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  • 作成日 : 2019年10月17日
  • 更新日 : 2020年10月9日

e-文書法とは?対応方法や要件、改正の履歴を解説

経理担当として扱う書類は非常に多く、管理の仕方について不安に感じる方も多いでしょう。電子帳簿保存法やe-文書法により一部の文書は電子的に保存することも可能で、紙保管に比べると簡便に取り扱えます。この記事では、e-文書法の意味と条文にある要件、e-文書法の対応と対象文書、e-文書法の下にある電子帳簿保存法を中心とした改正と要件緩和などについて解説します。

e-文書法とは?

e-文書法は電子帳簿保存法より後の2005年に制定された法律です。この法律もパソコンとインターネットの普及を受け、ペーパーレス化による業務効率化やコスト削減などが制定の背景にあります。

e-文書法は、文書の電子化の全体を定義づけるような法律で、e-文書法以下のさまざまな法律に影響するものです。制定後、コンピュータの利用やIT技術の発展もあり、傘下の電子帳簿保存法では、より多くの事業者が電子化を実現できるように何度も改正が行われています。

e-文書法の要件

e-文書法の基本要件は見読性、完全性、機密性、検索性の4つです。

見読性表示や印刷などで情報が読み取れること

※CDで保存している場合には、CDドライブを用意しておくなど、読み取り機器なども保持しておく必要があります。
完全性作成された文書とデータが同じものであり、作成後改変されていないこと(真正性)確実に保存されていること(保存性)
機密性盗難、漏洩、不正アクセスなどが防止できていること
検索性必要に応じて必要な文書が探し出せること

電子帳簿保存法は国税庁が所管し、国税関係帳簿書類について定義されていますが、e-文書法は厚生労働省が所管している法令です。紙文書の電子保存に関する共通事項を定めている「通則法」と、紙文書の電子管理のために必要な手続きなどを定める「整備法」の2つから構成されています。

つまりe-文書法は電子帳簿保存法の上流に位置し、より包括的に書類の電子保存について規定しています。例えば、電子帳簿ではない社内の稟議書、有価証券報告書、人事関連資料等などの保存についてはe-文書法が根拠になります。

【参考】
厚生労働省 e-文書法について
国税庁 電子帳簿保存法の概要

e-文書法への対応方法

e-文書法は、データで内容を保存できる便利な方法ではありますが、すべての文書に対応しているわけではありません。前述したe-文書法の要件を満たして保存することはもちろんですが、現物の重要性が高い文書など一部は電子化が認められないものもあります。

各書類の扱いについてはそれぞれの省庁で定めがありますので、電子化の際によく確認しておくと良いでしょう。

なお電子化について、国税関係帳簿書類に関しては、さらに厳しい制限があります。国税関係帳簿書類は紙での保存が原則とされていますので、すぐに電子化はできません。電子化するには、帳簿と書類で様式の異なる「承認申請書」と利用するシステムの概要などが分かる「添付書類」を添えて、管轄の税務署の税務署長に承認を受ける必要があります。

原則、課税期間の途中から国税関係帳簿書類の電子化は申請できず、備え付けや電子保存開始の3カ月前には申請が必要ですので注意しましょう。

帳簿書類の電子化

ソフトウェアなどを使って作成する仕訳帳総勘定元帳などの帳簿、決算関係書類、見積書や請求書などの取引相手へ送付する書類の写しが対象です。(※詳しくは後述します)

税務署長の承認を受ければ、電子データのまま保存できますが、訂正・削除の事実確認ができる、システムに関連する書類の備え付けがある、主要な記録項目で検索できるなど、複数の要件を満たさなければなりません。

制度を利用した電子保存をしたい場合は、電子帳簿保存法に対応した会計ソフトなどを選ぶようにしましょう。

【参考】
国税庁 はじめませんか、帳簿書類の電子化!

書類のスキャナ保存

取引相手から受領した書類、取引相手へ送付する書類の写しについては、スキャナ保存制度によってスキャナでの電子保存ができます。こちらも、電子帳簿保存法と同様に税務署長の承認が必要なほか、解像度200dpi以上、タイムスタンプを付与すること、など複数の要件がありますので、要件を満たすための対応が必須です。

【参考】
国税庁 はじめませんか、書類のスキャナ保存!

