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  • 作成日 : 2021年9月10日

当座預金と普通預金の違いは?メリット・デメリットまで解説!

当座預金と普通預金の違いは?メリット・デメリットまで解説!

金融機関に金銭を預ける預貯金は、個人だけでなく法人も広く利用しているサービスです。事業を営む法人や個人事業主は、普通預金や定期預金以外に当座預金も利用できます。事業者向けの当座預金とは、どのような預金なのでしょうか。この記事では、当座預金の概要と普通預金との違いなどについて解説します。

当座預金とは?

当座預金とは、事業用の決済口座のことです。入出金には所定の手続きが必要で、普通預金のようにATMで自由に入出金ができません。銀行の当座預金口座に預け入れた後、支払いは小切手や手形を振り出す形で行います。以下の図は、銀行に預け入れた金銭が払い出されるまでの流れです。
当座預金とは?

当座預金には、他にも普通預金とは違ったさまざまな特徴があります。具体的な特徴を見ていきましょう。

当座預金と普通預金の違いは?

ここからは、よく使われる普通預金と当座預金との違いを見ていきます。

利息がつくかどうか

一般的な普通預金は預入金額と預入期間に応じて、金融機関から決められた期日に預金利息が支払われます。利率は変動し、市場金利を参考に設定されますが、金融機関ごとに利率は異なります。

一方で、当座預金には利息がつきません。臨時金利調整法(金利の最高限度額などについて定めた法律)により、利息をつけることが禁止されているためです。

元本(預入額)の保証はどうか

金融機関が破綻したときに備えて、預金等を保護する預金保護制度があります。預金保護制度に加入する金融機関(国内の金融機関は原則として加入しています)に預金等をすることで自動的に保険契約が成立し、保護が開始されます。

預金等の種類によっては預金保護制度の対象にならないものもありますが、普通預金と当座預金はどちらも保護の対象です。ただし、保護の対象範囲が異なります。

普通預金を含む一般預金等の保護の範囲は、合計1,000万円までの元本と破綻日までの利息です。一般預金等の合計額なので、普通預金だけでなく、定期預金や定期積金などを合算した額になります。

経営破綻した金融機関に普通預金900万円、定期預金500万円を預け入れていた場合は、1,000万円までしか保護の対象にならないのです。ただし、これはあくまで保護される額であり、金融機関が破綻しても財産が残っていれば、状況に応じて保護の範囲を超過した額も支払われる可能性があります。

一方で当座預金は決済用預金に分類されるため、預け入れている額にかかわらず全額が保護の対象です。

ATMを用いて入出金ができるか

金融機関内だけでなく、独立したATM(現金自動預け払い機)やコンビニエンスストアに設置されたATMで入出金ができる金融機関も少なくありません。普通預金であれば、ほとんどの金融機関がATMに対応しているため、ATMを使って自由にお金を出し入れすることができます。

一方、当座預金への預け入れと払い戻しには制限があります。原則的に、預け入れも払い戻しも取引店の窓口で行います。払い出しに関しては金銭ではなく、小切手や手形、口座振替などで行われます。ただし一部の金融機関では、当座預金であってもATMで預け入れや払い出しができるところもあります。

現金引き出し限度額があるか

普通預金は、ATMでキャッシュカードや通帳を使って取引ができます。しかし、ATMでの振込や現金の引き出しには限度額が定められています。金融機関ごとに限度額は異なりますが、ATMだと1日に100万円までしか取引ができないところもあります。

ATMの限度額を超える取引は、窓口で行うことになります。窓口であれば基本的に限度額はありませんが、大口の取引や多額の現金引き出しは事前の申し込みなどが必要です。窓口に出向いても、その日のうちに引き出せないこともあります。

一方、当座預金は流動性の高い決済用口座なので、現金引き出しについて限度額や制限はありません。

当座借越があるか

当座預金を開設していて当座借越契約を締結している場合は、当座借越を利用できます。当座借越とは、当座預金の残高が足りない場合でも、金融機関と契約した金額までであればマイナス分を金融機関が立て替えてくれる契約のことです。当座預金の残高がないときに手形の取り立てなどが行われると不渡りになりますが、当座借越を結んでいれば残高がマイナスになっても、一定額までは通常どおり手形や小切手の払い出しが行われます。

一方、普通預金には当座借越のような契約はありません。普通預金にも一定額までなら銀行が立て替えてくれる当座借越に似た契約はありますが、通常は定期預金などに預け入れている額を担保として提供しなくてはなりません。

