• 更新日 : 2024年8月8日

会計とは?業務内容や経理との違い、効率化の手法を解説

企業の経理担当者や財務担当者などにとって、会計はよく耳にする言葉のひとつかもしれません。一般でも、国の歳入・歳出について一般会計と言ったり、マイナス面では企業の不正会計で「会計」という用語が使われたりすることがあります。それでは、会計の世界における「会計」とは何なのでしょうか。この記事では、会計の分類や財務、経理、簿記との違い、会計業務の流れや効率化のポイントについて紹介していきます。

会計とは何か?

会計とは、企業や公的機関などの経済主体が、経済活動における金銭などの収支を認識して記録し、さらに結果としての財政状況や経営成績を利害関係者に報告する一連の行為を言います。

ここでの利害関係者(ステークホルダー)とは、企業内部の経営者や管理職、企業外部の株主や金融機関などの債権者、取引先や顧客をはじめ、官公庁や地域住民、社内の従業員など、利害関係が生じるあらゆる人や組織のことです。つまり、関連する人や組織に広く会社の財政状態や経営成績を報告することが会計の目的と言えます。

会計の分類

会計の分類において、代表的なものをいくつか取り上げます。

企業会計

企業会計とは、営利を目的として活動する企業における会計のことを指します。詳細は後述しますが、企業会計は、報告の目的が内部であるか外部であるかによって、財務会計管理会計に区分されます。

公会計

公会計とは、国や地方公共団体などの公的機関による会計のことを指します。日本における国の公会計は、予算や決算が国会に報告され、国民に対して情報を開示することに重点が置かれたものです。

公会計については、企業会計と比較したとき、保有資産の状況がわかりにくい、特殊法人などとの連結財務情報について公共部門の財務状況の全体が把握しにくい、事業ごとのコストが把握しにくいといった課題があります。

公会計の問題を改善するためにも、企業会計の考えを取り入れる動きが進められており、1998年(平成10年)の決算より国の貸借対照表(試案)を作成し公表するなど、わかりやすい情報開示に向けたさまざまな取り組みが行われています。

財務会計

財務会計とは、企業会計のうち、企業外部の利害関係者に対して会計情報を開示することを目的とした会計のことです。法律による規制を受ける制度会計と、法の規制を受けない非制度会計(情報会計)に分類されます。

特に重要なのが、制度会計です。制度会計には、債権者保護を重視した「会社法会計」、投資家保護を重視した上場企業などが遵守する必要のある「金融商品会計」、適切な税額算定を目的とする「税務会計」があります。

管理会計

管理会計とは、企業会計のうち、企業内部の利害関係者、特に経営者や管理者に対して、経営的な意思決定に役立つ情報提供を行うことを目的とした会計です。企業内部で使用されるものですので、制度会計のような法的な規制はなく、手法や作成する資料は企業により異なります。

代表的なのが、これまでの業績をもとに直近の予算を策定する「予算管理」、予算と実際値を比較する「予実管理」、固定費回収がどれだけの売上で回収できるか計算する「損益分岐点分析」、経営状況を数値的に把握する「経営分析(財務分析)」です。製造業などでは、売上に対応するコストを算定する「原価管理」も行われます。

会計と財務の違い

財務とは、将来の資金計画を立て、お金の管理を行いながら、必要に応じて資金調達を行うことです。一方、会計は経済活動で生じた金銭の収支を記録して、最終的に利害関係者に対してその会計主体の財政状態や経営成績を開示することが目的です。

会計は、記録して企業の状況の利害関係者に報告するまでを指しますが、財務は資金調達を行うなど会計情報を活用して経済活動を計画的かつ円滑に進めるための活動であることが異なります。

大企業などでは財務部門を設置してCFO(最高財務責任者)と呼ばれる財務責任者を置くこともありますが、中小企業では経営者などが財務を担ったり、税理士や公認会計士などの専門家に財務の相談を行ったりすることも多いです。

会計と経理の違い

経理とは、経済活動に関わるお金や取引の流れを日々記録し、管理することです。具体的には、伝票作成や仕訳データの入力、請求書の作成、各種帳簿への記帳、固定資産台帳の管理などを通して記録やデータの管理を行います。

会計は、経済活動にともなう金銭などの損益を記録し、利害関係者に報告することですので、経理は会計の業務のうち、取引の記録・管理・決算書を作成する部分までを表していることがわかります。会計の中に経理業務が含まれているイメージです。

