- 更新日 : 2024年8月8日
会社解散における税務処理とは
業績が悪化し事業閉鎖に追い込まれてしまったり、会社を存続するメリットがなくなったり、事業の後継者がおらず、事業そのものが継続できなくなったなどの理由から、会社の業務を終了させること、すなわち、会社の解散を選択する場合があります。
一般的に会社の解散は、株主総会の決議によって決定されますが、会社解散が決定したからといって、何も処理せず会社を終了させることはできません。解散はあくまで、業務の終了を意味しますので、その後に、法人税の申告や債務整理などの業務、いわゆる清算業務と呼ばれる残務処理を行う必要があります。
ここでは、会社解散後に行う清算業務のなかでも、期限切れ欠損金の損金算入と、子会社の清算における未処理欠損金の処理、解散・清算事業年度の確定申告についてご説明します。
期限切れ欠損金の損金算入とは?
2010年度税制改正の「清算所得課税から損益課税への変更」により認知度が高まった「期限切れ欠損金」とは、期首の利益積立金額から青色欠損金を差し引いて算出された額のことを指します。
残余財産がない法人に、資産売却益や債務免除益などに対する課税が発生しないように、清算中の法人で残余財産がないと判断される場合には、青色欠損金額を控除後の所得金額を限度として、「期限切れ欠損金の損金算入」が認められています。
期限切れ欠損金の損金算入の適用要件については、確定申告書において、期限切れ欠損金額の損金算入に関する明細書の記載があり、残余財産がないことが見込まれることを説明する書類を添付することとなっています。
子会社の清算における未処理欠損金の処理とは?
完全支配の関係にある親会社と子会社との間で、子会社の残余財産が確定した場合には、子会社の未処理欠損金を、親会社で引き継ぐことが可能となっています。
親会社で引き継ぐことのできる欠損金の詳細は、以下の通りとなっています。
完全支配関係になっている子会社の残余財産が確定した場合、確定日の翌日前9年以内に始めた子会社の各事業年度に発生した欠損金のうちで、未処理欠損金額は、親会社の各事業年度において生じた欠損金額とみなされ、引き継ぐことができます。
解散事業年度における確定申告
会社が解散した日の属する事業年度開始日から、会社の解散日までの期間を1事業年度として、その期間の解散確定申告書を、解散の日の翌日から2ヵ月以内に提出し、申告した税額を納める必要があります。この解散確定申告書は、その事業年度の所得に対して課される法人税にかかるものです。
清算中のそれぞれの事業年度における確定申告
会社が解散した日の翌日から1年ごとの期間を1事業年度として、それぞれの事業年度終了日の翌日から2ヵ月以内に、清算事業年度の確定申告書を提出し、申告した税額を納める必要があります。
この確定申告書は、それぞれの事業年度の所得に対して課される法人税にかかるものです。
残余財産確定事業年度の確定
最終的に残余財産が確定した場合には、残余財産確定事業年度の確定申告書を残余財産が確定した日の翌日から1ヶ月以内に提出し、申告した税額を納める必要があります。
なお、申告書提出の期間内に、残余財産から最後の分配が行われる場合は、それが行われる日の前日までが確定申告書の提出期限となっています。ちなみに、解散事業年度の確定申告の申告書と、清算中のそれぞれの事業年度における確定申告については、「確定申告書提出期限の1ヵ月延長の特例」が認められています。
まとめ
会社解散に伴っては、その後に行わなければならない税務上の各種手続きがありますので、業務の運営を停止するだけではなく、それらの処理についても適正に行う必要があります。それぞれの処理には手続きの期限が決められていますので、事前に細かいスケジュールを立てて取り組むことがポイントとなります。
参考:
・平成22年4月1日以後に終了する事業年度分法人税申告書カラーOCR帳票一覧表|法人税|国税庁
関連記事
・注意しないと黒字倒産!?損益計算書・貸借対照表で気をつけるべき2つのポイント
・法人が休業届けを出すメリットとデメリット
・中小企業の最後の砦!経営セーフティ共済とは?
