サービスを受けたことによって支払った自己負担額、交通費、おむつ代については、確定申告の際に所得税の医療費控除を受けることができます。

医療費控除とは、納税者自身および納税者の同一生計親族(注1)が受けた治療に対して支払った医療費を所得から控除できるものです。

本稿では、介護保険サービスを受けたことによって発生した支払いに係る医療費控除と確定申告時のポイントを説明します。

注1:同居していたり、定常的に生活費や学費などの仕送りを行っていたりする関係の親族

居宅サービスに対する医療費控除

介護保険でよく利用されるものに居宅サービスがあります。

以下は、医療費控除の対象となる居宅サービスを表にしたものです。控除対象額は居宅サービスによって2種類に分かれます。

居宅サービスの種類医療費としての控除対象額
1. 医療費控除の対象となる
居宅サービス
訪問看護、介護予防訪問看護利用限度額を超えた部分を含め、支払った額の全て
訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導
通所リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション
短期入所療養介護、介護予防短期入所療養介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合に限る)
複合型サービス(上記の居宅サービスを組み合わせたもので、生活援助を中心とする訪問介護を除く)
2. 上記 1 と併せて利用した場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス訪問介護(生活中心型を除く)利用限度額の範囲内で支払った額のみ
夜間対応型訪問介護
訪問入浴介護、介護予防訪問入浴介護
通所介護、地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護、介護予防小規模多機能型居宅介護
短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る)
複合型サービス( 1 を含まない組み合わせによるものに限る)
地域支援事業の訪問型、通所型サービス(生活援助中心
のサービスを除く。)

参照:国税庁 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価
※被保険者が高額介護サービス費の払戻し受けた場合、その部分は控除対象外です。

また、居宅サービスである生活援助中心型訪問介護や認知症対応型共同生活介護などは、医療費控除の対象外となり、2の居宅サービス(1と併せて利用しない場合のみ)で行われる介護福祉士や所定の訓練を受けた介護職員などが、たんの吸引をしたり経管栄養といってチューブを通して体の外から流動食を与える処置を行ったりしても、支払った額の1割が控除対象になります。

施設サービスに対する医療費控除

介護保険で最もよく利用されるものが施設サービスでしょう。

以下は、医療費控除の対象となる施設と医療費控除対象額を表にしたものです。施設とサービスの種類により控除対象額が変わります。

医療費控除の対象となる施設医療費としての控除対象額
指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設介護費、食費、部屋代など施設サービスの対価(日常生活費と特別なサービス費用を除く)の半額
介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設介護費、食費、部屋代など施設サービスの対価(日常生活費と特別なサービス費用を除く)

※被保険者が高額介護サービス費の支払いを受けた場合、その部分は控除対象外です。

交通費およびおむつ代

交通費

介護保険サービスを利用するにあたって医療費控除対象の施設を選択した場合、交通費も医療費控除を受けることができます。
対象となる交通手段は、電車やバスなどの公共交通機関またはタクシーのみで、自家用車を利用しても、駐車場代やガソリン代などは医療費控除の対象外となります。

おむつ代

おむつ代は、寝たきりの期間が6カ月以上で、おむつを使わなければいけない状況であると医師が診断すれば医療費控除の対象となります。
この場合、医師に「おむつ使用証明書」を発行してもらわなければいけません。

まずは、医師に医療費控除の対象となるか確認することが必要です。

確定申告時のポイント

介護保険サービスでの支払いにおいて医療費控除を受けるためには、以下の書類を確定申告書に添付することが必要です。

・領収書など医療費の支払いを証明できる書類(タクシーを利用した場合、タクシーの領収書も必須。公共交通機関は領収書がないので不要ですが、施設に通った履歴と照合できるよう交通費を表にまとめておくことが必要)
・給与所得がある場合、給与所得の源泉徴収票の原本
・おむつ使用証明書(おむつ代の医療費控除を受けるため)
 ただし、前年もおむつ代の医療費控除を受けた方が、その年の「主治医意見書」により寝たきり状態であること、および尿失禁する可能性があることが明確な場合、「市町村が主治医意見書の内容・詳細を確認した書類」または「主治医意見書の複写」で代用できます。
なお、介護事業者に発行してもらう領収書には「医療費控除対象額」が記載されています。

※平成29年度改正により、医療費控除の適用を受ける者は、医療費の領収書の添付または提示に代えて、医療費の明細書または医療費通知書を確定申告書に添付しなければならないとされました。

まとめ

介護保険サービスには、医療費控除を受けられるものもあります。介護保険サービスを利用した場合には、確定申告で医療費控除を受けるために、その旨を申告しなければなりません。

介護保険サービスを受ける際には、まず、そのサービスが医療費控除の対象かどうかを確認し、タクシー代を含め領収書をきちんと受け取っておく必要があります。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
ゆびすいグループは、国内8拠点に7法人を展開し、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など約250名を擁する専門家集団です。
創業は70年を超え、税務・会計はもちろんのこと経営コンサルティングや法務、労務、ITにいたるまで、多岐にわたる事業を展開し今では4500件を超えるお客様と関与させて頂いております。
「顧問先さまと共に繁栄するゆびすいグループ」をモットーとして、お客さまの繁栄があってこそ、ゆびすいの繁栄があることを肝に銘じお客さまのために最善を尽くします。
お客様第一主義に徹し、グループネットワークを活用することにより、時代の変化に即応した新たなサービスを創造し、お客様にご満足をご提供します。



給与計算・年末調整を自動化! マネーフォワード クラウド給与