• 作成日 : 2023年10月11日

連結決算の対象となる株式保有率は?子会社と関連会社の違いも解説

連結決算の対象となる株式保有率は?子会社と関連会社の違いも解説

子会社の株式保有率によって連結決算の対象となるケースが異なりますが、一般的に重要性の高い子会社が連結決算の対象となります。

本記事では、連結決算の対象となるケースや子会社・関連会社・関係会社の違いについても解説します。株式保有率別の連結決算の対象となる場合について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

持分法適用会社とは

連結決算の対象となる株式保有率は?子会社と関連会社の違いも解説
持分法適用会社とは、親会社が議決権の20%以上50%未満を保有する子会社のことです。持分法適用会社は、親会社が子会社の経営に支配的な影響力を有しているとは認められないものの、財務情報に重要な影響を与えていると認められる場合に、親会社は子会社の純資産および損益の一部を連結財務諸表に反映させます。

持分法適用会社は、連結子会社と異なり、連結財務諸表に資産や負債を計上しません。また、持分法適用会社の純資産や損益は、親会社の連結財務諸表に「投資有価証券」の項目で計上されます。

以下では、持分法適用会社と連結子会社の違いについて解説していきます。

連結子会社との違い

連結子会社とは、親会社が株式の過半数を所有し、子会社の経営に対して支配している会社を指します。親会社が子会社の経営方針や業績に直接的な影響を及ぼせる状態を表しています。

一方、持分法適用会社とは、親会社が20%以上50%未満の株式を保有しているなどにより、一定の影響力を持つ会社のことです。親会社は完全な経営権を持たないものの、投資先企業の経営に対して一定の影響力を有しています。

これら二つの会社形態は、財務諸表の取り込み方において大きな違いを示しているといえるでしょう。連結子会社の場合、親会社が子会社の経営に対して直接的な影響力を持つために、親会社は子会社の全ての収益と費用を自社の財務諸表に取り込む必要があります。

一方、持分法適用会社の場合、親会社は自社の財務諸表に、持分法適用会社からの収益のみを取り込みます。親会社が持分法適用会社の経営に対して間接的な影響力を持つためです。

連結決算や連結財務諸表について詳しく知りたい方は、以下のリンクを参照してください。こちらの記事では、連結決算や連結財務諸表の基本的な知識について詳しく解説しています。

【株式保有率別】連結決算の対象となるケース

連結決算の対象となる株式保有率は?子会社と関連会社の違いも解説
本章では、株式保有率別の連結決算の対象となるケースを3つ紹介します。

  • 株式保有率が50%を超えている場合
  • 株式保有率が40〜50%の場合
  • 株式保有率が0〜40%の場合

株式保有率の値によって子会社に与える影響は異なります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

株式保有率が50%を超えている場合

株式保有率が50%を超える場合、その会社は連結子会社となります。親会社が過半数の議決権を所有し、子会社の経営方針や業績に対して直接的な影響力を持つことを意味しているといえるでしょう。

この状態では、親会社は子会社の全ての収益と費用を自社の財務諸表に取り込まなくてはなりません。

しかし、株式保有率が100%でない場合、つまり親会社が全ての株式を所有していない場合、その差分については特別な取り扱いが必要となります。

100%から親会社の保有株式比率を引いた分だけの損益を、非支配株主持分として財務諸表に反映させなくてはなりません。

仮に、親会社が80%の株式を保有している場合、20%の株式を保有する非支配株主がその分の損益に対する権利を持っているため、損益の20%は非支配株主持分として計上されます。

なお、詳細は省きますが、株式保有率が50%超えている場合にでも持分法適用会社とする場合もあります。

株式保有率が40〜50%の場合

株式保有率が40〜50%の場合、原則として関連会社、すなわち持分法適用会社となります。

親会社が一定の議決権を所持し、投資先企業の経営に対して一定の影響力を持つことを意味しているといえるでしょう。

この状態では、親会社は自社の財務諸表に、持分法適用会社からの収益のみを取り込みます。

しかし、特定の条件下では、株式保有率が40〜50%であっても連結子会社となることがあります。その条件は以下の通りです。

  • 親会社が実質的に子会社の経営を支配している場合
  • 親会社が子会社の財政や業績に大きな影響を及ぼせる場合
  • 親会社が子会社の経営方針を決定する権限を持っている場合

これらの条件が満たされている場合、親会社は子会社の全ての収益と費用を自社の財務諸表に取り込まなくてはならないので、注意しましょう。

株式保有率が0〜40%の場合

一般的に株式保有率が20%以上の場合、その会社は持分法適用会社となります。親会社が一定の議決権を所有し、投資先企業の経営に対して一定の影響力を持つことを意味しているといえるでしょう。

