• 作成日 : 2015年8月31日
  • 更新日 : 2020年9月17日

中古車の方がお得?社用車の節税対策とは

会社の資金繰りは、事業を運営する上で重要な要素のひとつです。

固定資産の購入は、会社の事業の運営・将来的な収益に結び付く投資であるため、減価償却による費用処理が認められています。社用車を購入する場合、購入条件によっては減価償却を使用した節税対策が可能です。

節税の効果

悪意をもって納税義務を怠る脱税は犯罪行為ですが、税法で認められている範囲内で税負担を減らす節税は認められています。合理的な節税は、資金繰りの健全化、ひいては会社の事業の継続と発展につながります。

法人税の計算は1年間の企業の利益に基づいて求められることから、節税対策には通常、収益(益金)を減らす、または費用(損金)を増やす対策を講じます。

会計と違い、税法上では、「収益」を「益金」、「費用」を「損金」と呼びます。

会計: 収益 – 費用 =利益
税法: 益金 – 損金 =(事業)所得

減価償却とは

機械設備やコンピューター、車両運搬具などの固定資産の購入は、会社の事業の運営・収益に結びついているため、購入費用を法定の耐用年数にわたり費用化することが許されています。

これらの固定資産は、年々価値が減っていく(減価していく)と考えられ法律で個々の資産の耐用年数が定められています。耐用年数により、どれだけの期間にわたって資産の減価償却ができるかが決まります。

個々の固定資産の耐用年数に基づいて、ある期間にわたり分割して費用化することを減価償却といいます。減価償却1年目以降の費用化されなかった残りの金額、すなわち購入費用から費用化された減価償却費の合計を差し引いた部分は、各年の決算の際に資産として帳簿・貸借対照表に記録されます。

減価償却の方法には、毎年同額の償却費となる「定額法」と毎年償却費が減少していく「定率法」があります。法人は固定資産のうち「機械装置」「工具器具備品」「車両運搬具」「船舶・航空機」については任意で選択できます。

また、法人の場合、減価償却は任意で繰り延べられますが、個人事業主の場合は減価償却を強制的に行うことになっています。

減価償却の節税効果

会社は、減価償却によって毎年少しずつ投資に使った費用を回収します。その際、キャッシュの流出はありません。

減価償却に節税効果があるといわれる理由は、減価償却を費用(損金)化するときに利益を減らすため、支払う納税金額を減らす節税効果があるためです。高額な固定資産の場合、耐用年数が短いほど費用化できる減価償却費が多くなるため、納税時に節約できる金額が多くなります。

なお、固定資産を費用化するには会社の事業用としてすでに使用されている必要があります。

社用車は固定資産?

会社が減価償却できる固定資産には、建物や機械・装置、工具、事務机やいす、パーソナルコンピュータなどの器具・備品、(2輪・3輪自動車を除く)自動車や(2輪・3輪自動車を含む)運送事業用自動車などの車両・運搬具などが含まれます。

社用車は車両・運搬具に含まれ、法定の耐用年数は6年となっていますが、6年という耐用年数は新品の自動車を購入した場合の年数であり、中古の自動車を購入した場合は法定の計算方法によって耐用年数を求めることになります。

自動車を社用車にすることで、購入費用の減価償却費を費用として処理できるだけでなく、社用車にかかる自動車税や保険、修理費を費用化することも可能です。

新車と中古車はどっちがお得?

決算が12月の会社が1月に新車を社用車として500万円で購入して1年間使用した場合と、4年落ちの中古車を500万円で購入して1年間使用した場合にどちらのケースが納税額の節約につながるか比べてみましょう。

新車を社用車として購入した場合

定率法で計算すると、6年の耐用年数をもつ自動車の減価償却費は、0.33(償却率) ×新車の購入費用となります。

0.33 × 500万=165万円

新車購入1年目は、165万円が減価償却費として計上され、売上利益から差し引かれます。

中古車を社用車として購入した場合

中古車の耐用年数は以下の算式で計算します。

(1)法定耐用年数の全部を経過している場合
法定耐用年数の20%に相当する年数

(2)法定耐用年数の一部を経過している場合
法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数+経過耐用年数の20%に相当する年数

今回のケースの場合は法定耐用年数を一部経過しているため(2)の式で車の耐用年数を求めます。
(6年-4年)+4年×20%=2.8年
※1年未満切り捨て
定率法で計算すると耐用年数2年の自動車の減価償却費は償却費1.0×中古車の購入費用となり、購入して1年目で500万円全額を費用化することができることになります。

したがって、中古車購入1年目は、500万円が減価償却費として計上され、売上利益から差し引かれます。

結論として、中古車を社用車として購入する場合は1年で投資した購入費用をすべて回収できますが、新車の場合は6年かけて回収することになります。

法人税は、売上利益から減価償却費を含む費用を引いた総額に法人税率をかけた値ですから、当然購入1年目で500万円を引ける4年落ちの中古車の方が節税効果があるといえます。

中古車の場合、1回で多くの金額を費用化することにより納税金額の支払いを繰り越す効果があるため、節税効果があるといわれています。

参照:減価償却資産の耐用年数等に関する省令

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監修:土屋 英則 (税理士)

税理士法人ゆびすい
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