保存すべき帳簿とは何か?

個人、法人を問わず、国税関係帳簿書類のうち保存を求められているものは多岐にわたります。法人税法や消費税法で保存すべきものとして定められている書類には以下のようなものがあります。

帳簿総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など
国税関係書類貸借対照表、損益計算書、棚卸表、その他決算書類

これらの書類は、一部を除き確定申告書の提出期限の翌日から7年間、証憑類は5年間保存することが定められています。
従来は、原則として紙での保存が義務付けられていましたが、指定されている書類すべてを紙で保存しようとするとそれだけ保管用の倉庫スペースやファイル代、印刷用紙代などのコストがかかります。保管期間を過ぎて破棄する場合にもセキュリティに配慮して処分する必要があり手間がかかります。
そのため、一定の条件を満たせばマイクロフィルムやサーバ、DVD、CDなどの電子データを使った保存が認められています。

また、国税関係書類もスキャナで読み取り保存することが可能です。
電子帳簿保存法によってデータ保存する方法は、2通りあります。

電磁的記録による保存

紙での保管を行わずに、各書類を電子データのままサーバ・DVD・CDなどで保管する方法です。

COMによる保存

COMとは「電子計算機出力マイクロフィルム」のことで、写真のフィルムで資料を保管する方法です。マイクロフィルムは耐久性があり長期保管に向いているとされ、最初から電子計算機で作成されている帳簿類については、そのままCOMで保存することが認められています。

e-文書法の改正履歴

e-文書法の正式名称は、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」です。2005年4月1日から施行されました。e-文書法は全体的な電子化の取り決めであって、詳細は各法律で異なります。
ここでは、e-文書法で定められた文書のうち、帳簿書類に関わる電子帳簿保存法と、その改正履歴について説明します。

【電子帳簿保存法の履歴】

1998年 電子帳簿保存法が創設される
2005年 改正によりスキャナ保存が追加される
2015年 改正により当初要件であった金額の上限がなくなる
2016年 スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像も認められるようになる(ただし、タイムスタンプの付与が必要) 
2020年 ユーザーが改変できないもの(クラウド上のクレジットカード利用明細等のデータなど)はデータ保存が可能になる(タイムスタンプの付与も不要)。

電子帳簿保存法が成立して施行されたのは、e-文書法が施行されるずっと前です。1998年には、すでに法律として電子帳簿の保存は認められていました。これは、コンピュータが普及し始めたことに関係しています。当時はまだ、一貫して電子計算機を利用する帳簿書類の保存しか電子化が認められていませんでしたし、要件も厳しいもので、容易に取り入れられるような制度ではありませんでした。

また、電子帳簿保存法の施行以降、デジタルデータやシステムの利用は加速化していきましたが、なかなか大きな改正は行われませんでした。大きく変更があったのは、2005年。e-文書法施行の影響でスキャナ保存が認められるようになったのです。

ただし、当時は電子署名が必要、請求書などは3万円未満、など電子化できる書類は厳しく制限されていました。上限が撤廃され、よりスキャナ保存が利用しやすくなったのは、10年後の2015年のことです。このころから、電子化を利用しやすい制度にしようとさらなる改正が行わるようになります。

その後もほぼ毎年税制改正による見直しが行われ、承認よりも前のスキャナ保存の容認、承認申請の簡略化、期間制限や定期検査の見直し、ユーザーが改変できないクラウド等のデータについてはタイムスタンプ付与が不要となるなど、中小企業でも導入しやすいように整備が進められています。

【参考】
国税庁 令和元年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要について

e-文書法の意味と重要性

e-文書法は、帳簿書類の電子化に関わる電子帳簿保存法にも関連する法律で、すべての文書の電子化の要件を定めた、基となる重要な法律です。要件は、すべての文書の電子化に通じていますので、まずは要件だけでも確認し、電子化に対応できるようにしましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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