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  • 更新日 : 2021年5月12日

法人税法とは?概要や目的、税効果会計をわかりやすく解説

法人税は、法人の所得に対し課税される国税であり、法人税法に規定されています。
法人税の節税にあたっては、損金に関してだけでなくバランスの取れた法人税法の理解が必要です。
ここでは、法人税の種類、目的、計算式の成り立ち等ベーシックな部分の解説をしています。

法人税法とは

法人税法の概要

法人税法とは法人税について、納税義務者、課税所得等の範囲、税額の計算方法、申告、納付及び還付の手続き、並びにその納税義務を適正に果たすために必要な事項を定めた法律です。

所得税と法人税は、両者とも所得に対して課税される税金ですが、所得税は個人の所得、法人税は法人の所得に対してそれぞれ課税されます。この「所得」という考え方は、一般には「経済的価値」と考えてよいでしょう。

つまり、法人税法とは広義の所得税に関する法体系の一部を構成する法律と言うことができます。

事業体への特例的な課税方法 -パス・スルー課税とペイ・スルー課税-

個人以外の事業体への課税の特例としては、パス・スルー課税とペイ・スルー課税があります。原則とあわせて整理しておきましょう。

まず、原則として法人が法人税課税後の剰余金を配当した場合、支払配当金は損金にはなりません。

しかしながらペイ・スルー課税といって、特定目的会社など一定の事業体においては、一定の要件のもと、支払配当金を損金とできる例外が認められています。
事業体の得た所得については、その事業体に課税されますが、その所得を組織の構成員に分配した場合に所得を減じることができるのです。

これに対し、パス・スルー課税とは有限責任事業組合(LLP)、投資事業有限責任組合(LPS)、任意組合などの事業体に対し採用される課税方法です。これらの事業体は、民法上の組合の特例とされ、法人格を持たないため、法人税は課税されません。
パス・スルー課税は、各構成員段階で課税を行う考え方に由来し、個人が集まって行う小規模な事業においては、その事業体の収益や損失を各構成員に按分して帰属させ、課税するという方法を採用しています。

現在、法人税等という場合には、一般的に原則の考え方に基づく課税を指します。

法人税法の目的

法人税法だけに限りませんが、租税の目的や意義について触れておきます。

国及びその他の公共団体の任務として、国民に種々の公共サービスを提供することが挙げられます。
この任務を果たすためには、資金が必要となります。
法人税をはじめ各種の税金は、その資金の調達を目的として、納税者に対し強制的に徴収されるお金といえます。

憲法第30条に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」と、納税が義務であることが明記されていますが、租税は、強制力、権力性、そして直接の反対給付がないことから一方的な面を有しているといえます。
「租税法律主義」とは、法律の根拠がなければ、租税を課したり、徴収されたりすることがないとする考え方をいい、憲法第84条には 「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」と明言されています。

わが国の租税は租税法律主義に則り、公共サービスの資金調達を目的として、強制的、権力的、一方的に課せられるものであり、その中で法人を対象とした租税が法人税です。
そして、法人税は経済活動の主体である法人を納税義務者として、直接、その法人の所得に対し課税される国税なのです。

法人税法で定められた納税義務者

法人税法においては、すべての法人を納税義務者としているわけではありません。

法人税法においては、内国法人であっても国及びその他の公共団体など「公共法人」は納税義務者とはされておらず、外国法人は「国内源泉所得を有する場合のみ」納税義務者となります。
また、公益事業を主な目的とし活動している法人である「公益法人」等や、一般にPTAや町内会、同窓会、同好会などの「人格のない社団」等は収益事業を営む場合に限り、法人税の納税義務者になります。したがって、公益法人などにおける公益事業の収益については、法人税は非課税となります。

上記のような例外を除き、普通法人や協同組合等は、すべて法人税の納税義務者となっています。

法人税法で定められた法人税額の計算方法

法人税額は、法人の所得に対して課せられ、法人の所得とは、基本的には法人の事業活動の成果となります。

企業会計における一定期間の収益から費用を控除する方法で得られた利益を前提として、法人税法では、法人の各事業年度の所得の金額を計算することを定めています。
法人税法22条には、内国法人の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額からその事業年度の損金の額を控除した金額とする旨が規定されています。

