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  • 更新日 : 2021年6月10日

飲食店の損益計算書の見方、作り方を例から解説

飲食店の損益計算書の見方、作り方を例から解説

損益計算書ってそもそもなに?」「どうやって作ればいいの?」
この記事では、そのような疑問がある方向けに損益計算書を飲食店に特化して、わかりやすく説明していきます。

結論から言うと、損益計算書は事業を行う上で必須のツールであり、確定申告時にも作成することになります。特に飲食店では、毎日のように売上があるため、エクセルに入力するのも楽ではありません。会計ソフトで効率化することにより簡単に損益計算書を作成しましょう。

損益計算書とは?

損益計算書とは、一定期間の経営成績を表すものです。
損益計算書の計算に従って利益を計算することで、経営が良好な状態かどうかがわかり、経営を改善するきっかけを発見しやすくなります。

また、飲食店に限らず事業を行っていく上で、損益計算書は必須の書類です。
事業者であれば、感覚的に利益が出ているか損しているかがわかりますが、数値としてまとめてみることで感覚に頼らない分析が可能になります。
確定申告でも損益計算書を作成することになるため、損益計算書を作成しないという選択肢はありません。

飲食店の損益計算書項目

損益計算書には、さまざまな項目が表示されますが、事業内容によって実質的な意味が異なります。ここでは、各項目と飲食店ではどのようなものが該当するかを例として、説明していきます。
初めのうちは、営業外収益より下は重要ではないため、参考程度にしてください。

項目意味と例
売上本業の収益を表します。
例:料理の代金やテイクアウトの料金など
売上原価売上に直接対応する費用を表します。
例:料理の材料費、テイクアウトの容器費用など
販売費及び一般管理費本業で売上に間接的に影響する費用を表します。
例:店舗の賃借料や人件費など
営業外収益本業に関係ない収益を表します。
例:貸付金の受取利息や株式の配当金など
営業外費用本業に関係しない費用を表します。
例:借入金の利息など
特別利益臨時で発生する収益を表します。
例:設備や道具の売却益など
特別損失臨時で発生する費用を表します。
例:設備や道具の売却損や災害による損失など
法人税利益に対して課税される税金を表します。
例:法人税、法人住民税、事業税など

飲食店の損益計算書の見方

損益計算書は、各段階に分けた利益を計算するものです。
各利益の意味を知ることで、損益計算書を理解できます。
それぞれ、利益の計算式と意味を確認していきましょう。

売上総利益

売上総利益の計算式は以下の通りです。

売上総利益 = 売上 - 売上原価

損益計算書の各項目でも説明しましたが、売上は料理の代金のことで、売上原価は料理に直接関係する材料費などの費用です。
これらを差し引いて計算した売上総利益は、商品力を表します。

また、飲食店の売上総利益は、大きいことが望ましいです。反対に、売上総利益が小さいと安く売りすぎているまたは、商品力が弱いことを意味しています。

補足として、商品力という意味では材料費だけでなく、人件費も発生します。後述しますが、商品のコストという意味で、材料費と人件費を考慮するFL率という分析があります。

営業利益

営業利益の計算式は、以下の通りです。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

営業利益は、売上総利益から本業に関係する費用を差し引いた利益のため、本業の成績を表します。簡単に言うと、飲食店として利益が出ているかどうかを判断する利益です。

また、飲食店の営業利益は、大きいことが望ましいです。反対に、営業利益が小さい場合は商品力の問題を除いて、店舗として費用がかかりすぎていることを表します。
具体的には、人を雇いすぎていることや広告宣伝費がかかりすぎていることなどの原因があります。販売費及び一般管理費は内訳項目が多いため、さらに、その詳細を分析することが大切です。

経常利益

経常利益の計算式は、以下の通りです。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

経常利益は、事業としての成績を表す利益です。

営業外損益は、資産運用の成果(株式の配当金や借入金の利息)のため、飲食店によってさまざまです。借入金が大きい場合は支払利息が大きくなり、余剰資金をうまく運用している場合は運用収益が大きくなります。

税引前当期純利益

税引前当期純利益の計算式は、以下の通りです。

税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失

税引前当期純利益は、税金を支払う前の最終的な経常成績を表します。
特別損益は、臨時的な要因で発生する損益のため、さまざまな影響を受けることがあります。

当期純利益

当期純利益の計算式は、以下の通りです。

当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等

当期純利益は、税金を差し引いた最終的な経営成績を表します。

当期純利益はここまで計算したようにさまざまな要因が反映された利益で、マイナスの場合は赤字と呼ばれることもあります。
飲食業では、一般的に営業利益、売上総利益が重要であり、その次に、当期純利益が重要視されます。

損益計算書を飲食店経営に活かすには?