当座借越については、以下の会計用語集で詳しく解説しています。

口座開設時の審査があるか

個人であれば、必要事項を記載して本人確認書類を提出すれば、普通口座を開設できます。法人は個人と比べると提出書類は多いものの、基本的に審査などは行われません。

一方、当座預金の開設には審査があります。会社としての実態はあるか、どのような事業を行っているか、代表者を確認できるかなどが審査されます。銀行が取引の責任の一部を負うため、誰にでも当座預金での取引を認めることはできないのです。当座預金の開設では、信用力が問われます。当座預金は個人事業主でも開設できますが、金融機関によっては審査の状況次第で口座を開設できないこともあります。

通帳の有無

普通預金は、基本的に通帳が発行されます。ATMなどで通帳の記帳を行うことで、取引の日付や金額、取引内容を確認できます。

一方で当座預金は、基本的に通帳は発行されません。代わりに、金融機関から当座預金取引照合表が発行されます。通帳の代わりに、金融機関が当座預金を開設している企業に送付します。通帳が発行されないのは、当座預金での取引量は膨大になることが多いからです。

しかし近年は、普通預金も当座預金も紙ベースの通帳や当座預金取引照合表をなくす金融機関が増えました。紙ベースの通帳を発行しない金融機関では、Web上で入出金明細表や帳票を確認できます。

当座預金と普通預金、どちらが良い?

ここまで当座預金と普通預金の違いを説明してきましたが、どちらを選択するべきなのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、当座預金のほうがよいケース、普通預金のほうがよいケースを紹介します。

当座預金のメリット・デメリット

当座預金のメリットは、小切手や手形の振り出しができることや、元本保証があること、当座借越があること、取引額などに上限がないことです。決済用口座であるため、取引先との金銭のやり取りに向いています。

特に事業で口座を利用することを考えると、全額が元本保証される点は大きいでしょう。企業規模が大きくなるほど取引額も大きくなり、銀行に預け入れる額も増えるためです。

金融機関が経営破綻したとき、元本が一部しか保証されないと取引が停止するおそれがある上に、保証されない分は損失となります。損失が多額になると、事業の継続にも支障をきたすでしょう。元本の全額が保証されている点は、事業を行う上で非常に重要です。

デメリットは利息がつかないことや、小切手の発行に手間がかかること、口座開設時に審査があることです。審査では事業や会社の信用度が問われるので、当座預金を利用したくても審査結果によっては開設できないこともあります。

まとめると、当座預金を開設したほうがよいのは取引額が大きい会社や、日々の取引が多い会社、小切手や手形を利用した決済を行いたい会社などです。

普通預金のメリット・デメリット

普通預金のメリットは、利息がつくことや審査なしで口座を開設できること、ATMなどでお金の出し入れがしやすいことです。必要に応じて窓口以外でもお金の出し入れができることは、大きなメリットといえるでしょう。その意味で、当座預金よりも使い勝手は良いです。

デメリットは元本保証の範囲に制限があることや、入出金に限度額が設けられている場合があること、当座借越がないことです。ATMで取引ができるのは便利ですが、1日の取引額には上限があるため、多額の取引をATMで行うことはできません。また、元本保証は1,000万円までなので、それを超える金額を口座に入れておくと、金融機関が経営破綻した場合に全額が保証されないおそれがあります。

まとめると、普通預金を開設したほうがよいのは、入出金がしやすい便利な口座を求める個人や企業です。当座預金と併用すれば、大口の取引を当座預金で行い、小口の取引を普通預金で行うこともできます。
また、普通預金のほうが当座預金よりも入出金の利便性が高く汎用性の高いため、少額の取引が多い小規模企業や小切手や手形を使用しない個人事業主は、普通預金がおすすめです。

当座預金と普通預金を上手に使い分けよう!

金融機関で開設できる預金口座の代表は普通預金ですが、企業や事業者向けに当座預金もあります。普通預金と当座預金は特徴が異なるため、必要に応じて開設し、使い分けるとよいでしょう。

取引額や取引数が少ない個人事業主や小規模企業は、普通預金だけでも十分対応できます。当座預金の開設時には審査もあるので、必要性が高くない場合は無理して開設する必要はないでしょう。

よくある質問

当座預金とは?

事業用の決済口座です。詳しくはこちらをご覧ください。

当座預金と普通預金の違いは?

元本保証の範囲や利息の有無、当座借越の有無などが異なります。詳しくはこちらをご覧ください。

当座預金のメリットは?

当座預金のメリットは元本保証があること、小切手や手形を振り出せること、当座借越があることなどです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。