• 作成日 : 2022年1月27日

棚を購入、設置した場合の勘定科目についてわかりやすく解説

棚を購入、設置した場合の勘定科目についてわかりやすく解説

会社に置く本棚や倉庫、工場で道具などを置くために購入した棚は、購入費を経費として計上することが可能です。本記事では、棚を購入して設置した際の勘定科目や仕訳について詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。

棚を購入した際の勘定科目

棚を購入した際には、基本的に「消耗品費」や「工具器具備品」もしくは「一括償却資産」の中から適切な勘定科目を選んで仕訳します。これらの勘定科目は、棚の購入金額によってそれぞれ使い分けていくものです。

まず、消耗品費は10万円未満のものにしか使えません。10万円以上の場合は、工具器具備品として仕訳しましょう。また、10万円以上20万円未満の棚は、一括償却資産として仕訳が可能です。各勘定科目の詳細について解説します。

消耗品費

10万円未満の棚は「消耗品費」として経費計上しましょう。消耗品費として計上できるのは、取得価額が10万円未満であること、または使用可能期間が1年未満のものに限られているので注意してください。

例えば、5万円の棚を現金で購入した場合の仕訳例は以下のようになります。

借方
貸方
消耗品費
50,000円
現金
50,000円

上記のように借方に「消耗品費」、貸方は「現金」と記載します。

また、経費に使われる勘定科目として消耗品費とよく似ているものに雑費があります。この消耗品費と雑費の違いについては、以下の記事を参考にしてください。

工具器具備品

取得価額が10万円以上の棚は「工具器具備品」として資産計上します。工具器具備品で資産計上する際には、金属製の棚なら耐用年数15年、 その他(金属製以外)なら耐用年数8年で減価償却しましょう。

例えば、24万円の木製の棚を購入し、銀行振込で支払ったときの仕訳は、以下のとおりです。

借方
貸方
工具器具備品
240,000円
普通預金
240,000円

決算時に木製の棚の耐用年数8年で減価償却します。棚の取得価額24万円を耐用年数8年で割りましょう。
借方
貸方
減価償却費
30,000円
工具器具備品
30,000円

工具器具備品についての詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。

一括償却資産

10万円以上20万円未満の棚は、「一括償却資産」として資産計上できます。一括償却資産として資産計上した場合は、通常の耐用年数(8年または15年)による減価償却ではなく、3回(3年)の均等償却です。もし、年途中で購入したとしても月割計算をしません。

参考:No.2100 減価償却のあらまし

例えば、18万円の棚を一括償却資産として仕訳する場合は、以下のとおりです。

借方
貸方
一括償却資産
180,000円
現金
180,000円

そして、決算時に減価償却した際の仕訳は以下のようになります。
借方
貸方
減価償却費
60,000円
一括償却資産
60,000円

上記の仕訳を計3回(3年)で均等償却しましょう。今回の事例であれば、棚の購入費の18万円を3等分して、減価償却費は6万円です。

一括償却資産の内容やルールなどは以下の記事を参考にしてください。

少額減価償却資産となる場合

中小企業等は、条件を満たすことで「少額減価償却資産の特例」が適用可能です。特例の条件は、従業員数が1,000人以下(令和2年4月1日以後に取得などする場合は500人以下)で資本金または出資金が1億円以下の法人であることなどが挙げられます。

参考:国税庁 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

少額減価償却資産は、取得価額30万円未満のものに対して使用可能で、全額を損金処理することが可能です。工具器具備品や一括償却資産よりも当年度の節税効果は大きくなるため、30万円未満の棚は少額減価償却資産として計上することを検討しましょう。

ただし注意点があり、事業年度の少額減価償却資産の合計は300万円までと決められています。もし少額減価償却資産として頻繁に計上している場合は、合計300万円までという制限を超えていないか確認してください。

また、特に急成長をしている企業は、当年度の節税効果よりも来年度以降も継続して節税効果があるほうがよいという場合も考えられます。その場合は、金額に応じて一括償却資産や工具器具備品を使いましょう。

個人事業主の方は以下の記事もぜひご覧ください。

棚の設置に工事が必要な場合の勘定科目

棚の設置に工事が必要な場合は、通常の棚としての勘定科目で仕訳できません。棚の設置工事をした場合、建物の改築工事として扱われ、附属設備になる可能性が高いためです。したがって、「建物附属設備」の勘定科目を使用しましょう。

工事が必要な棚と不要な棚は分けて仕訳する必要があります。決算時に減価償却する際には、棚によって耐用年数が違うので混同しないように注意してください。

建物附属設備

「建物附属設備」は「付属設備」とも呼ばれていて、空調設備(エアコン)やボイラー設備、自動ドアなどの仕訳でよく利用されています。棚の場合は、壁などに設置工事をした際に「建物附属設備」として仕訳しなければなりません。会社のオフィスや工場だけでなく、倉庫の中などに設置工事した場合も同様です。

注意点は、建物附属設備として資産計上する場合、棚の材質によって耐用年数が異なることです。木製などのような金属製以外の棚であれば10年、金属製の棚は18年で減価償却します。

例えば、設置工事が必要な棚(木製)の代金15万円を銀行振込で支払ったときの仕訳は、以下のとおりです。

借方
貸方
建物附属設備
150,000円
普通預金
150,000円

借方には「建物附属設備」を記載して、銀行振込で支払っているので貸方は「普通預金」と仕訳します。

決算時に減価償却(棚の耐用年数:10年)をしたときの仕訳は以下のとおりです。

借方
貸方
減価償却費
15,000円
建物附属設備
15,000円

棚の勘定科目について正しく理解しましょう

棚を経費として計上する場合は、取得価額や少額減価償却資産の特例が利用できるかによって仕訳する勘定科目が異なります。

10万円未満の棚なら「消耗品費」、10万円以上20万円未満なら「一括償却資産」、20万円以上は「工具器具備品」で仕訳しましょう。

また「少額減価償却資産の特例」を利用できる事業者の場合、30万円未満であれば「少額減価償却資産」として仕訳することも可能です。ぜひ活用してみてください。

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よくある質問

10万円未満の棚を仕訳する際の勘定科目は?

「消耗品費」で仕訳します。棚が10万円以上の場合は、金額や事業者によって「工具器具備品」や「一括償却資産」または「少額減価償却資産」などの勘定科目を使い分けます。詳しくはこちらをご覧ください。

棚の設置工事をしたときの勘定科目は?

棚を壁などに設置する工事が必要な場合は、「建物附属設備」で仕訳します。棚の材質が金属製なのか金属以外なのかにより耐用年数が異なるので注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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