- 作成日 : 2024年12月9日
交通費精算はアプリの導入で効率化できる!申請書のテンプレートも紹介
交通費精算アプリは、企業の経理業務を効率化するためのツールといえます。従業員の交通費申請から承認までのプロセスを簡素化し、経理担当者の負担を軽減するものです。
本記事では、交通費精算の課題を解説するとともに経費精算アプリの導入によるメリットや注意点、選定の際のポイントなどを詳しく解説します。
目次
交通費精算の抱える課題
交通費精算は、従業員が取引先への訪問など業務や出張で発生した交通費を申請し、会社がその費用を払い戻す流れを指します。
経費精算における課題には、以下の点が挙げられます。
- 申請・承認の手続きが面倒
- 不正がないかチェックする手間がかかる
- 領収書の保存や管理にコストがかかる
それぞれ、詳しくみていきましょう。
申請・承認の手続きが面倒
紙べ-スでの交通費精算は、申請書類の作成から始まり、承認や確認など一連のプロセスが多く、担当者の負担が少なからずあるでしょう。
特に規模が大きい企業では、複数の承認者による確認を経る必要があるなど承認階層の複雑さによる遅延も少なくありません。また、紙ベースの申請書類を回覧するタイムロスや書類の紛失リスク、出先からの申請や承認の困難さなども、手続きが面倒だと思われる要因となっています。
不正がないかチェックする手間がかかる
承認者や経理担当者は交通費の不正申請を防止するために詳細なチェックが必要であり、大きな労力が強いられます。通勤ルートの確認や重複申請のチェック、出張スケジュールとの整合性確認など、多岐にわたる確認作業が必要であり、手間も時間もかかるでしょう。
ミスや不審な点があった場合は、申請者や承認者とのコミュニケーションも発生します。特に紙ベースの申請方法を採用している場合は申請の面倒さから申請を後回しにする従業員も多く、締め日付近には交通費などの精算作業に追われることになりかねません。
領収書の保存や管理にコストがかかる
紙の申請書や領収書の保存・管理には、紙そのものやインクの代金、保管スペースの費用など多くのコストがかかります。
また、領収書の劣化・紛失リスクへの対応、監査時に迅速に提出できるよう整理する必要もあり、管理の手間も無視できません。
電子帳簿保存法の改正により、領収書をデジタル化して保存することも可能になりました。しかしこの移行にはシステム導入や社員教育といった初期コストも発生するため、効率的な交通費精算の管理方法が求められています。
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交通費精算に利用できる経費精算アプリとは
経費精算アプリは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで利用できる経費精算ツールです。PCベースの経費精算システムとは異なる柔軟性や利便性があるため、うまく使用すれば大幅な交通費精算の効率化が期待できます。
経費精算システムとの違い
経費精算アプリは、モバイルデバイスでの利用がしやすく、導入や運用コストに優れている点が特徴です。スマートフォンやタブレットを使って、いつでもどこでも経費の申請や承認が可能です。
従来のPCベースの経費精算システムには、オンプレミス型とクラウド型があります。クラウド型であれば外出先からも利用可能ですが、オンプレミス型は通常自社サーバーに依存するため、インフラ整備やメンテナンスの手間がかかります。また、オンプレミスかクラウドかに関係なく、導入に初期投資が必要なことに加え、一定の管理コストがかかることは避けられないでしょう。
対して経費精算アプリであれば、初期コストがかかりません。インフラ整備も不要であり、
より手軽に交通費精算を効率化できる手段といえます。
主な機能
経費精算アプリには、以下のような機能があります。
- ICカード連携機能:交通系ICカードから自動的に運賃データを取得、入力
- 領収書自動読み取り機能:モバイルデバイスで撮影した領収書から自動的にデータを抽出し入力
- 会計ソフトとの連携機能:経費データを会計ソフトと連携させ、一元管理が可能
- ミスチェック機能:入力ミスや不備を自動検出し、修正提案を行う
- 申請・承認機能:モバイルデバイスから交通費精算の申請、承認を行う
交通費精算に経費精算アプリを導入するメリット
経費精算アプリを導入することで、以下のようなメリットが享受できます。
- 申請・承認業務を社外でも行える
- 入力を自動化してミスを削減できる
- 交通費の不正受給を防止できる
詳しく紹介します。
申請・承認業務を社外でも行える
経費精算アプリを利用することで、従業員は外出先からでも交通費の申請や承認が可能です。スマートフォンやタブレットとオンライン環境さえあればオフィスに戻ることなくその場で経費精算の申請手続きを完了できるため、時間を有効に活用できるでしょう。