この状態では、親会社は自社の財務諸表に、持分法適用会社からの収益のみを取り込む必要があります。

しかし、株式保有率が0〜40%の場合でも、特定の条件下では連結子会社となることがあります。その条件は以下の通りです。

  • 親会社が実質的に子会社の経営を支配している場合
  • 親会社が子会社の財政や業績に大きな影響を及ぼすことができる場合
  • 親会社が子会社の経営方針を決定する権限を持っている場合

これらの条件が満たされている場合、親会社は子会社の全ての収益と費用を自社の財務諸表に取り込まなくてはなりません。

子会社・関連会社・関係会社の違い

連結決算の対象となる株式保有率は?子会社と関連会社の違いも解説
子会社・関連会社・関係会社の違いは以下の通りです。

  • 子会社:ある会社が株式の過半数を保有するなどにより、経営上の決定権を有する会社のことを指します。ここで言う、ある会社のことを親会社といいます。
  • 関連会社:ある会社が一定の割合(通常は20%以上)の議決権を保有し、経営に影響を及ぼすせるが、親会社と子会社の関係にはない会社のことを指します。
  • 関係会社: ある会社にとって親会社、子会社または関連会社の関係にある会社のことを指します。

次は、子会社・関連会社・関係会社以外で、名称が似ていて混同しやすい名称を紹介します。

その他の間違いやすい名称一覧

本章では、子会社・関連会社・関係会社以外で、名称が似ていて混同しやすい企業形態を紹介します。

  • 完全子会社:親会社が100%の株式を保有している子会社のことを指します。親会社は完全子会社の経営に対して全面的な影響力を持ちます。
  • 特定子会社: 子会社のうち、資本金が親会社の10%以上あるなど企業グループにとって重要な位置を占める会社のことを指します。
  • 持株会社:他の企業の株式を保有し、それらの企業の経営を統括する会社のことを指します。持株会社自体は通常、商業活動を行わず、子会社の経営を行うことに注力します。
  • 連結子会社: 連結決算書上で子会社として資産負債、費用収益を合算している会社のことを指します。
  • 特例子会社:特定の法律に基づいて設立された子会社のことを指します。特例子会社の設立や運営には特別な規定が適用されます。

上記の名称の違いを理解することは、企業の財務状況を正確に把握するために重要な要素です。

まとめ

本記事では、連結決算の対象となるケースや子会社・関連会社・関係会社の違いについて解説しました。会社の株式保有率によって連結決算の対象となるケースが異なるので、注意しましょう。なお、関係会社は関連会社を含む、より広範な会社のことを指します。

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よくある質問

連結決算の対象となる株式保有率は?

連結決算の対象となる株式保有率は、企業の財務状況を理解する上で重要な要素です。株式保有率は、親会社が子会社の株式をどれだけ保有しているかを示す指標であり、それによって子会社の経営に対する親会社の影響力が決まります。 以下に、株式保有率を複数の段階に分けて、それぞれの条件を説明します。

  • 株式保有率が50%以上の場合:子会社は連結子会社となります。親会社は子会社の全ての収益と費用を自社の財務諸表に取り込む必要があります。
  • 株式保有率が20%以上50%未満の場合:子会社は持分法適用会社となります。親会社は自社の財務諸表に、持分法適用会社からの収益のみを取り込みます。
  • 株式保有率が20%未満の場合:子会社は非連結子会社となります。親会社は自社の財務諸表に、非連結子会社からの収益を取り込むことはありません。
上記の理解は、企業の財務状況を正確に把握するために重要な要素となります。

子会社と関連会社の違いは?

子会社と関連会社の違いは主に親会社が持つ株式の割合と、それに伴う影響力の度合いにあります。

  • 子会社:親会社が子会社の株式の過半数(50%以上)を保有している場合、その会社は子会社となります。親会社は子会社の経営方針を決定する権限を持ち、子会社の業績は親会社の連結決算に全額反映されます。
  • 関連会社:親会社が子会社の株式の20%以上50%未満を保有している場合、その会社は関連会社となります。親会社は関連会社の経営に一定の影響力を持つものの、経営方針を直接決定する権限はないことが一般的です。関連会社の業績は親会社の連結決算に持分法に基づいて反映されます。
これらの定義は一般的なものであり、具体的な株式の保有割合や影響力の度合いは、各国の法律や会計基準により異なる場合があります。


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