- 作成日 : 2024年8月22日
セグメント情報とは?分かりやすく解説!
セグメント情報とは会社の売上、利益/損失、資産その他の財務情報を事業単位などの単位(セグメント)に分解した財務情報のことである。上場会社の有価証券報告書などでこれを開示する。
セグメント情報とは
ひとつの会社が複数の事業を行ったり、製造会社と販売会社を分ける事業構造を採用したりしている場合、財務諸表から事業ごとの収益性を判断することが困難である。このため、セグメント情報を作成することにより事業単位の収益性をわかりやすく開示する必要がある。
なお平成22年以降に適用された改正会計基準では、セグメント情報の開示に際して従来採用されていたインダストリー・アプローチからマネジメント・アプローチへの切り替えが行われた。
セグメント情報の考え方
セグメントを事業単位で捉える場合、同一の事業に携わっている親会社内事業部と子会社内事業部は、企業の垣根を越えて「同一セグメント」とみなすべきである。
たとえばA事業において親会社でA製品を製造し、子会社がA製品を販売していたとすると、親会社のA製造部と子会社は同一セグメントに属すると考えられる。また、親会社内のB事業部とA製造部間で行われた取引は親会社の単独決算書においては社内取引として相殺されるが、セグメント情報においてはセグメント間取引として集計される。
同様に親会社B事業部と子会社間の取引は連結決算において相殺されるが、セグメント情報においてはセグメント間取引として集計される。
インダストリー・アプローチとマネジメント・アプローチ
従来の会計基準で採用されていたインダストリー・アプローチとは、財務諸表を産業別・事業別にセグメントして開示する方法である。これに対しマネジメント・アプローチとは、経営者が意思決定や業績評価のために使用する経営情報として、会社を事業の構成単位に分別した方法を基礎としたセグメント情報の開示方法である。
マネジメント・アプローチにおいては、セグメントの区分は経営者の必要とする情報や経営管理に合わせた形で行われているため、経営者が自社の財務情報をみるための視点と整合していなくてはならない。また、マネジメント・アプローチを採用することにより財務諸表利用者が企業の業績を理解し、将来のキャッシュフローの予測を適切に評価することが可能となる。
<関連記事>
財務諸表に関する法的根拠まとめ
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
保守主義の原則とは?具体例から解説
保守主義の原則は、企業会計原則の7つの一般原則のうち6つ目の原則で、一定の状況下において保守的な会計を行うことを要請するものです。今回は、保守主義の原則の意味や必要性、具体例や行き過ぎた保守主義のデメリットについて解説していきます。 保守主…
詳しくみるEDINETとは?有価証券報告書等の開示書類がデータ化され検索も可能!
EDINETは、金融庁が公開している有価証券報告書などを開示閲覧するシステムです。 気になる企業の有価証券報告書の閲覧やダウンロードが簡単にでき、同業他社などの状況を知る目的などにも利用できます。 いつでも誰でも利用できるEDINETについ…
詳しくみるわかりやすくて簡単な会計ソフトを比較する15のポイント
会計ソフトとは、伝票作成や総勘定元帳などの会計処理を効率よく行い、データとして管理するためのソフトウェアです。さまざまな会計ソフトがありますので、自社に合った会計ソフト選びが重要なポイントになります。 わかりやすい操作で、簡単に会計処理を行…
詳しくみる製造業でミスが多い場合の予防策は?発生原因や対策事例を紹介
製造業でミスが多い原因は、主に作業員の不注意や誤認といったヒューマンエラーや、作業環境・ルールの不整備などが考えられます。ミスが起きたときはまず原因を特定し、具体的な対策を考えることが大切です。 本記事では、製造業でミスが多い事例や発生原因…
詳しくみる資本効率とは?代表的な指標や資産効率との違いを解説
資本効率は、企業が資本を活用してどのくらい稼ぎを生み出しているかを表す概念です。この記事では、資本効率の意味や代表的な指標、資本コストとの関係、資産効率との違い、資本効率を高める方法について解説します。 資本効率とは 資本効率とは、企業が株…
詳しくみる【法人向け】会計ソフトの基本機能を一覧で解説!企業会計に必須
経理業務の効率化、資金繰りや経営戦略の上で、会計ソフトはほぼ必須なツールとなっています。法人成りや事業拡大にともない会計ソフトの導入を検討している、あるいは現在使っている会計ソフトから多機能なソフトへの乗り換えを検討しているといったケースも…
詳しくみる