• 作成日 : 2023年5月26日

稟議書とは?必要性や書き方から目的別テンプレートまで紹介

稟議書とは?必要性や書き方から目的別テンプレートまで紹介

稟議書とは、経費で物品を購入する場合や社員の新規採用の場合などに、上長から承認を得るための書類です。しかし、いざ稟議書を書くとなると、書き方がわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、稟議書の書き方や稟議の流れについて解説します。稟議書作成で使えるテンプレートや例文も紹介するので参考にしてください。

稟議書とは?

稟議書とは、自身の権限では決められない事案に関して、社内で回覧し、複数の関係者に承認や決裁を得るための書類です。「立案書」と呼ばれることもあります。

稟議書が必要なケースは、新規取引先との契約、会社の経費を使った備品購入や会食、従業員の採用などです。これらは、稟議書で承認や決裁を経て、はじめて進めることができます。

一般的には、稟議書を回覧して承認を得るまでを「稟議を上げる/かける」といいます。承認された状況は「稟議が下りる/通る」と表現します。

稟議書の必要性・目的

稟議書の目的として、他部署との連携や情報共有をスムーズにすることが挙げられます。稟議書を複数の部署に回覧することにより、事案の内容や合意について共通認識が持てることもポイントです。

また、稟議書を活用することで複数関係者の合意を得る会議が不要となることもあり、承認までの時間や工数の短縮が可能になります。

稟議と決裁の違い

稟議と決裁は、どちらもよく使われる言葉です。

稟議とは、関係者の承認を得るための手続です。稟議書は複数名で回覧し、下位の承認者から順番に承認していきます。

一方、決裁とは稟議書の内容に対する最終的な判断を下す手続です。複数では行わず、決裁者のみが行います。

稟議と起案の違い

起案とは、社内で実行したいことについて原案を作ることです。起案の際に作成した原案が、起案書となります。起案は稟議の始まりともいえるでしょう。

稟議と起案は、原案を作り承認を得るプロセスである点で似た手続です。近年は、稟議と起案、稟議書と起案書を同じ意味として捉えるケースも増えています。

稟議(承認・決裁)の流れ

一般的な稟議は、稟議書の作成、提出、承認、決裁という流れです。「直接決裁」といって、承認を経ず申請から決裁にいくパターンもあります。

それぞれの手順について、解説します。

稟議書の作成・提出

稟議書には、稟議にかけたい内容をわかりやすく記入します。目的に沿ったフォーマットやひな形を使うと良いでしょう。多くの企業では、稟議書に番号をつけて管理しています。提出者側で番号の取得が必要な場合は、管理番号を取得して記入しましょう。

稟議書が完成したら、直属の上司に稟議書を提出します。

承認・決裁

稟議書の承認経路は社内規定などで定められており、稟議の種類によって経路が異なることもあります。直属の上司から順に、上層へ向かって承認を得るような形が一般的です。最終的に決裁権限のある者による決裁が下りると、稟議書に記載した計画が実行できるようになります。

稟議書の内容に不備や疑問点があると、差し戻しや却下となる可能性があります。差し戻しや却下になった場合は、稟議書を修正して再提出しましょう。

稟議書の決裁には時間がかかることもあります。必要事項が漏れていないか、稟議の目的やメリットが記載されているか、提出前に必ず確認しましょう。

稟議書の書き方

ここからは稟議書に記載すべき内容と、稟議書を作る際の注意点について解説します。

フォーマットに沿った稟議書の例文も合わせて紹介しますので参考にしてください。

稟議書の記入必須項目

稟議書の記入必須項目は、作成日、起案部署・起案者氏名、件名、稟議内容、添付書類、決裁者所見です。それぞれについて解説します。

稟議書の書き方

作成日

作成した日付を入力します。和暦と西暦は、社内の規定に合わせましょう。

起案部署・起案者氏名

起案者が属する部署名と本人の氏名を入力します。部署名は正式な名称を記載しましょう。

件名

稟議内容がすぐわかるよう、件名は要点を絞って簡潔に記載します。

稟議内容

稟議内容への記載は、稟議書の目的、背景、趣旨、具体的な申請内容です。

具体的な申請内容は、稟議を通すメリット、必要な予算・物品・時間、得られる効果などが挙げられます。

添付書類

契約書や見積書、履歴書・職務経歴書など、稟議に必要な書類を添付します。

決裁者所見

稟議書を見た決裁者からの意見や疑問点が記載される欄です。こちらから何か書く必要はありません。

稟議書のフォーマット・例文

新規にタブレット端末を導入する場合に、上記のフォーマットに沿った稟議書の例文を作成しました。実際に稟議書を作成する際の参考にしてください。

2023年4月15日
第一営業部 山田一郎

総務部で使用するタブレットの購入について

下記のとおり、総務部で使用するタブレットを購入したく、お伺いいたします。

  1. 背景・理由営業部では、営業提案の説得力を高めるため、印刷したパンフレットや各種資料を持ち歩いていました。タブレット端末があれば、資料運搬の負担が減り、今以上に営業活動を効率的に進められると考えています。
  2. 購入内容対象製品名:○×社製 タブレット○○ ○○型

    価格:1台48,000円

    数量:8台(営業部員8名に1人1台貸与するため)