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 法人税申告
寄付金控除は法人も受けられるか?
個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに寄附をした場合には、所得控除を受けることができます。これを、寄附金控除と呼びます。また、政治活動関連への寄附金や認定NPO(特定非営利…
詳しくみる -
# 法人税申告
真実性の原則とは?意義や目的、相対的真実についても解説!
真実性の原則は、企業会計において真実な報告を求めるものであり、企業会計原則の一般原則に記された会計の根本的なルールです。本記事では、会計・経理の担当者に向けて真実性の原則を分かりや…
詳しくみる -
# 法人税申告
中古車の方がお得?社用車の節税対策とは
会社の資金繰りは、事業を運営する上で重要な要素のひとつです。 固定資産の購入は、会社の事業の運営・将来的な収益に結び付く投資であるため、減価償却による費用処理が認められています。社…
詳しくみる -
# 法人税申告
収入印紙を金券ショップで買うことのメリット・デメリット
契約書や領収書に貼る収入印紙は郵便局や印紙売りさばき所で売られていますが、金券ショップで売られていることもあります。金券ショップでは額面より低い金額で売られているため、経費削減に役…
詳しくみる -
# 法人税申告
源泉分離課税とは?源泉分離課税の基礎を解説
分離課税制度(ある種類の所得を他の所得と分けて課税する制度)には申告分離課税と源泉分離課税があり、所得の種類によってどちらを適用するかが決定されています。その結果、確定申告が必要か…
詳しくみる -
# 法人税申告
決算賞与による節税対策|要件とメリット・デメリット
「利益が大幅に上がり、それに伴って税金も増えそうだ」といった場合に、決算賞与という節税方法があります。決算時に賞与が未払いであっても今期に損金と認められる決算賞与の要件、メリット、…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 損益分岐点
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 決算報告書
- 財務分析
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理の仕事
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 勘定科目 交際費
- 法人の節税
- 法人税 節税
- 給付金
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 原価計算 棚卸資産評価
- 勘定科目 引当金
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 仕訳 仮勘定
- 仕訳 のれん
- 一括償却資産
- 工具器具備品
- 勘定科目 地代家賃
- リース取引
- 中小企業 業務課題
- 税理士
- 原価計算
- 軽減税率
- 簡易課税
- 法人税申告
- 税務調査
- 貸倒引当金
- 売掛金 会計処理
- 電子帳簿保存法
- 粉飾決算
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 会計ソフト 運用
- 利益
- 経理 効率化
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 勘定科目 負債
- 予算管理
- 勘定科目 流動資産
- 棚卸
- 資金繰り
- 会計システム
- 原価計算 売上原価
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店 経理
- 電子帳簿保存法 保存要件
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支計算書
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 仕訳 固定資産
- 消費税
- 借地権
- 役員報酬
- 中小企業
- 勘定科目 損害
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 仕訳 金融商品
- 決算
- 預金
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 仕訳 仕入
- 経費精算
- 経費精算 領収書
- 勘定科目 資産
- 原価計算 原価率
- 電子帳簿保存法 対応
- 電子帳簿保存法 対応 ケース別
- 減価償却 機械 設備
- 勘定科目 旅費交通費
- 旅費交通費
- 減価償却 少額資産
- 勘定科目 資本
- 小口現金
- 電子取引
- 勘定科目 固定資産 車両
- 個人事業主 経費 固定資産
- 勘定科目 固定資産 PC
- 勘定科目 固定資産 建物
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 連結納税
- 勘定科目 保険料
- 督促状
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- M&A 資本政策
- 決算公告
- 決算業務
- スキャナ保存
- 仕訳 経費
- 経費精算 効率化
- 債権
- 電子記録債権
- 売掛金回収
- 口座振替
- 確定申告 法人
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 決済代行
- 財務会計
- 小切手
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- 消費税 会計処理
- ファクタリング
- 償却資産
- 会計基準
- 法人税 関連税




