- 更新日 : 2025年12月17日
ケイパビリティとは?種類やビジネスでの使い方を解説
ケイパビリティとは、「事業全体として明確な優位性のある組織能力」という意味のビジネス用語です。近年、大きく成功している企業の多くは、経営戦略にケイパビリティの概念を取り入れていて、強固なケイパビリティを確立しています。
今回は、ケイパビリティの意味、メリットや経営戦略としてのケイパビリティなどについて解説していきます。
目次
ケイパビリティとは?
ケイパビリティとは、直訳すると、能力、手腕、才能、素質、可能性という意味になります。ビジネスの現場では、「事業全体として明確な優位性のある組織能力」という意味で使われています。
ケイパビリティは、「製品」「技術」などの単一的な部分の強みではなく、事業全体、つまり、研究・開発から製造や販売に至るまでの事業全体を通して、他社と比較しても他社が真似できない優位性を出すことができる組織的な能力です。
あくまでも、事業全体の組織的な能力を指している言葉で、個人の能力ではない点がポイントです。
コアコンピタンスとの違い
コアコンピタンスとは、「企業の核となる能力」という意味で、企業のある特定の技術力を指します。コアコンピタンスが他の企業が真似できない特定の技術力というのに対して、ケイパビリティは、事業全体の総合的な能力という全体のことを指します。
ケイパビリティのひとつである「ネガティブ・ケイパビリティー」とは?
ネガティブ・ケイパビリティとは、どうしても答えが出ない、対処のしようがないといった事態に耐える能力のことを言います。言い換えると、現在直面している問題がすぐには好転しない状況にあっても、投げ出すことはせずに、腰を据えて解決方法を模索する能力とも言えます。
ケイパビリティは組織全体の能力を意味する言葉ですが、ネガティブ・ケイパビリティは個人の能力のことを指します。
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ケイパビリティがあることのメリット
ここでは、ケイパビリティがあることで得られるメリットについて、個人の場合と企業の場合でそれぞれ見ていきます。
企業の場合(組織能力としてのケイパビリティ)
企業はケイパビリティがあることで「事業の持続性の向上」や「競合他社との差別化」ができるというメリットがあります。
ケイパビリティは、事業全体の組織的な能力ですので、競合他社が簡単に真似をすることができない状況をつくることによって差別化を図ることができます。
個人の場合(個人スキルとしてのケイパビリティ)
企業はケイパビリティにより「事業の持続性の向上」や「競合他社との差別化」を把握し、その組織の中で「何をすればよいか」を考える人材が必要になります。ケイパビリティを高めることにより、相乗効果で組織に属するメンバーの質も高まっていくでしょう。
個人のケイパビリティを把握する方法
ケイパビリティは、「社員個人のパフォーマンス×パフォーマンスを高める仕組み」で表すことができます。よって、この社員個人のパフォーマンスを最大限に引き出すことができれば、ケイパビリティをより高めることができます。
社員個人のパフォーマンスを最大限に引き出すためにできることとして、人材育成が考えられます。しかし、人材育成を進めていく前に、社員個人が持っているスキルを洗い出し、それをベースに育成していく必要があります。
社員個人の強みやスキルを可視化していくことが、個人のケイパビリティを把握できる方法です。
企業のケイパビリティを把握する方法
企業のケイパビリティを把握するためによく行われる手法の一つに「SWOT分析」があります。SWOT分析は、内部環境の強み(プラス要因)と弱み(マイナス要因)、外部環境の機会(プラス要因)と脅威(マイナス要因)の4つの項目を分析する手法です。
SWOT分析によって、事業の強みや課題を見つけることができます。自社のバリューチューンを洗い出すことも、事業活動を機能別に分析することができるため、非常にわかりやすい手法だと言えるでしょう。
企業戦略として使えるケイパビリティ戦略
実際に企業はケイパビリティの効果を高めていくために、企業戦略にどのように役立てているのでしょうか。
ここでは、自社のケイパビリティの効果を高める「ケイパビリティ・ベース競争戦略」と「ダイナミック・ケイパビリティ戦略」について紹介します。
ケイパビリティ・ベース競争戦略
ケイパビリティ・ベース競争戦略とは、ケイパビリティを事業戦略の中心に据えて、優位性を出すことを目指して行う戦略です。ケイパビリティ・ベース競争戦略には、4つの基本的な原則があります。
- ビジネスプロセスの重視
企業戦略の構成要素は製品や市場ではなく、組織体制やプロセスの組み立てである - 主要なビジネスプロセスの変換
主要なビジネスプロセスについて、他社より優れている価値を継続的に顧客に提供できるような戦略的なケイパビリティに変換していく - 部門間のインフラ整備
これまでのSBU(戦略事業単位)と職能分野を結びつける一方、これまでの限界を超えて双方の力を引き出すために、インフラ整備に投資し戦略的ケイパビリティを構築する - トップの推進力
ケイパビリティは企業全体に関係してくるため、組織横断的な体制の構築が必要。自社の強みを最大限に活かすためには、組織戦略を担当する経営陣が積極的に推進していかなくてはいけない
ダイナミック・ケイパビリティ戦略
ダイナミック・ケイパビリティ戦略は、経営戦略論のうちの一つです。
変化するビジネス環境を生き抜いていくために、自社の競争での優位性を確保し、社内外の資源を再活用・再編成することで、自社の事業や組織を変革するための戦略のことを言います。
企業におけるダイナミック・ケイパビリティ戦略は、外部環境の変化に対応して自社が保有するヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を組み合わせながら、自社の競争優位を確保する手法です。
自社のケイパビリティを確立しましょう
ケイパビリティは、組織能力という点から、自社の優位性を表す言葉です。競合する他社と比較した際に、自社のどこに優位性があるのかを確認する必要があるため、組織の各部門の意見を聞いたり、SWOT分析を用いて、事業の強みや課題を見つけていきます。
ケイパビリティを高めていくことは、重要な取り組みです。自社のケイパビリティを確立して経営を安定的に行っていけるようにしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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