ここまで損益計算書の各項目と利益の意味について説明しました。単純に損益計算書に従って各利益をみるだけでも意味がありますが、ここからはさらに飲食店の分析に役立つ方法を説明していきます。

営業利益率

営業利益率とは、正式には売上高営業利益率のことです。

計算式は、以下の通りです。

営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)

計算式の意味は、売上高のうち営業利益として残る部分の割合を表しています。
飲食業の目安として、5%から10%程度が目安になります。
もし、5%を下回っている場合は、販管費がかかりすぎていることや商品の販売単価が安いことなどの原因が考えられます。

補足として、営業率が低いからといって、必ずしも問題があることになりません。営業利益率が低くても、営業利益の金額が十分に大きく経営上の問題がないケースもあります。

FL率

FL率とは、F(food cost)とL(labor cost)の頭文字を取り、売上高で割った比率のことです。具体的にF(food cost)は、主に材料費などの料理の原価で、L(labor cost)は、社員やパートの人件費などの労務費です。

FL率の計算式は、以下の通りです。

FL率(%) = ( 材料費などの原価 + 人件費 ) ÷ 売上高 ×100(%)

損益計算書の説明で、売上総利益は商品力を表す利益と説明しました。
ただし、飲食店では料理の原価だけでなく、調理をして提供する人の人件費も売上に直接関係する費用となります。そのため、FL率では材料費などの原価と人件費を売上に直接関係する費用と位置付けて、その比率を計算しています。
人件費も含む商品の費用という意味でFL率は、売上総利益よりも商品力を表しているでしょう。

また、一般的にFL率は50%以下が望ましいと言われています。
反対に、FL率が50%以上だと、それだけ材料費と人件費がかかっていることを意味するため、結果として営業利益が小さくなります。

損益分岐点売上高

損益分岐点売上高とは、費用と売上がイコールになる売上高のことです。
つまり、損益分岐点を下回ると赤字になり、上回ると黒字になります

損益計算書では、各費用を商品力や本業などの各段階で分類していました。
損益分岐点売上高を求めるには、損益計算書の分類とは別に各費用を販売数量と比例するかどうかで変動費固定費に分類します。

なお、変動費と固定費は以下の通りです。

変動費販売数量に比例して増える費用
例:材料費、テイクアウトの容器代、水道光熱費など
固定費販売数量に関係なく発生する一定の費用
例:人件費、店舗の賃借料など

損益分岐点売上高を求める計算式は、以下の通りです。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ {(売上高 - 変動費) ÷ 売上高 }

さらに、上記の式で損益分岐点売上高を把握したら、その売上高を販売単価と販売数量に分解しましょう。
損益分岐点売上高の販売数量は、最低限販売しなければいけない販売量になります。

飲食店の損益計算書はどうやって作る?

損益計算書を作成する方法は、エクセルを使用する方法と会計ソフトを使用する方法の2つがあります。

エクセルを使用する方法

エクセルで損益計算書を作成するには、簿記の知識が多少必要になります。

まず、飲食店の資金が動くたびに、仕訳という形式で1つひとつの取引を入力しなければいけません。特に飲食店では、ほぼ毎日売上があるため、毎日エクセルに入力することになります。ただ、まとめて週単位や月単位で入力しても問題ありません。

次に、月単位で入力が終わったら、科目別に集計することで損益計算書を作成することができます。

会計ソフトを使用する方法

マネーフォワードクラウド会計では、ネット上のデータを自動で仕訳にすることが可能です。さらに、仕訳データから自動集計で損益計算書を作成することが可能です。

ただし、現金取引は基本的にデータにならず仕訳になりませんが、POSレジを導入していれば自動仕訳が可能です。

POSレジを導入している飲食店であれば、マネーフォワードクラウド会計とPOSレジを連携することが可能で、日々の仕訳を自動化することが可能です。

さらに、マネーフォワードクラウド会計は、損益計算書を作成することはもちろんのこと、キャッシュフローレポートや試算表なども自動作成することが可能です。

損益計算書で飲食店の経営を改善しよう

これまで見てきたように、損益計算書は飲食店経営に活かすことができます。うまく活用しすれば、事業をさらに成長させることもできるでしょう。

よくある質問

損益計算書とは?

損益計算書とは、一定期間の経営成績を表すものです。作成した損益計算書を見ることで、経営の状態や、経営を改善するきっかけを発見しやすくなります。詳しくはこちらをご覧ください。

飲食店に役立つ損益計算書の分析方法は?

営業利益率やFL率、損益分岐点売上高などの指標を用いることで、経営の好転につなげることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

飲食店の損益計算書は何で作成する?

一般的には会計ソフトまたはエクセルを用いて作成します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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