法人税の課税所得
= 益金の額 - 損金の額 
= (企業会計上の利益)+ 決算調整事項 + 申告調整事項

実際には、法人税の課税所得は法人税別表四において求めます。

決算調整事項とは、企業会計において決算に反映するか否かは任意ですが、法人税法上、一定の経理を行うことが要求されている事項が該当します。一定の経理を行うことで初めて損金として認められるものです。項目としては一括償却資産の償却費の損金算入、圧縮記帳に関する損金算入など多岐にわたります。

また、申告調整事項とは、会計上の処理に拘わらず、申告書上でのみ調整すればよい事項です。
申告調整事項の必須調整事項としては、減価償却超過額、交際費、寄付金などの調整があります。また、任意調整事項としては、受取配当金の益金不算入などがあります。

法人税額 = 法人税の課税所得 × 法人税率 - 税額控除
実際には、法人税別表一にて法人税額を計算します。
なお、法人税率には所得税のような累進課税制度はありません。

【法人税率の例】

区分
法人税率
普通法人資本金1億円以下の法人など年800万円以下の部分下記以外の法人15%
適用除外事業者19%
年800万円超の部分23.20%
上記以外の普通法人23.20%
共同組合等年800万円以下の部分15%
年800万円超の部分19%

国税庁:法人税の税率より作成)

法人税法の損金(益金)と会計の費用(収益)のズレを解消するために行うのが税効果会計

企業がその財務状況を報告するための会計が企業会計であり、報告の対象は主として利害対象者です。一方、企業会計の結果をもとに法人税法に則り課税所得の計算をするのが税務会計で、計算の目的は申告・納税です。
したがって、企業会計と税務会計の計算結果には拠りどころとなるルール、目的が異なるため「ズレ」が生じます。

税効果会計とは、この企業会計と税務会計の計算のズレを企業会計側で調整し、企業会計における利益に見合った税金が計上されるように、税金費用を期間配分する手法をいいます。

法人税等とは法人税、住民税、事業税をまとめたものをいいます。そして実効税率とは、これら法人の実質的な税負担率のことをいい、会計の利益に実効税率を乗じた税金となるように調整するのが税効果会計です。

例えば実効税率を30%とした場合、税効果会計のあり、なしを比較すると次のようになります。

この例の場合ですと、税効果会計を適用した場合には、利益に実効税率を乗じた法人税300が損益計算書に計上されることになります。そして、600のうち法人税等調整額とした300は税金の前払いとして、貸借対照表には繰延税金資産として計上されます。

法人税法を正しく理解しよう

法人税の計算にあたっては実際には多くの別表があったり、決算調整項目や申告調整項目の洗い出しをしたりと、所得税の計算に比べて複雑と言えます。
しかし、決算前に今回の法人税等の額をシミュレーションして、だいたいの納税額を知らなければ資金繰りにも影響します。
まずは、大まかな法人税別表四の作成にチャレンジしながらざっくりとした税額を計算してみるなど、あせらず徐々に法人税法を理解していきましょう。

法人税の計算についてより詳しい情報を知りたい方は以下のサイトをご参照ください
国税庁|税額の計算

よくある質問

法人税法とは?

法人税について、納税義務者、課税所得等の範囲、税額の計算方法、申告、納付及び還付の手続き、並びにその納税義務を適正に果たすために必要な事項を定めた法律です。詳しくはこちらをご覧ください。

法人税法の目的は?

わが国の租税は公共サービスの資金調達を目的として課せられるもので、その中の法人を対象とした租税である法人税に関するルールを定めたのが法人税法です。詳しくはこちらをご覧ください。

法人税法で定められた納税義務者は?

公共法人や公益法人といった例外を除き、普通法人や協同組合等はすべて法人税の納税義務者です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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