• 作成日 : 2022年4月22日

当座借越とは?一勘定制と二勘定制の違いを解説

当座借越とは?一勘定制と二勘定制の違いを解説

企業は銀行との間で契約を結ぶことで口座残高を超えた金額の小切手を振り出せるようになります。当座借越の仕訳方法は一勘定制と二勘定制に分かれることが特徴です。

一勘定制と二勘定制では使用する勘定の種類と数が異なります。今回は当座借越の概要と、一勘定制と二勘定制の詳細を解説します。

当座借越とは

当座借越とは、口座にお金がない状態で小切手を振り出したときの銀行に対する借金です。

通常は当座預金の残高を超える小切手を振り出すと不渡りになりますが、当座借越契約を結ぶことで残高を超える分は銀行に立て替えてもらえるため、不渡りを回避できます。

当座預金口座の開設時に「当座借越の金額は〇〇円まで可能」というような契約を締結します。借入限度額に加えて期間・利率などを定めた上で、担保を差し入れるのが一般的です。

当座借越は銀行側にとってリスクが大きいため(回収可能性が低いため)、審査を通過するハードルは高いかもしれません。反面、一度通れば融資を継続的に受けられるというメリットがあります。当座借越の仕訳方法は一勘定制と二勘定制に分かれています。

一勘定制とは

一勘定制とは、当座借越の取引を当座勘定のみを用いて仕訳する方法です。資産である当座預金勘定と負債の当座借越勘定を区別せずに、当座勘定でまとめて仕訳を行います。

一勘定制では預金の預け入れ時に、当座勘定の貸方に記入します。また残高を超えて小切手を振り出す際にも仕訳が必要。小切手の金額を当座勘定の貸方に記載するだけでOKです。

一勘定制は単一の勘定しか使用しないため、スムーズに仕訳できることが特徴です。

一勘定制の仕訳

例)当座預金口座を新たに開設し、現金15万円を預け入れた

借方
貸方
摘要
当座
150,000円
現金
150,000円
〇〇銀行

例)仕入先から20万円分の商品を購入し、代金は小切手で支払った
借方
貸方
摘要
仕入
200,000円
当座
200,000円
××商品

上記の仕訳を行うと、貸方の当座預金残高がマイナスになります。これは金融機関に対して借金があることを意味します。

当座の勘定口座を確認し残高が借方ならば当座預金に金額が残っていることを意味し、当座勘定口座の貸方に残高があれば、銀行に負債があるという意味です。

一勘定制では、仕訳を見ただけでは当座預金や当座借越の残高が分かりません。したがって金銭の流れを確認するには、当座勘定をチェックしなくてはなりません。

二勘定制とは

資産の勘定である当座預金勘定と負債の勘定である当座借越勘定の2つを用いる仕訳方法です。当座預金残高がプラスの場合は当座預金勘定を、マイナスの場合は当座借越勘定を使用します。

例えば、買掛金を支払うために当座預金残高を超える額の小切手を振り出したとしましょう。残高を超えているため、全ての小切手の分だけ減らすことは不可能です。

無理やり残高を減らして帳簿を締め切った場合、貸方に残高が残ってしまいます。資産を意味する当座預金勘定において負債のような扱いを受けるのは、違和感があります。

そこで、当座預金の残高を超える金額に関しては、当座借越という負債の勘定項目で処理するのです。

二勘定制の仕訳

例)当座預金口座を新たに開設し、現金15万円を預け入れた

借方
貸方
摘要
当座預金
150,000円
現金
150,000円
〇〇銀行

例)仕入先から20万円分の商品を購入し、代金は小切手で支払った
借方
貸方
摘要
仕入
200,000円
当座預金
150,000円
××商品
当座借越
50,000円

上記の仕訳例では預金残高が15万円しかないにも関わらず、20万円の小切手を振り出しています。

15万円の残高に対応する部分の減少は、当座預金勘定で記帳します。そして差額の5万円については当座借越勘定を用いて処理してください。

また、当座借越の残高を上回る金額の入金があった場合は、まず当座借越の残高をゼロにし、その後、差額を当座預金勘定で処理するという流れを踏みます。

一勘定制と二勘定制の違い

一勘定制は引き出し・預け入れ時に当座預金残高と当座借越残高を確認する手間がなくなるため、手続きがシンプルで簡単です。

二勘定制では小切手の振り出し時や当座預金に預け入れを行う場合、当座預金残高と当座借越残高をチェックする必要があります。

そのため二勘定制は手間が多く、面倒な手続きだといえるでしょう。対して一勘定制は勘定の確認が省ける上に当座勘定で一括して処理できるため、手続きをスムーズに行えます。

ただし、一勘定制では当座預金の期末残高がマイナスになるときは、決算時に短期借入金に振り替える必要があります。そのままだと当座預金勘定に残高があると誤解され、適切な会計処理がなされず間違った意思決定につながるためです。

銀行に借金がある状態にも関わらず、その事実に気付かずに事業を進めてしまう可能性があります。会計処理上のミスを避けたければ二勘定制を、手続きの簡素化を望むなら一勘定制というように使い分けましょう。

当座借越では一勘定制と二勘定制を使い分けよう

当座借越とは銀行と契約を結んだ際、口座残高を超える金額の小切手を振り出して生じる負債を示す勘定項目です。通常当座預金の残高を超える小切手を振り出したときは、不渡りになりますが、残高を超える部分は銀行に立て替えてもらえるため、不渡りを出さずに済むことが可能です。

当座借越の仕訳には一勘定制と二勘定制が存在します。一勘定制は当座預金への預け入れや小切手の振り出しに当座勘定のみを使用し、二勘定制は当座預金勘定と当座借越勘定を使います。

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よくある質問

当座借越とは?

銀行と契約を結ぶことで口座残高以上の小切手を振り出したときも不渡りにならずに銀行が保証してくれる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

一勘定制と二勘定制の違いは?

一勘定制は当座勘定を、二勘定制は当座預金勘定と当座借越勘定を用いるという違いがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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