• 作成日 : 2024年10月4日

設備投資効率とは?計算方法や目安、上げる方法を解説

設備投資効率は、企業の生産設備と付加価値の関係を評価する指標です。設備投資効率を評価することで、企業の有する有形固定資産がどれだけ効率良く活用されているかがわかります。この記事では、設備投資効率の計算方法や目安、設備投資効率を上げる方法について解説します。

設備投資効率とは

設備投資効率は、企業の生産設備がどれほどの付加価値を生み出しているかを評価する指標です。設備投資効率が高いほど、生産設備が効果的に使われていると評価できます。設備投資効率が低い場合は、改善策を検討する必要があるでしょう。

設備投資効率の計算方法

設備投資効率は、以下の計算式で求めることができます。

設備投資効率(%)=付加価値額÷有形固定資産×100

付加価値額とは、企業の生産活動で新たに創出された価値のことです。付加価値額は以下の計算式で求めることができます。

付加価値額=人件費+動産や不動産の賃借料租税公課営業利益

付加価値額を算出する際の人件費は、従業員の給与や賞与の額に、役員報酬福利厚生費を加算した金額です。付加価値額を簡便的に求める方法として、以下の計算式で求めることもできます。

付加価値額=売上高-費用合計+給与合計+租税公課

有形固定資産は建設仮勘定を除いた、土地やその他の有形固定資産の合計額です。有形固定資産の額は、期首と期末の平均を用います。期中に有形固定資産の加除が生じたり、減価償却により期末時に有形固定資産の額が変動したりするためです。

設備投資効率の目安

設備投資効率は、どのくらいを目指すべきなのでしょうか。財務省によると、2022年度の全業種の設備投資効率の平均は66.1%で、製造業の平均は78.2%、非製造業の平均は62.7%でした。他の業種と比較すると、製造業は設備投資効率が高いことがわかります。平均値は、目指す設備投資効率を検討する際の目安になるでしょう。

出典:設備投資効率|財務省

設備投資効率を上げるには

設備投資効率は、付加価値額と有形固定資産の額をもとに算出されます。設備投資効率の計算式から、付加価値額を増やす、あるいは有形固定資産の額を減少させることで、設備投資効率が向上することがわかります。

付加価値額を増やす方法として現実的なのは、営業利益を伸ばすことです。営業利益は、販路拡大により売上高を向上させたり、原価率を下げたり、無駄な販管費を削減したりすることで向上します。

有形固定資産の圧縮については、まずは不要な有形固定資産の洗い出しや投資案件の精査などが考えられます。また、生産設備の状態も重要です。設備投資効率が良好な企業の共通点として、設備年齢が安定的に維持されていることが挙げられます。設備年齢が高くなると、生産性の低下や品質の低下により同業他社との競争に負け、付加価値額が減少します。生産設備の修繕やメンテナンスを行い、生産設備を適切に維持することが重要です。

設備投資効率が一時的に上昇するものの、生産設備の高齢化が懸念される場合は、設備投資の新規取得や入れ替えなどの検討も必要です。

設備投資効率で企業の生産設備の活用度合を評価しよう

企業が保有する有形固定資産に無駄がないかを確認する方法の一つに、設備投資効率の測定があります。設備投資効率は、企業が投下した生産設備によってどのくらいの付加価値が生み出されているかを評価する指標です。有形固定資産が利益にどれだけ貢献できているかがわかるため、経営の無駄を把握したい場合などに活用しましょう。


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