• 更新日 : 2024年6月14日

経理の仕事内容とは?会計との違い、平均年収、あると便利な資格を解説

経理の仕事とは、企業のお金の流れを数値化し、管理する業務です。経理は会計取引を記録する業務なのに対し、会計は記録したお金と取引の流れを利害関係者に報告する点に違いがあります。

本記事では、スキル・キャリアアップをしたい経理担当者に向けて、経理の仕事内容や向いている人のタイプ、やりがい、年収、必要な資格について解説します。

経理の仕事とは?

経理の仕事とは、企業のお金の流れや取引の詳細を記録し、管理する仕事です。企業の財務状況を数字で表し、経営陣や関係者へ報告することが目的です。

毎日の売上や仕入れの処理、保険料の支払いなど、会計基準で定められたルールに従って、さまざまな会計処理を行います。経理業務により、会社の現金や入出金額を正確に把握でき、スムーズな経営につなげられるでしょう。

また、経理業務は、企業の大きさや業界によって異なります。例えば、上場企業では四半期ごとの財務報告(公正な財務状況及び利益配分の報告)や連結決算(企業のグループ全体を単一の組織体として決算を行うこと)などの複雑な作業が必要になる場合があります。

経理と会計との違い

経理は帳簿を作成するのに対し、会計は作成した帳簿を報告する点に違いがあります。経理は、会社における日々の資金の動きを管理することが役割です。具体的な業務として、以下のような内容が挙げられます。

一方、会計は経理が作成した帳簿をもとに、財務諸表などの計算書類を経営者や利害関係者に報告する役割をもちます。

経理と会計は、同じ部署が担当することも多いため、考慮しておきましょう。

経理と財務との違い

経理は、日々のお金の動きを記録し伝票や試算表を作成して現状を把握するのが役割です。一方で、財務は資金調達や予算管理といった会社の今後に関わるお金の管理をする役割があります。

一般的に、経理と財務は別々の部署で担当しますが、中小企業では1人が両方を兼任する場合もあります。

経理の業務内容

経理の業務として、以下の内容が挙げられます。

業務内容
日次業務毎日のお金の取引を記録・集計する業務
月次業務1ヶ月間で発生したお金の流れを記録・管理する業務
年次業務1年の会計記録を締めて、取引の内容を資料としてまとめる業務

本項では、業務内容を3つの種類にわけて解説します。

日次業務

日次業務とは、日々発生するお金の取引を記録し、集計する業務です。具体的には、現預金の管理から経費精算、伝票や帳簿への記帳に至るまで、多岐にわたります。

現預金の管理は、日常的に発生する現金の出入りを記録する業務です。現金出納帳を作成して、帳簿上の数値と実際の現金残高が合致しているかを確認します。預金口座の動向を常にチェックし、必要な場合に伝票を作成する預金管理業務も求められます。

経費精算に関しては、従業員が立て替えた経費の返済処理や仮払金に関する伝票を整理しましょう。日次業務の記帳は、会計ソフトを利用すると効率的に行えるため、積極的に活用してください。

月次業務

月次業務とは、経理部門が毎月行う業務です。日次業務で記録した帳簿を月末に締めて、1ヶ月の収入と支出をまとめます。例えば、損益計算書貸借対照表などの月次決算書を作成し、経営の意思決定に活かすことが一般的です。

そのほか、企業の財務状態を把握するために、売上や利益率、キャッシュ・フローといった数値を分析します。

年次業務

年次業務とは、1年の会計記録を締め、取引内容をまとめる作業を行う業務です。特に、期末決算(会計期間の最終日に1年間の財政状況などを決算書にまとめる手続き)が重要です。企業は事業年度ごとに決算する必要があるため、日次業務や月次業務で用意した帳簿を用いて決算書を作成します。

また、決算書をもとに「法人税申告書」と「消費税申告書」を作成し、税務署への提出が必要です。さらに、都道府県と市町村にも、税務申告書を提出しなくてはなりません。法人の税務申告は複雑な手続きが必要なため、税理士と相談しながら作成しましょう。

経理が向いている人のタイプ

経理の仕事に向いている人のタイプとして、論理的な思考力を身につけている人が挙げられます。集計した数字を読み解き、提案につなげられるためです。

そのほか、細かな数字を扱う職業であるため、細部に注意を払える人も向いています。経理として働く方は、ミスなく正確に業務を行いましょう。

本項では、経理が向いている人のタイプについて解説します。

論理的思考が得意な人

経理の仕事は、数字やデータを扱うため、論理的思考を得意とする方が向いています。集計した数字から経営状況を分析したり、提案したりする能力が求められるためです。例えば、財務報告の作成や監査、税務計画などの会計に関する業務は、数字を正確に解釈し、改善案や対策を導き出すことが必要です。

数字の背景まで考え、経理の専門家ではない人にもわかりやすく伝えられる能力が求められます。

細部に注意を払える人

経理業務は細かなデータの入力や正確な帳簿の管理を伴うため、細部への注意を怠らない方が向いています。特に、納税や経営に関する業務は、ミスをすると重大な問題に関わるため、仕事上の責任が重い傾向にあります。

