• 作成日 : 2015年6月20日
  • 更新日 : 2020年1月15日
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労災保険料の計算方法

労災保険料の計算方法

 

労災保険は、業務上起こった不測の事態により、けがや病気を負った場合に備える保障制度です。保険料の支払い者が事業主であるため、いくらになるか気が気でない方もおられるでしょう。そこで、具体例を用いて労災保険料の計算方法について解説します。

保険料の見積もり方

労災保険は、労働者が労働災害に遭った場合に補償するものなので、会社あるいは事業主が加入し、支払うものです。労働者の給料から労災保険料を天引きすることは違法となるので注意してください。労働保険料の計算は案外簡単で、次のようにそれぞれに設定されている保険料率を用いて計算します。

 労働保険料 = 賃金総額 × 労災保険料率

労働保険料を計算するときに必要な労災保険料率は、事業の種別により労災の危険性が異なるため、最高1000分の89から最低1000分の2.5まで料率が細かく分かれています。具体的には以下の通りです。

事   業   の   種   類 労 災 保 険 率
平成27年4月1日以降
木材伐出業60/1000
その他の林業
海面漁業(定置網漁業又は海面魚類養殖業を除く。)19/1000
定置網漁業又は海面魚類養殖業を除く38/1000
金属鉱業、非金属鉱業(石灰石鉱業又はドロマイト鉱業を除く。)又は石炭鉱業88/1000
石灰石鉱業又はドロマイト鉱業20/1000
原油又は天然ガス鉱業3/1000
採石業52/1000
その他の鉱業26/1000
水力発電施設、ずい道等新設事業79/1000
道路新設事業11/1000
舗装工事業9/1000
鉄道又は軌道新設事業9.5/1000
建築事業(既設建築物設備工事業を除く。)11/1000
既設建築物設備工事業15/1000
機械装置の組立て又は据付けの事業6.5/1000
その他の建設事業17/1000
食料品製造業食料品製造業(たばこ等製造業を除く。) 6/1000
たばこ等製造業 
繊維工業又は繊維製品製造業4.5/1000
木材又は木製品製造業14/1000
パルプ又は紙製造業7/1000
印刷又は製本業3.5/1000
化学工業4.5/1000
ガラス又はセメント製造業5.5/1000
コンクリート製造業13/1000
陶磁器製品製造業19/1000
その他の窯業又は土石製品製造業26/1000
金属精錬業(非鉄金属精錬業を除く。)7/1000
非鉄金属精錬業6.5/1000
金属材料品製造業(鋳物業を除く。)5.5/1000
鋳物業18/1000
金属製品製造業又は金属加工業(洋食器、刃物、手工具又は一般金物製造業及びめっき業を除く。)10/1000
洋食器、刃物、手工具又は一般金物製造業(めっき業を除く。)6.5/1000
めっき業7/1000
機械器具製造業(電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、船舶製造又は修理業及び計量器、光学機械、時計等製造業を除く。)5.5/1000
電気機械器具製造業3/1000
輸送用機械器具製造業(船舶製造又は修理業を除く。)4/1000
船舶製造又は修理業23/1000
計量器、光学機械、時計等製造業(電気機械器具製造業を除く。)2.5/1000
貴金属製品、装身具、皮革製品等製造業3.5/1000
その他の製造業6.5/1000
交通運輸事業4.5/1000
貨物取扱事業(港湾貨物取扱事業及び港湾荷役業を除く。)9/1000
港湾貨物取扱事業(港湾荷役業を除く。)9/1000
港湾荷役業13/1000
電気、ガス、水道又は熱供給の事業3/1000
農業又は海面漁業以外の漁業13/1000
清掃、火葬又はと畜の事業12/1000
ビルメンテナンス業5.5/1000
倉庫業、警備業、消毒又は害虫駆除の事業又はゴルフ場の事業7/1000
通信業、放送業、新聞業 または出版業2.5/1000
卸売業、小売業、飲食店 または宿泊業3.5/1000
金融業、保険業 または不動産業2.5/1000
その他の各種事業3/1000

※船舶所有者の事業については、49/1000となります。
参照:労災保険料率一覧|労災保険情報センター

具体的計算例

該当者が多いと思われる小売業を例に考えてみましょう。該当保険料率は上の表の「卸売業、小売業、飲食店 または宿泊業」の行を見ます。数値は「3.5/1000」です。従業員が5人いて平均給与が25万円、ボーナスが80万円だとすると、賃金総額は、(5人×25万×12カ月)+(5人×80万円)=1,900万円になります。

  労災保険料 = 賃金総額 × 労災保険料率
1,900万円 × 3.5/1000 = 66,500円

上記のとおり計算すると、賃金総額1,900万円に労災保険料率3.5/1000を掛けると労働保険料は66,500円となります。

メリット制

従業員が100名以上いるなど、規模の大きな事業所には労災の利用率に応じて労災保険料が増減する制度もあります。非常に複雑な制度ですが、適用になる場合には、労働局から通知が来るので、自分で調べたり、申告したりする必要はありません。そういう制度があり、適用される場合もあることを知っておきましょう。

まとめ

上記のように、今回は労災保険料の具体的な計算をしました。ですが、実際の申告・納付に関しては、労働保険料として、雇用保険と抱き合わせで行います。

自分で計算をして手続きをする等の必要はありません。あくまでしくみを理解してもらうために解説しただけなので、参考にして頂ければと思います。

また、こうした制度、仕組みを理解しておき、労災保険料を自分で計算することはないにしても、労働局からの通達などが届いた場合に、慌てず対応できる心構えは事業者として必要です。

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