  3. 導入効果営業部員へのヒアリングの結果、現在、営業部員が資料を準備するために、1週間あたり30分必要との結果が出ました。タブレットの導入により、1週間あたり30分の所要時間の軽減が見込まれます。

    また、顧客に提示する資料の印刷にかかる費用は、1商品あたり500円です。1商品のリリースの度に500円×8名=4,000円必要な費用の削減も想定できるため、タブレットの導入を希望します。

  4. 使用開始希望日2023年6月1日

    「○×社製 タブレット」パンフレット

    営業部員アンケートの結果(資料準備時間、タブレット使用により想定される効果)

書き方のポイント・注意点

長い文章は読みづらく内容を把握しづらいため、稟議書の文章は要点を簡潔にまとめましょう。

専門用語は、多くの人が理解できる言葉に置き換え、どうしても専門用語が必要な場合は注釈をつけるようにしましょう。

箇条書きやナンバリングの活用もおすすめです。

調べたデータを載せることで、説得力が増します。しかし、データをすべて掲載すると本題が見えにくくなるため、稟議書には必要な情報のみを掲載しましょう。

稟議を通すことによるメリットやデメリット、現時点で想定される課題や問題も書きましょう。ここで、デメリットも包み隠さず書くことが大切です。デメリット以上のメリットや解決策があることがわかれば、稟議は通りやすくなります。

稟議を通す前の根回しも重要です。「こういう稟議を通します」と、上司や関係者に事前に話をしておくことで、「事前の話のとおりだ」と関係者が納得してくれるため、スムーズに稟議が通るようになるでしょう。

稟議書のテンプレート

稟議書の作成には、テンプレートの利用が便利です。稟議書のテンプレートは以下URLのページからダウンロードできます。

稟議書のメリット

稟議書を活用することにより、さまざまなメリットや効果が生まれます。

代表的な稟議書のメリットを3点紹介します。

会議を開くことなく承認を得られる

稟議書を作成することで、会議を開かなくても関係者の承認が得られます。会議がなくなることで、会議の時間やスケジュール調整の手間が省け、自分の業務に割く時間が増えます。

全体の流れが把握できる

稟議書は「いつ誰が何をどのように提案したか」が簡潔にまとめられている書類です。今後の計画や動きがわかりやすく書かれているため、全体の流れを把握できます。稟議書は記録としても残るため、いつ、誰が、何を承認したかの証拠にもなります。

検証と改善により内容の濃い意思決定が可能

稟議書は、回覧する過程で関係部署からの問題点の指摘や改善案の提案が加わります。これにより、稟議書を作成した段階よりも申請内容が改善される点も稟議書のメリットです。

稟議書のデメリット

稟議書には、メリットだけでなくデメリットもあります。稟議書の導入で想定されるデメリットを3点紹介します。

作成に時間と労力がかかる

稟議書作成には時間がかかり、他の業務を圧迫する可能性があります。とくに、稟議書の作成に不慣れな人や文章を書くことが苦手な人は、稟議書作成により時間がかかってしまうでしょう。

さらに、稟議書の内容に専門的な情報が含まれる場合、専門外の部門にその分野について理解してもらう労力も必要となります。

承認までに時間がかかる

複数名に稟議書を回すと、そもそも承認までに時間がかかります。稟議書の差し戻しや承認者の不在が原因で、承認作業がスムーズに進まない場合もあります。稟議書の承認が遅くなることにより、新規契約や新規採用といったビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

近年、稟議書の承認や決裁を電子化する動きも出ています。稟議書電子化のメリットは、承認までの時間を短縮できることです。承認までの時間を短縮したい場合、電子化を検討すると良いでしょう。

責任の所在が不明確になる恐れがある

稟議書の承認は、1人ではなく必ず複数名で行われます。複数名で承認することにより、承認者個々の稟議書に対する責任感が希薄になってしまう可能性があります。

責任感が希薄になることにより、トラブルやミスでの責任の所在が不明確になるかもしれません。あらかじめ、責任の所在を上司に確認しておくと良いでしょう。

稟議書にはスムーズに決裁を得るための書き方がある

稟議書とは、複数の関係者から承認や決裁を得るための書類です。スムーズに決裁を進めるために、必須の記載事項や書き方のポイントなどを押さえておきましょう。

稟議書には、会議を開かずに稟議を通せるメリットがあります。しかし、複数名に依頼することや承認者不在により承認に時間がかかる点がデメリットです。

近年、稟議書を電子化する動きがあります。稟議書の電子化のメリットは、承認までの時間を短縮できることです。今後稟議書の電子化により、業務の効率化や、稟議を通す際の申請者や承認・決裁者の負担が軽減されることが期待されます。

よくある質問

稟議書とはどのような書類ですか?

稟議書とは、備品購入や新規取引先との契約など、個人では決定できない事案を社内で回覧し、複数の関係者から承認や決裁を得るための書類です。会議を開くことなく承認と決裁を得られるメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

稟議書にはどのような項目を記載すれば良いですか?

稟議書には、作成日、起案部署・起案者氏名、件名、稟議内容、添付書類、決裁者所見を記載します。稟議内容には、稟議書の目的、背景、趣旨、メリット、予算、物品、時間、得られる効果を簡潔に記載しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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