会計と簿記の違い

簿記とは、日々の経済活動による取引を計算、整理して、帳簿に記入し、年度ごとに決算書を作成することを指します。会計も、日々の取引を記録して報告する点は同じですので、簿記と会計はほとんど同じ意味で使われることもあります。

会計と簿記で違いを挙げるとすれば、会計は管理会計や財務会計など、会計の種類によって目的に違いがあることです。簿記は各年度の決算書の作成までを表しますが、会計は、さらにその先の利害関係者に対応した会計と会計報告までを表します。

会計業務の流れ

会計業務はどのような流れで行われるのか、企業会計を例に、日々の業務、月次業務、年次業務に分けて一連の流れを説明します。

日々の業務

会計の基本は、経済活動による取引や金銭などの収支を日々記録していくことです。銀行口座の入出金明細の取得や発行された領収書の整理を行い、伝票を作成し、帳簿に記録していきます。なお、日々伝票処理や帳簿処理を行っていても、金額の記録の誤り等により預金や現金の実際残高と帳簿上の残高が一致しなくなることもあります。実際の残高と帳簿上の残高に相違はないか確認するのも日々の業務のひとつです。

月次業務

月次業務とは、月1回発生するような、給与支払いにともなう記帳、末締めなどでの請求書作成時の売上の記帳、社会保険料などの納付にともなう記帳などのことです。これにともない、取引先への買掛金の支払い、取引先からの売掛金の入金確認なども付随業務として発生します。

また、企業の方針によっては月次決算が行われることもあります。月次決算とは、帳簿を月で締め、決算整理仕訳を行ったあとに、決算書を作成する一連の手続きのことです。月次決算には、経営状況を月単位で素早く確認することで早期に事業戦略を練ることができるというメリットがあります。しかし、月ごとに決算を行うと担当者の負担も増えることから、月次決算に代えて月次試算表を活用する企業も見られます。

年次業務

年次業務とは、年に1回発生するような年末調整に関連する記帳、決算書の作成、税務申告書類の作成、予算作成などを指します。中でも重要なのが、会計の目的である利害関係者への会計報告です。すべての会社は会社法に基づいて、(上場企業などの一部の企業は金融商品取引法に基づいて)有価証券報告書等を作成します。子会社や関連会社を有する企業は、連結財務諸表の作成も必要です。

また、企業は年間の所得などに基づき納税する義務を負います。会社法などとは異なる、税法に基づいた税務申告書の作成も必要です。税務申告書の作成は高度な知識が求められることから、中小企業においては税の専門家である税理士に依頼して作成してもらうことも多いです。

会計業務を効率化するには?

日々の伝票の作成や帳簿への記帳から決算まで、すべてを紙で行うのは業務負担も多いですし、業務をこなすのも困難です。表計算ソフトなど、既存のシステムを利用して会計処理を行う方法もありますが、データを容易に連携できないなど不便な部分もあります。

会計業務を効率化したいなら、会計ソフトの導入を検討してみましょう。会計ソフトなら、マネーフォワードクラウド会計がおすすめです。

マネーフォワードクラウド会計の特長は、銀行口座やクレジットカード、POSシステムをはじめ、さまざまなデータと連携できること。データ連携でデータの自動取得と自動仕訳が行われるため、データを見ながらその都度入力する手間を省けます。

さらに、マネーフォワードクラウド会計なら、入力したデータをもとに、決算書の作成、キャッシュフローなどのレポートの作成も自動で行われます。必要な情報をリアルタイムで把握し、事業戦略に生かしていくことが可能です。

また、クラウド上で使用できるため、顧問税理士にその都度データを送付する必要がなく、いつでも最新のデータを共有できます。顧問税理士とのスムーズなやり取りにも便利です。

日々業務が発生する会計は効率化がカギ

会計は、日々の取引や金銭などの収支を記録し、利害関係者に報告することを指します。企業においては、会社法会計だけでなく、税務申告に関わる税務会計、企業内部への報告を目的とした財務会計も考えなくてはならないことから、幅広く会計業務を行う必要があります。滞りなく、かつ適切に会計を行うには、会計ソフトの導入が重要です。会計業務効率化のためにも、幅広い業務に対応でき、業務負担を大幅に軽減できるような会計ソフトを選択しましょう。

よくある質問

会計とは何ですか?

会計とは、企業などの経済主体が、経済活動での金銭等による収支を認識して記録し、利害関係者に報告することです。詳しくはこちらをご覧ください。

会計と経理との違いは?

経理は日々の取引や収支を記録・管理することで、経済活動による金銭の収支や取引を記録し利害関係者に報告する会計の一部分を表します。詳しくはこちらをご覧ください。


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