小さなミスも見逃さず、慎重に仕事を進められる方は、経理の仕事において強みになるでしょう。

コミュニケーション能力がある人

数字の計算・集計やデータ入力などの1人で行う業務もありますが、複数人と関わるためのコミュニケーション能力も重要です。部署のメンバーで分担して業務を進めたり、集計した数字に間違いがないかを互いにチェックしたりする場合もあります。経費精算においては、他部署に出向いて領収書の内容の確認も行います。

自部署や他部署のメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることで、手続きをスムーズに進められるでしょう。

経理の仕事のやりがい

経理の仕事のやりがいは、財務諸表を読み解く能力があるといった専門的なスキルを身につけられる点が挙げられます。スキルを身につけると、組織のマネジメントに携われる可能性があることも魅力です。

また、日々お金の管理をしているため、会社の経営に不可欠な人材となるため、重宝されやすいでしょう。本項では、経理の仕事のやりがいについて解説します。

専門性が高い

経理の仕事のやりがいは、数字を正確に扱って集計・記録・分析できる高い専門性を身につけられることです。特に、簿記の資格を取得していると、財務諸表を読み解く能力を身につけられます。財務諸表は企業の意思決定に関わるため、重宝されるでしょう。

さらに、スキルを身につけ評価されると、組織のマネジメントや経営戦略などの業務を行える可能性もあります。スキルやキャリアアップする余地があるのも経理の仕事のやりがいの一つです。

会社の経営に関わることができる

経理は、会社の経営の意思決定に関与する場合があります。なぜなら、経理はお金の管理業務が多く、会社の資産や利益を把握しやすいポジションであるためです。したがって、お金の流れを把握している経理は必要とされるでしょう。特に中小企業では、経理スタッフが経営陣から、重要な存在として信頼されるケースが多くあります。

また、経理担当者は日常業務に加え、経営会議で提案する場合もあります。提案が採用されたときの喜びは大きいでしょう。

会社の数字を把握できる

経理の仕事を通じて会社の数字を詳細に理解できる点もやりがいです。各営業のスキルや動き、取引先の財務状況などを明確に把握できるため、会社全体の状況を手に取るように理解できます。

さらに、経理の仕事には数字を正確に合わせる作業も含まれます。金額がぴったり合ったときの達成感は大きく、日々の業務の中でやりがいを感じられるでしょう。

経理の仕事の平均年収

厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」によると、経理職が該当する会計事務従事者の年収は約450万円だそうです。月給で換算すると、約30万円であり、ボーナスは夏冬それぞれ約45万円です。

しかし、年収は年齢や役職、キャリアによって差が生じます。一般社団法人人材サービス産業協議会の2023年の調査によると、経理の年収の相場は以下のとおりです。

年収年齢やスキル、経験など
800~999万円
  • 30代後半~50代
  • 経理の責任者
  • 上場企業での経理財務経験、決算経験など
600~799万円
  • 30代~40代前半
  • 経理の部長候補、課長、リーダー
  • 上場企業での経験、管理職経験など
400~599万円
  • 20代後半~40代
  • 経理のリーダー候補や担当者、経営分析の担当者
  • 経験者で、経理財務、IRで3年以上の経験など
~399万円
  • 20代後半~30代前半
  • 役職なしの担当者
  • 簿記3級以上など

また、企業の規模によって経理の仕事内容や作業量、役職の数などが異なるため、各社の違いが給与水準の差にも影響を与えていると考えられます。

このように、経理職の年収はさまざまな要因によって変動しますが、資格取得や経験を積むことで、より高い年収を目指せるでしょう。

参考:厚生労働省 賃金構造基本統計調査
参考:一般社団法人人材サービス産業協議会 転職賃金相場2023

経理の仕事に役立つ資格

経理の仕事には、以下のような資格が役立ちます。

  • 日商簿記検定
  • FASS検定
  • ビジネス会計検定

新卒の場合は学歴や資格は求められませんが、中途採用では日商簿記2級以上の資格取得が求められる傾向にあります。日商簿記検定では、会計知識だけでなく、実務に必要な財務諸表を読み解く力などを身につけられるためです。

また、FASS検定(経理・財務分野における客観的な実務知識・スキルの習得度を測る検定試験)もおすすめです。経理・財務の実務に特化しており、客観的に実務スキルを図れるため、高い評価を得ています。

さらに、ビジネス会計検定(財務諸表の理解力を養う検定試験)では、財務諸表の数値を理解し、ビジネスに役立てることに重きを置いています。財務諸表を読み解き、実務に役立てたい場合に役立つでしょう。

経理の仕事内容の理解を深めて、キャリアアップにつなげよう

経理の仕事とは、会社の日々のお金の流れを数値化して管理する業務です。現預金の管理や経費精算、決算書の作成などを行います。

向いている人は、論理的思考力をもっている人や細部への注意を怠らない人です。簿記検定2級以上は、経理の仕事に役立つため、積極的に取得しましょう。経理の仕事内容を理解して、業務に役立ててください。


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