特に営業職や出張の多い職種では、この機能が大きなメリットです。申請や承認の遅延が減少し、経理部門の業務も効率化が期待できます。
入力を自動化してミスを削減できる
経費精算アプリの導入により、交通費の入力作業を自動化することで、ヒューマンエラーを大幅に減らせます。
また、OCR技術を活用して領収書の情報を自動で読み取る機能や、交通系ICカードから乗車履歴を直接取り込む機能があるため、手作業での入力が不要になります。従来のデータ入力時のミスがなくなることに加え、経理担当者は確認作業にかける時間を短縮できるでしょう。
交通費の不正受給を防止できる
交通費をはじめとする経費の不正受給防止にも、経費精算アプリは貢献します。ICカードとの連携により、実際の乗車履歴が自動的に反映され、不正な申請がしづらくなるでしょう。
また、事前設定によって社内規定違反にあたる申請をブロックできるため、不正な経路や金額の申請を防止できます。結果として企業全体のコンプライアンスが強化され、透明性や信頼性向上も期待できるのではないでしょうか。
交通費精算に経費精算アプリを導入する注意点
経費精算アプリには多くのメリットがある一方、導入にはいくつかの注意点があります。以下の注意点をあらかじめ把握し適切に対応することで、スムーズな運用が可能になるでしょう。
既存のシステムやソフトとの連携を確認する
経費精算アプリを導入する際には、既存の会計ソフトや経費管理システムとの連携が可能かどうかを確認することが大切です。システム間でデータがスムーズに同期されることで、二重入力の手間が省け、データの正確性も向上するでしょう。
また、APIやその他の統合ツールを利用できるかも確認すること、社内ルールに合わせた設定ができるかなどのカスタマイズ性についてもチェックしておくことをおすすめします。
利用方法や導入によるルール変更を周知徹底する
新しい経費精算アプリを導入する際は、交通費精算に関する社内ルールや業務フローが変わることがあります。そのため、従業員に対して新しいシステムの利用方法やルール変更について事前に周知徹底することが必要です。
説明会や研修を通じて、従業員がシステムを正しく理解し、スムーズに移行できるようサポートしましょう。こうした準備によって、導入後の混乱を最小限に抑えられます。
経費精算アプリを選ぶポイント
経費精算アプリを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが大切です。自社のニーズに合ったアプリを選び、効率的な経費管理を実現するために、以下の3点を参考にしてください。
- 目的の機能を搭載しているか
- 会社貸与のモバイルデバイスに対応しているか
- セキュリティに問題がないか
目的の機能を搭載しているか
すべての経費精算アプリが、同じ機能を備えているわけではありません。交通費精算に特化したい場合は、交通系ICカードとの連携機能があるかどうかを確認することが必須です。
また、個人事業主向けや法人向けなど、アプリのターゲットユーザーによって機能が異なる場合もあります。自社のニーズに合った機能が搭載されているかを確認し、利用開始前にしっかりと比較検討することが必要です。
会社貸与のモバイルデバイスに対応しているか
アプリが会社で貸与されているモバイルデバイスで正常に使用できるかどうかも、選定時の重要なポイントといえます。
OSのバージョンやデバイスの仕様によっては、アプリが正常に動作しないケースもあるためです。事前に対応状況を確認し、自社のデバイス環境に適したアプリを選ぶことが求められます。
セキュリティに問題がないか
経費精算アプリを選ぶ際には、セキュリティ面も重視する必要があります。情報漏洩のリスクを避けるため、信頼性の高い出所から提供されているアプリを選びましょう。
また、Google Play プロテクトなどのセキュリティ対策を活用して、不審なアプリのインストールを防ぐことも大切です。企業の大切な情報を守るため、またウィルスの侵入などを防ぐために、セキュリティ対策には特に注意しましょう。
経費精算アプリを交通費精算にうまく活用しよう
経費精算アプリの導入は、企業の経費管理を大幅に効率化し、業務の負担を軽減するための有力な手段といえます。適切なアプリを選ぶことで、申請や承認プロセスがスムーズになり、ミスや不正の現象に貢献できるでしょう。
自社のニーズに合った機能やセキュリティ対策を備えたアプリを選定し、従業員への周知を徹底することで、より効果的な運用が可能です。この機会に経費精算アプリを活用し、業務効率化と生産性向上を目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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