• 更新日 : 2020年9月17日

経理の資格・検定はコレ!担当者がスキルアップのために知っておくべき4つ

経理担当者としてスキルアップを望むのであれば、実務の積み重ねはもちろんですが、資格や検定を目指して勉強をしてみてはどうでしょうか。

ここでは「資格」として公認会計士資格と税理士資格を、「検定」として簿記検定及び経理・税務スキル検定を、それぞれの資格の概要や魅力、受験費用などと共に紹介しています。

経理の資格はコレ!公認会計士・税理士

公認会計士資格を持つ人の仕事内容と試験概要

公認会計士とは「会計・監査のプロフェッショナル」です。会計や監査は企業活動に必須のものなので、取得すれば活躍の場が大幅に広がるでしょう。経理のスペシャリストとしてだけでなく、経営者のアドバイザーとして多方面のアドバイスをしたり、ベンチャー企業の株式公開や立ち上げに関わるといった未来も開けます。

公認会計士の資格試験は「短答式(マークシート方式)」と「論文式」による筆記テストで行われます。短答式は財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法についてのテストです。それに合格すれば会計学や監査論、企業法、租税法及び選択科目(経営学、経済学、民法、統計学からあらかじめ1科目選択)についての論文式のテストを受けられます。

年齢や性別等による受験資格の制限はなく、受験手数料19,500円を支払えば誰でも受験可能です。両方の試験を合格し、かつ実務経験(2年以上の業務補助等や日本公認会計士協会による修了考査)を積んで初めて公認会計士として登録されます。

税理士資格を持つ人の仕事内容と試験概要

税理士とは「税務のスペシャリスト」です。経理として働いていれば、外部の税理士とやり取りをした経験があるかもしれません。

税務署などに提出する税務書類の作成はもちろんのこと、会計業務についての知識も身につくので、財務書類の作成や会計帳簿の記帳なども、専門的な知識を背景に、自信を持って行うことができます。自分次第では税理士としての「独立」もあり得るでしょう。

現行の税理士試験は、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(法人税法所得税法・相続税・消費税又は酒税法・国税徴収法・住民税又は事業税・固定資産税)のうち選択した3科目(法人税法又は所得税はいずれかを必ず選択する必要があります。)について行われます。日程は例年7月下旬から8月下旬までの連続する3日間にわたって、朝9時から夕方17時(又は17時30分)までとなります。

場所は北海道や東京都、愛知県や大阪府、広島県や福岡県など15カ所に限定されています。前述の日程が平日であることも考えると、会社員の場合は雇用者とも相談しながら、受験する必要があるでしょう。

また、公認会計士とは違い、税理士試験には受験資格が必要となります。複数設けられている受験資格のうち、1つでも当てはまれば受験ができるので、一度こちらの国税庁のページを覗いてみてください。

経理の検定はコレ!簿記・FASS

簿記検定で証明できるスキルと試験概要

日本商工会議所が実施する「日商簿記検定」。小規模小売店の経理事務に役立つ4級、中小企業の経理事務に必要な経理関連書類や青色申告の書類作成などの知識も身につく3級、株式会社の経営管理に役立ち、財務諸表から企業の経営内容を読み取ることもできる2級に、公認会計士・税理士などへの登竜門とされる1級まで実に幅広い「経理」の知識を学ぶことができます。

簿記検定の勉強をすれば、今の仕事はもちろん、キャリアアップの足がかりとしても十分効果を発揮するでしょう。学歴や年齢、性別・国籍などは一切不問。はじめての受験でも4級から受ける必要はなく、1級から受験可能です。全国の商工会議所で受験できるので、地方在住者でも気兼ねなく挑戦できるのも魅力の1つです。

教材も公式・公認の教材があるため、試験に役立つ知識を効率良く身につけることができます。公式・公認教材の他にも出版社等から様々な教材が販売されているので、自分に合ったものを見つけ出すのもいいでしょう。

FASS検定で証明できるスキルと試験概要

FASS検定は経済産業省が発案し、先進企業50社の経理・財務幹部が開発したもので、グローバル人材育成を見据えた経理と財務の「実務力」を見える化するための検定です。

検定を構成するのは、売掛債権や在庫などの「資産分野」、月次決算やIRなどの「決算分野」、消費税や税務調査などの「税務分野」、現金出納や有価証券などの「資金分野」の4つです。現場に密着した内容となっています。

公式学習ガイドも作成されており、参考問題集や解説などを使って勉強することもできます。受験資格は特別設けられておらず、受験料は一般10,000円(税抜)。全国にある試験センターを利用すれば、どこでも受験可能です。試験時間は全体で2時間(試験本体90分と任意受験のオプション科目30分)で、「成績証明書」も試験終了後の試験会場で渡してもらえます。

資格
公認会計士
税理士資格
・経理事務だけでなく、企業の経営全体の知見が得られる。
・受験資格の制限なし
・税務のスペシャリストとしての知識が身につく。
・受験資格による制限あり。
検定
日商簿記検定
FASS検定
・1級から4級のレベルに応じて幅広い分野の知識が身につく。
・学歴等一切不問
・経済産業省発案、50社の先進企業の経理・財務幹部が開発。
・現場で役に立つ「実務力」をスコア化できる。

まとめ

経理の仕事において経験が重要なことは言うまでもありません。しかし資格取得や検定合格を目指すことで身につく知識は、経験のなさをカバーできるのも事実です。

自身のスキルアップはもちろん、自社の経理担当者をスキルアップさせたいという人はここで紹介した資格の取得や検定の合格を目指してみましょう。

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