• 作成日 : 2022年4月22日

永久差異と一時差異の違いとは?例から解説

永久差異と一時差異の違いとは?例から解説

永久差異と一時差異には、その差異が永久的に解消されないのか、将来的に解消され得る性質のものかという違いがあります。一時差異は費用と損金、収益と益金の認識時期が異なるために生じるものです。一時差異は将来いずれ解消するため、税効果会計を採用して税金を期間配分することが求められます。今回は永久差異や一時差異、将来加算一時差異、税効果会計について解説します。

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永久差異とは

永久差異は企業会計における費用と収益、税務会計の損金と益金に対する捉え方が違うことで生じる差異です。そもそもの考え方の違いから生じる差異であり、将来においても費用と収益、損金と益金の間の差異は解消されません。

永久差異はその名の通り、永久的に解消されることがないものであり、具体例には次が挙げられます。

  • 交際費等の損金算入限度超過額
  • 寄付金の損金不算入
  • 損金経理延滞税
  • 受取配当金の益金不算入 等

一定の基準を超えた交際費は損金の対象から除外されます。理由は節税目的で交際費に余計な費用を計上して、所得を減らす行為を防ぐためです。

見返りを求めない行為である寄付金についても、損金性が乏しく、損金とはみなされません。

損金経理延滞税は国税・地方税の利子税や延滞税などが該当し、必要経費(損金)には含まれません。受取配当金も二重課税を防ぐため、益金から除外されます。

永久差異はどれも認識や計上のタイミングが問題なのではなく、最初から損金や益金の対象には該当しません。

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一時差異とは

一時差異とは収益と益金、費用と損金において、考え方は同じであるものの認識・計上のタイミングが異なることで生じる差異です。

一時差異の具体例には減価償却費が挙げられます。会計上、減価償却費として計上した費用のうち、税務上は損金と認められない金額は減価償却超過額として一時差異になるのです。

一時差異は将来加算型と将来減算型の2つに区分できます。将来加算一時差異は当該一時差異が解消する際に所得を増額させる効果を持つものです。

反対に将来減算一時差異は差異の解消時に所得を減額します。将来減算一時差異の具体例は下記の通りです。

貸倒引当金繰入は費用に該当しますが、税務上の繰入限度額を超過した部分は損金としては認められません。つまり、差異が発生した時点では会計上の費用が税法上の損金を上回ります。

繰越欠損金は青色申告の承認を受けているときに限り、赤字額を翌年度に繰り越して将来的に発生する黒字額と相殺できるものです。将来税金を減額させる効果があるので将来減算一時差異とされます。

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将来加算一時差異とは

将来加算一時差異は当該一時差異の解消時にその時点で所得を増額させる効果を持つものです。差異解消時に法人税等の増額を生じさせる性質もあります。

将来加算一時差異の具体例は次の通りです。

  • 圧縮積立金
  • 特別償却準備金
  • 資産や負債の評価替えにより生じた評価差益 等

例えば特別償却準備金はさまざまな特別償却制度の適用を受ける際に、特別償却に相当する額を積み立てるものです。

将来加算一時差異は発生年度に税金の増額分を負債として認識し、貸借対照表に繰延税金負債を計上します。将来加算一時差異が解消する年度になったら、繰延税金負債を消去します。

もう少し詳しい解説をすると、会計上で発生した収益は益金にはみなされずに、益金不算入として課税所得から減算されます。マイナスの利益積立金が生じるため、負債が増えるのです。

この差異が解消するとマイナスの利益積立金が減り、益金に算入され課税所得が増額します。

税効果会計とは

税効果会計とは費用と損金の差異、収益と益金の差異を合理的に法人税等の税金を期間配分する会計処理方法です。

会計上の利益と税務上の所得は算出方法が違うため異なります。税効果会計を導入することで、その差異を適合させられます。

税効果会計の導入によって税引前の利益と法人税等の金額に整合性を保ち、見た目上の違和感がない損益計算書が完成します。一会計期間における会社の利益を正しく表すためにも税効果会計は必要です。

税効果会計は主に上場企業や、金融商品取引法の規制対象となる企業に対して適用が強制されます。中小企業は適用が強制されてはいません。

しかし、親会社が税効果会計を導入している場合、親会社の会計方針に合わせ同じような扱いをするのが望ましいでしょう。

永久差異は税効果会計では考慮されない

税効果会計は税引前当期純利益と法人税等の金額の不適合を正すために行われる手続きです。会計上の費用と損金、収益と益金が異なる場合にそのズレを修正するため、税金の額を期間配分します。

税効果会計の対象となるのは、費用と損金、収益と益金の考え方は同じであるものの、認識のタイミングが異なるために生じる一時差異です。

一時差異には当該差異の解消時に課税所得を増加させる将来加算一時差異や、一時差異の解消時に課税所得を減らす将来減算一時差異があります。

永久差異は会計上と税務上の考え方の違いから生じる差異です。永久に解消することがないため、永久差異は税効果会計の対象外となっています。

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よくある質問

永久差異とはなんですか?

企業会計と税務会計の考え方が異なるために生じる差異であり、永遠に解消しないものです。詳しくはこちらをご覧ください。

一時差異とはなんですか?

企業会計と税務会計で費用と損金、収益と益金の算入のタイミングが異なるために生じる差異であり、一時的なものでありいずれ解消されます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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